スーツケースの半分は

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396634810

感想・レビュー・書評

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  • 数珠つなぎのように、登場人物がリレーしていく連作短編集。コロナ禍で海外旅行に行けないから、読んでいたら、よけいに旅に出たくなった。最後の話がよかった!ちょっとサスペンス的な雰囲気もあって。

  • フリーマーケットでみつけた青いスーツケース。
    そのスーツケースを通した連続短編集。

    近藤史恵さんの作品って暖かい。
    重くなくて暖かくて、綿毛みたいな印象。
    軽くてふわふわしてるけど、綿毛のようにどこかで繋がっていくような。

    出てくる男の人たちがクソすぎてwww
    でも、私もかつての彼氏に言われたことある言葉ばかりで心に刺さりました。
    旅に行きたくなる、日本版SATCかな?笑

  • 青いスーツケースにまつわる短編集。どのお話も勇気を出して一歩踏み出してみようと思えるものでした。
    今は旅どころではない状況だけれど、いろんな世界を見てみたい、一人旅をしてみたい、大学生のうちに海外旅行へ行ってみたい…など、夢が膨らみました。

  • ひとつの青いスーツケースがもたらす連作短編

    登場人物がほぼ女性なので心情面ではちょっと距離感があったけど、誰もがもっている機微に触れる部分ていう意味では理解できるなあと、淡々と読み進めたが最後の章ですべて回収してホロっとしてしまった。
    気持ちは宿り紡がれていく、ちょっとしたことが背中を押してくれるそういうのが実際あってもいいじゃないか。

  • 仕事で行き詰まりを感じているキャリアウーマン。
    今いる場所に馴染めなくて別の国に行ったら変わるかもと思って留学した大学生。

    現状に将来の不安だったり、何らかの満たされない気持ちがあって、何かを求めて旅に出る女性たち。
    外国に行って何かを手に入れることができるのか。
    臆病になる主人公たちを青いスーツケースが勇気付てくれる。
    胸張って前へ進む姿に勇気付けられた。

  • 三十歳を目前にした真美、花恵、ゆり香、悠子は大学からの友人だ。
    フリーマーケットで一目ぼれした青いスーツケースを買った真美
    心配性な夫の反対を押し切りあこがれのニューヨークへの
    ひとり旅を決意する。
    海外旅行などしたことのない真美が初めてのひとり旅を決めた。
    出発前には夫とのささいな言い争いの中で過去の辛い記憶が
    蘇り不安になったりもするがスーツケースから出てきた一枚の
    紙に書かれた
    「あなたの旅に幸多かれ」という言葉に背中を押されニューヨークへ
    旅立った。

    青いスーツケースはその後、友人たちの間を次々と渡り歩き
    それぞれの人生に幸せをつないでいく

    実家暮らしの花恵は香港に三泊四日豪華なホテルに泊まる旅に出る。

    バックパッカーのゆり香は快適とは言えないが訪れた国に溶け込む旅をする。
    今回は彼氏とアブダビへ。

    ライターの澤悠子は取材を兼ねた旅行でパリへ。

    束の間、人から大切に扱ってもらうことでまた頑張れる。
    日常に戻っても戦える。
    飾りのようなパーティバッグではなく酷使されボロボロになった
    スーツケースの方がいろんな風景が見えて余程自分らしい人生が
    送れるだろう。

    四人それぞれの物語が少しずつリンクしながら短編が繋がれていき
    スーツケースは元の持ち主の姪のところへ戻ってくる。
    その姪もまたそのスーツケースを持って海外へ留学するのだ。
    たくさんの希望や夢が繋がっていく。

    最後にこのスーツケースが持ち主のところにやってきたいきさつも
    わかり短編が上手くつながった感がしてとてもスッキリとする読後感。
    そして旅に出たくなる。
    どこか知らない街を旅してみたくなる。
    だからといってなかなかそういうわけにもいかないが
    真美が空港で隣り合わせたマダムが言っていたように
    花が欲しい時は花を買い、コーヒーが飲みたいときはコーヒーを飲む。
    そして一人で自分のいきたいところには行ける自分になる。

    私もこういう望みは出来るだけ叶えたいと思っている。
    大人になることって自由が広がることでもある筈だから。
    温かいぬくもりと女性たちへのエールを感じる物語だった。

  • 表紙の綺麗なスーツケースに惹かれて手に取った一冊。私はしばらくこういう荷物を持って旅行に行くことは無いだろうけれど、自分のただただ真っ黒なスーツケースを愛おしく思った。幸運の・・・、では無いかもしれないけれど、いつもスーツケースに荷物を詰め込む時はいつもより気持ちが昂ぶってる。身軽にでかけて、ずっしり詰め込んで帰ってくる。一人、仕事、留学、恋人と。人生の転機、は大げさだとしても少しポジティブになって帰ってくるそれぞれの旅の物語は素敵でした。最後にきちんと「最初の人」の話に落ち着いて、本当にさすが近藤さん。

  • 絵にかいたような幸せに包まれているように見えるあの人も、バリバリ活躍しているあの人も、実は人知れず悩みを抱えているのかも。
    なんてことを感じました。
    人と比べる人生はやめにして、いま手の中にあるものに感謝をする。
    あの人がああしてくれない、こうしてくれない、と他人のせいにせず、変えられるのは自分と未来だけ、と一歩踏み出してみる。
    そういうことが、毎日を楽しく送っていくのに大事なことなんじゃないかな、と思います。

  • 旅に出たくなった。

  • 文字の中で旅の出来る1冊。
    登場人物に自分と重なる性格や行動を見たり、
    このままどこかへ旅立ちたくなる本。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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