出られない五人 (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396336141

感想・レビュー・書評

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  • なんだか5人が集まった理由も出たくない理由も薄っぺらいなぁ。
    たいした謎があるわけでもなく登場人物にも魅力があるわけでもなくただドタバタと終わっただけみたいな感じでした。

  • 2019.11.9読了。
    途中から、視点が変わって話が進む辺りで若干自分の頭がとっ散らかったけど、次々明らかになる各人の秘密は面白かった。
    ラストの幸の行動が、ちょっとよく分かんなかったんだよな...
    「全てなかったことにしたい」が伏線?
    時間あけて、読み直してみよう。

  • 有隣堂ヨドバシアキバ店の小説コーナー
    で見つけた作品。ちなみにこのお店、煽りのPOPが本当
    に秀逸。POP効果で購入した本が何冊あるか解らない程。
    金額にして5万以上は軽く行ってる気が・・・。

    失礼ながら蒼井上鷹という作家の名前に全く覚えが無く、
    初めてのつもりで読み始めたのだが、ちょっと読んだだ
    けで妙な既視感が。文体に非常に覚えがあり、読了前に
    調べてみたら、ずいぶん前に読んだことのある著作を発
    見。そうか、「キリング・タイム」のあの人なのか、と
    妙に納得した(^^;)。

    内容は・・・。
    ある作家が急逝し、その作家の馴染みだったバーも建物
    の老朽化で閉店することに。これを受けてネット上で募
    集された「店の跡地での追悼オフ会」に初対面の5人が
    参加。マニアックで楽しい会の筈だったのに、死体やら
    侵入者やらのアクシデント続出。にも関わらず、誰も地
    下にあるバーの跡地から出ようとしない。いったい何故?
    ・・・という感じ。

    密室ミステリーであるのは間違い無いのだが、まぁ・・・
    爆笑系の作品(^^;)。登場人物の名前の付け方から、彼ら
    ・彼女らの置かれた状況などに至るまで、細部にクスっ
    とさせてくれる状況を構築し、笑わせながら話を展開さ
    せて行く。まんまと爆笑しながらも話は随所で意外な方
    向に向い、最終的には見事なオチがつく、という鮮やか
    な構成。いやぁ、見事だと思います、ええ。

    雰囲気的には、東川篤哉をさらにブラックにした感じ、
    と言えば適当かな?ニヤニヤしながらミステリーを楽し
    みたい人、ぜひどうぞ!

  • お気に入りの作家のひとりである蒼井上鷹による密室エンターテイメント。
    急逝した「アール柱野」という作家を偲ぶために,一癖も二癖もあるメンツが「アール柱野」の馴染みだった「さばずば」という店がある廃ビルに集まる。
    タイトルにあるとおり,突如起こった地震のせいで「さばずば」という店から出られなくなってしまう。「アール柱野」を偲ぶ会の参加者は,主催者でマスター役の峰,不倫をしている医者の田沼,田沼の愛人である熊野,自称旦那がDVで家出中の妻鵜飼,SEの八角の5人。
    しかし,「さばずば」には,もうひとり,自称探偵のワシグチいて,死体が二つ存在する。
    死体のうちの一つは,田沼の妻であるタヌマタマキ。熊野はタマキを殺したの夫である田沼だと勘違いをし,これが事態を更に複雑にする。
    もう一つの死体の正体はなかなか分からないが,最後の最後で廃ビルの管理人である錦織宗平であることが判明する。管理人の息子が宗平を殺害し,「さばずば」に集まったメンバーごと爆弾でふっとばそうとしていたのだ。
    登場人物ひとりひとりに,次から次へと降りかかるアクシデント。ストーリー運びのうまさはさすが蒼井上鷹と思わせる。
    しかし,ストーリーがやや入り組み過ぎており,また,ご都合主義と思わせるような展開が少し気になるところ。エンターテイメント小説として,深く考えずにさらっと読むのがよさそう。蒼井上鷹としては平均点程度〈やや下か?)のデキ。★3で。

