ふたり姉妹

著者 :
  • 祥伝社
3.28
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本棚登録 : 342
感想 : 60
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396634667

感想・レビュー・書評

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  • 上昇志向が強く、東京でバリバリ働く姉。
    懐に入りやすく、地元で結婚間近の妹。
    相反する姉妹が、期間限定でお互いの居場所を入れ替える。
    姉のほうに共感しながら読む。
    壊れていた姉が変わっていく過程に、ぐっとくる。
    ぶつかり合って初めて、相手の良さに気づいていく。
    読後感もいい。

  • ★3.5
    人生の夏休み物語
    わたしには、この暮らしが合っていると思っていたー。
    都会で働く上昇志向の姉と田舎で結婚間近のマイペースな妹
    生活を交換した二人が最後に選ぶ道は…。

    東京でバリバリ働いていた美人で優等生の姉・聡美が
    突然故郷に帰ってきた。
    実家を出た事が無く、ずっと田舎暮らしで結婚も近い三つ年下の妹・愛美
    この機会に姉の家で都会の暮らしをしてみたくなる。
    部屋を貸すことを嫌がる聡美や婚約者・公太を説き伏せ
    上京し姉の部屋へいくと見知らぬ男性が…聡美の恋人・柏木だった。
    何故、聡美は突然帰ってきたのか…。
    柏木は聡美の部屋の家探しをする為に来ていたのか…。
    真奈美は探りを入れてみる事に…。

    姉・聡美は妹・愛美を昔から人が集まってくる。
    誰もが愛美には甘い。可愛がられ、愛される才能
    愛嬌のある愛美が羨ましい。
    妹・愛美は姉・聡美を若干出来すぎ位の優等生
    成績優秀で品行方正・真面目で責任感が強く
    両親から、別の次元で扱いが違うって羨んでいる。

    姉妹だからこそ、お互いの長所をとっても良く理解してて、
    ないものねだりの様に羨ましがっている。
    そして、身近にいるからこそ、ついつい目に付く駄目な所
    お互いに大切に思う気持ちや大事に思う気持ちはあり
    不器用ながら互いに心配し合っているんだけれども、
    素直に伝えられないし、素直に受け止められない。

    心の中では大事に思っているのに
    ひとたび喧嘩になると、それ言っちゃうの~そんな風に言ったら…。
    言ってはいけない言葉を投げつけ激しく言い合ってしまうけど、
    こんな風に、何もなかったかのようになんとはなしに元通りになってる。
    あーー確かに、そんな事あったなぁ。
    友達だと考えられないけど、姉妹だからこそだよね。

    姉と妹立場も違えば考え方も異なる
    そんな二人の心理をどちらも、そうだよねって思わせる
    心理描写が出来るのがとっても凄いって思った。

    姉妹それぞれの恋人柏木さんと公太
    二人は全く違ったタイプの人達だけど、とっても魅力的
    二人の姉妹の幸せな未来が思い浮かびました。

  • さくさく読めた。最後にほっこりした。きょうだい、姉妹ってこんな感じかも。お料理も美味しそうだった。

  • 自分自身もふたり姉妹の妹である。それゆえこういう話ではやはり妹に肩入れしてしまう。妹の気持ち、めっちゃわかる。お姉ちゃんの逆襲までを盛り込んでくれていたらよかったのになぁと思う。妹が姉に思うことがあるのと同様に姉が妹に思うこともあるんだなーと改めて実感。ふたり姉妹の人は是非読んでほしい。

  • 都会に憧れて勉強に励み優等生のまま東京へ出て大手製菓メーカーで向上心を持って働いていたが挫折を経験した姉と、田舎町にある実家から出ることなく幼馴染の青年と結婚を決めた愛嬌が売りの妹。
    対照的で、似た部分もあり、水と油のようでいて互いを認め合うところもあるふたりの姉妹が主人公の物語だ。
    「帰ってきた田舎町(姉)」と「期間限定で訪れた東京(妹)」、それぞれ今までとは異なったフィールドに身を置くことによって自分や互いの人生について思いを巡らせる。
    姉妹ってこんな感じなのかなぁ。なんか不思議な人間関係だ。

  • 東京でバリバリ働く姉、聡美と地元で働き幼馴染との結婚を控えている妹、愛美。
    突然故郷に帰ってきた聡美の代わりに、愛美は期間限定で姉の東京の部屋で仮住まいを始める。

    あたし自身は弟しかいないからわからないけど
    姉妹だと、お互いがお互いをちょっとずつうらやましく思っていたり、ずるいと思っていたり。
    同性だからこその嫉妬も入り混じった感情もあるのかな。

    聡美と愛美は境遇も違うし、目指しているものも
    違うけど、聡美の恋人の柏木の言うとおり
    根本のところは一緒なんだろうな。

    ルビーとサファイアが実は同じ石で不純物の違いで色が変わるのだと
    柏木が言っていたように、一見違って見えても
    やっぱり姉妹だけあって共通する部分もあって。

    ぶつかったりしても最後は元通りになれる。

    それが家族だなーと思う。

  • 自分を見つめ直す、2人の姉妹の物語。ひとりっ子にはわからない(理解できない)世界が広がっていて、非常に興味深い作品だった。性格や生き方、思考など何もかも真逆の姉妹が衝突をしながらもお互いをより深く知る、そんな風にも見えた。姉は姉で苦労し、妹は妹で苦労をしている。しかし、お互いそれに気づかずといった感じ。そういうシーンは読んでいて、もどかしかった。だが、最後は綺麗に収まったので良かった。

  • 田舎で結婚、退職するのんびり妹と、都会でバリバリキャリアウーマンな姉ってリアルな感じがする。
    2人のこの先が知りたくて、物足りない。

  • 都会で成功してる姉、田舎で安定している妹。妹のほうが弾けて外に出そうなイメージだけどなぁ。
    姉妹であっても人生いろいろってことよ。

  • 勧めてくれた母曰く、
    「とても読みやすくて面白かった。ちょっと出来過ぎだとは思うけど、そういう小説もいいよね」
    同感。
    登場人物の描き方が丁寧で良かった。

著者プロフィール

1981年、兵庫県生まれ。京都大学卒業。2007年、『うさぎパン』で第2回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞し、デビュー。
著書に『ふたり姉妹』(祥伝社文庫)のほか、『ありえないほどうるさいオルゴール店』『女神のサラダ』『もどかしいほど静かなオルゴール店』『博士の長靴』『ひこぼしをみあげて』など多数。

「2023年 『あなたのご希望の条件は』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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