- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396614379
感想・レビュー・書評
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透視図法とは異なる観点で遠近を表現していた日本の美術作品。その構造を教えてくれる。
そこに西洋から透視図法が輸入されて混乱。特に欧州の美術が発展していた時期だったために、留学生がそれぞれ新しい技法を持ち帰ったことの影響を説く。
透視図法による写実を身に付けながら浮世絵の画法も活かして対比して描いた月岡芳年の話は面白かった。 -
筆者の見識の深さと人柄のよさが存分に伺える本かと。
かなり前の現代アート展で作品にお会いして以来、
小さな追っかけ…というか、ただのファンです。
筆者の好みがありつつも結構有名どころの作品を抑えているのに、
ヤヴァイ。知らないぞ?という人も結構いたので、
今年は…まずこの本を中心に、知らない作家さんについて学んで以降と思います。 -
クスクスと笑ってしまう。昔の日本人が、どういうことを考えていたか、垣間見れそうで、気持ちいい。著者の美術に対する愛に、ひきづりこまれる一冊。日本美術、とても興味深い。
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13/12/07 よくわからない所もあるが、面白い。
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4〜5
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*「こういう絵は面白くない」というような批判が多くて少々気分が悪くなり、私も気を付けないとな、と思った。ただ、著者自身が現役の絵描きなので、描きもしないで文句を言う批評家とは違うのです。ご自分でも「他人をくさしてばかりですみません、でも言ったことは自分に返ってくると思っているので、要するに自分への叱咤なのです」と書いている。ますます、私こそ気を付けないといけないのであった。
*著者的に好きな(または気になる)絵を時代順に紹介しているので、必ずしも「有名で代表的な名画」ばかりではない。面白い作品を色々知ることができた。
*前書きに、「時代順に並べただけで日本美術史とは、ヘンな本だな、と思ってください」という記述があって、なかなか良いコメントだと思う。実際並べただけで、後期なんとか派の影響がどうとかそういうことを語ろうとはしていないのだが、ただ、近代化(西洋化)による迷走についてはかなりこだわりがあるようで、そこんところはアツい。全ての章はそれを語るためにある、と思うと、もうじゅうぶんひとつの「日本美術史」本だと思う。
*芸術論としては、別に専門用語を使いまくってるとかそういうことはないのだが、なんとなく匂いくらいしか理解できなかった。キャッチできるだけの観賞眼が私にはなかったと思われます。 -
おもしろいなあ。描く人の視点というのがミソだね。山口さんのトボけ具合がたいへん好きである。六道絵がとても見たい。後世から見ああだこうだ言うのではなくて、同時代人の視点で見ることの重要性、というところに共感。
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蕭白や若冲、国芳なんかは好きだけど、実際あまりよく分からない部分も多かった日本美術。コレ読んで、ちょっと見方が分かったというか、「なるほど」という感じでした。良いも悪いも自分の脳内が「写実」というものに侵されている、そんな気がした次第です。出張の機内で軽く読めた、気軽な日本美術指南書。
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小林秀雄賞