  • 空き家状態の地下バーで語り明かす五人。シャッターに鍵がかかっており外へ出ることができない中身元不明の死体が発見される、というなかなか魅力的な設定ですが、突然闖入者が乱入してある一言を発したり、微妙などんでん返しや不要なモノローグを挿入したりグダグダで「身元不明の死体は誰か」という興味が薄れてしまい残念。終盤のドタバタ劇も空回りで、構成で下手こいた印象です。

  • 別に面白い本ではないな、読めるけど。
    アール柱野のモデルらしいけれど、中島らもってそんな人なんだ。

    死人に語らせるというのが多分自分的にダメなんだろうと思います。

  • 取り壊しが決まった廃ビルの地下にある元バーに集まった男女六人。急逝した作家を偲ぶためのオフ会だったのだが、死体が出てきた上に物騒な闖入者まで現れる。だが何故か地下から出たがらない面々・・・。
    誤解と偶然から、事態は思わぬ方向へ向かう。


    腹にイチモツありのメンバーのアクの強い言動に、ハチャメチャな展開と喜劇の様そうを呈してはいるけれど、意外と筋はしっかりとしていると思う。事態がどんどん意外な方向に転がるのも、仕掛けも楽しめた。まさに密室エンターティメント。

  • アマゾンの書評ではイマイチの評価だけど、
    あたしは好きだな、この作品。

    アール柱野なんていう奇妙な作家の名前といい、
    ざばずば(The Bar's Bar)なんていうふざけたバー。
    柱野を忍んで集まった(はず)の5人はそれぞれ、
    なにか微妙な雰囲気で。

    柱野の作品がちょこちょこ紹介されるが、それが結構面白い!
    皆さんせっかくだから、もうちょっと好きな作品紹介してよ!
    なんて気分になった。

    クローズドのシチュエーションドラマ状態は、
    なんと幽霊の独白までついてモゴモゴ進む。
    確かにキレと勢いはないけど、
    なんか、三谷幸喜のドラマを見ているようにくすくす、
    居心地の悪いようないいような、とろとろした空気感は、結構心地よい。

    あたしは好きだな、この作風。
    もうちょっといろいろ、読んでみたいな〜〜

  • ガシャポン(私はガチャガチャと呼んでいたが)、好きです。ガシャポンで飲める世界の銘酒シリーズ、私もはまっていたかも。中身を知ってしまったので飲みませんけど(笑)
    それにしても、「死ねばいいのに」が"She never eat, nanny"になるというのは「掘った芋いじるな=What time is it now?」と通じるものがあって面白いですね。

  • 取り壊される前日のビルの地下にあったバー《ざばずば》。
    その跡地で開かれたのは生前このバーの常連だった
    作家・アール柱野を偲ぶ会だった。

    それぞれの思惑を抱えて集まった参加者たち。
    自分の目的を果たすべく動き出した彼らの前に現れたのは
    顔を黒く塗られた死体と探偵を名乗る怪しい人物。

    予想外の展開に参加者たちは動揺し
    取り繕っていこうとすると余計に絡まる誤解や勘違いの糸。

    いろいろな厄介事が降りかかるのに
    なぜかバーから出ようとしない腹に一物抱えた
    男女による密室シチュエーションコメディ。

    こういう話はやっぱり舞台にして見てみたい。

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著者プロフィール

1968年千葉県生まれ。大学卒業後、会社勤務を経て執筆活動に入る。2004年、「キリング・タイム」で第26回小説推理新人賞受賞。同年「小説推理」掲載の「大松鮨の奇妙な客」は、第58回日本推理作家協会賞・短編部門の候補作に選ばれた。同二作を含む短編集『九杯目には早すぎる』でデビュー。著作に「4ページミステリー」シリーズ、『ロスタイムに謎解きを』『最初に探偵が死んだ』など。

「2016年 『お隣さんは、名探偵 アーバン歌川の奇妙な日常』 で使われていた紹介文から引用しています。」

蒼井上鷹の作品

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