ヌれ手にアワ (祥伝社文庫 ふ 7-3)

著者 :
  • 祥伝社
2.67
  • (0)
  • (1)
  • (2)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 22
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396338466

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ドタバタでした。
    欲に目がくらんだ人たちの、滑稽な奮闘ぶり。嫌なかんじはしなくって、必死さがむしろ清々しくって面白い。
    一人だけ、欲とは無縁だった人物が、文字通りふわりと浮いて終わるのも、なんとか良かったと思った。

  • これもスラップスティックと言えるのかどうか…。微妙なところではありますが、個人的にはこのドタバタぶり、嫌いじゃありません。むしろ大好きです。
    山手線・京浜東北線が完全にストップ、しかもその原因が闘牛の逃走だというとんでもない開幕。たまたま助けた老人に宝のある場所を教えられたフリーターにギャル、その宝を狙う老人の家族と会社の関係者、偶然話を漏れ聞いた夫婦に政治家の卵…それぞれがそれぞれの思惑と焦りと知恵を元に宝の場所を目指します。この思惑一つとっても、ただ冒険を楽しみたい、宝を手にいれたい、とにかく金になればいい、など、まぁ嬉しくなるくらい皆さん欲望に忠実。必死さも違うし、となると冷静さも違うし、選ぶ交通手段も違う。途中で出会ったり、離れたり、利用したり。ジェットコースターほどぶんぶん振り回されてる感じがしないのは所々にでてくる「あり得ない!」な展開のお陰でしょうか。過剰になりかける熱を適度に冷ましてくれます。
    いやー…しかし東京って広いですね。この鬼ごっこ、全て都内だもんね。普段「東京」と認識している場所がいかに狭いか、思い知らされました。

  • 一攫千金を狙う話。

    金を求める人たちの空回りが愉快。
    棚ボタで大金が舞い込むわけがないってことです。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

1963年、東京都生まれ。2003年、『アンダンテ・モッツァレラ・チーズ』(小学館)でデビュー。2014年、『世界でいちばん美しい』(小学館)で織田作之助賞を受賞。主な作品に『おがたQ、という女』(小学館)、『下北沢』(リトルモア/ポプラ文庫)、『いつか棺桶はやってくる』(小学館)、『船に乗れ!』(ジャイブ/ポプラ文庫)、『我が異邦』(新潮社)、『燃えよ、あんず』(小学館)など多数。エッセイ集に『小説は君のためにある』(ちくまプリマ―新書)など。

「2021年 『睦家四姉妹図』 で使われていた紹介文から引用しています。」

藤谷治の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×