境界性パーソナリティ障害 (幻冬舎新書 お 6-1)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 81
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344981225

感想・レビュー・書評

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  • 思った以上に良書だった。

    本書に書かれていることは,
    大半の人間に当てはまるのではないでしょうか?
    親子関係が上手くいっていない家族が大半だと思うので。

    境界性パーソナリティ障害ではない人も,
    本書を読むことによって得ることは多いと思います。

    私にも,生まれてきたこと,産んでくれたことに
    感謝できる日がくるのでしょうか?
    それとも,やはり,本当の幸せはこの世に生まれてこなかったこと…
    と思いながら死んでいくのでしょうか?

    でも,この問い自体が,前者は善で,
    後者は悪だと,二元論的な価値に囚われてしまっている。

    本当の幸せはこの世に生まれてこなかったことだと思いながらも,
    そこそこ楽しい人生も送れるのかもしれないですし。

    などと思いつつも,人生はままならないのであった。

    でも,まぁ,円熟味が増して,
    やり過ごすのが上手くなってはいくのでしょう。

    単なる老化による思考停止,
    感覚麻痺なのかもしれないけど(汗)。

  • すごく明確で希望がある。
    現象の列挙、解釈、対応が同時に平易な言葉で書かれていて読みやすい。
    パーソナリティ障害が1時的な状態であり、回復があり、乗り越えることで人生を豊かにできるというのは感動的。

  • 私もボーダーかしら?とどきどきしながら読んだよ。それぐらいあてはまることががんがん出てくるし。
    でも、少なからず、誰でもそういうところがあるのかな。

    私は親のせいだと思わないようにしてるから、ボーダーではない、
    リストカットしてないから、ボーダーではない、と思っているのだけど。

    それぐらい、わかりやすい内容だったのだと思う。身近なことで。

    毎度、パーソナリティ障害の本を読むと、まわりの人たちの大変さというか支援というか、
    本当にすごいと思います。
    なかなかこんなふうに接することはできないわ。

  • 自分がこれなのかどうかはわかりません。専門機関に診てもらったことがないので。
    ただ、将来もし自分が子どもを授かったらどう接すればいいか、逆に良くない接し方は何なのか、そういったことが頭でわかった気がして、
    その意味で自分にとって意義ある一冊となりました。

    個人的には、この障害が治った(収束した)あとの、人や社会に対しての接し方を知りたかったですが……
    (障害によって一度人間関係が壊れていることもあると思うので)
    そこは本人がそれぞれ自分で考えて、ということなのでしょうね。

  • またひとつ、引っ掛かりを解いてくれる一冊だった。

  • 接し方について、参考になりました。今まで、額面通り受け止めてしまっていて最低…。もし、また接する機会があれば、この本のポイントを実践したいです。

  • 境界性人格障害(BPD)について、わかりやすくまとめられている。

    状態像、理解の仕方、急増の理由、支援の仕方、予後など。
    とくに、ベースにある性格のタイプによって理解の仕方が異なるというところが勉強になった。

    BPDはあくまで症状なので、発現して、徐々に落ち着いていく。
    だからこそ、ベースを理解することが大切なのだと思う。

    専門家に限らず、身近な人の支えが得られるかどうかって大きいんだなと思った。

  • 愛着障害の作者。やや内容が冗舌なところがあり読みにくいが、なんとなく対応していたパーソナリティ障害の人への対応がしっかり書かれていてとても参考になった。

  • とても読みやすい。タイプ別に分かれて解説されている。自分がどれに当てはまるのか明確にはわからなかったが、境界性パーソナリティ障害的な悩みを持つ人が読んでみて、共感しやすい文章でかいてある。著者が作家なだけあって、科学的なことが書いてあるのに文体が堅苦しくないのが好感がもてる。乗り越えることで、深みのある人生が待っているという言葉に大変救われた。

  • 名前は聞いたことがあっても、どんなものかよくわからなかった「境界性パーソナリティ障害」。
    感情の起伏が激しく、感情のコントロールが利かない。対人関係でも両極端の態度を取って安定した関係が築けない。自殺願望があったり、自分を損なう危険な行為に耽溺する・・・などが主要な特徴だという。
    どうやら、自己愛が望ましい形で形成されなかったことを原因の一つとする障害であるようだ。
    特定の「困った性格」のことを言うのではない、そうだ。

    早い時期で親から引き離される体験が元になりやすいという指摘があった。
    母親が仕事に出るということもそれに該当するわけだが・・・
    それが「現代社会病」と筆者が言う所以でもあろうが、だとすれば、今後、この障害を持つ人はどんどん増えていくということか?
    こういわれてしまうと、子どもを持つことに躊躇する人が出てきてしまいそうな気がする。

    本書の終盤は、患者さんをささえる人(家族・友人、そして医療者)の心構えが説かれていた。
    患者が自分の問題に向き合い、悪い行動や認知のパターンを意識して、より望ましいものに変えていく、そのトレーニングをすることで、回復に向かうのだそうだ。
    しかし、激しく反発したり、何かと不安定な患者を、常に中立的な態度で寄り添い続けるのは、半端ではなく難しいことだと思う。
    特に家族は、なかなか感情的にならずにいることは難しいだろう。

    この「障害」が回復するものなのだと知ることができたのは、よかったけれど・・・
    他の病同様、決して簡単にはいかないのだろうと、読後複雑な気分になってしまった。

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著者プロフィール

岡田尊司(おかだ・たかし)
1960年香川県生まれ。精神科医、作家。東京大学文学部哲学科中退。京都大学医学部卒業。同大学院医学研究科修了。医学博士。京都医療少年院勤務などを経て、2013年より岡田クリニック(大阪府枚方市)院長。日本心理教育センター顧問。パーソナリティ障害、発達障害、愛着障害を専門とし、治療とケアの最前線で現代人の心の問題に向き合う。著書『悲しみの子どもたち』(集英社新書)、『愛着障害』『愛着障害の克服』(いずれも光文社新書)、『愛着アプローチ』(角川選書)、『母という病』(ポプラ新書)、『母親を失うということ』(光文社)など多数。

「2022年 『病める母親とその子どもたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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