スーツケースの半分は

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 1633
感想 : 249
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396634810

感想・レビュー・書評

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  • 愛される道具にはストーリーやエピソードがある。
    そんな愛する道具を持っている人は多分、
    それだけでちょっと幸せそうだな・・・なんて思う。
    気づいていないことも少なくなさそうだけれど。

  • 読んでいて色々な国を旅した気分になったし、スーツケースにまつわるエピソードがどれも素敵で、読み終わったあとほっこりした。もう一度読み返したい。

  • 「幸運のスーツケース」と呼ばれる青いスーツケースにまつわる短編集。
    .
    *購入するであろう誰かに宛てた幸運を願うメッセージ。
    *1つのスーツケースが友人たちにバトンされていくこと。
    どちらも素敵です♪
    人生をハッピーなものに変えていくのは、ほんの少しの勇気ときっかけ。
    読了後の爽快感が良い。元気がでる一冊です!

  • 旅好きな人におすすめという友人の言葉をきっかけに読んでみた。

    個人的にはよく旅に出る人より、これから旅をしてみようかなとか普段あまり旅に出ない人こそ読んだらいいなぁと思ったよ。

    この本を読んで、ふむふむ旅に出るのも悪くないかもと感じたら、旅に向いてるだろうし、いややはり旅はしたくないなと思ったらその人はたぶん旅に向いてない。

    旅も読書も好きな人はしたらいいし、嫌いな人はしなくていいものだから、良い悪いではないよね。

    旅を愛するわたしとしては、かつて訪れた場所の描写に懐かしさを覚えつつ、まだ知らない土地に想いを馳せつつ楽しめました。

    ちなみにわたしのスーツケースはいつもいろんなもので溢れかえってますぞ。

    ちなみにこの作品に登場する殿方が基本的にクソ野郎なのが個人的にツボで、あーいるいるこういう男、とうなずいてしまったよ。


  • 旅って、いろんな出会いや発見がある。
    旅に出たくなる1冊!

  • 旅をテーマにした9話からなる短編集。
    全ての話は仲の良い女友達4人組と彼女たちに関わりのある人たちを主人公にしている。
    そして、全ての話に表紙に描かれ、タイトルにもなっている「青いスーツケース」が登場する。

    最初の話はニューヨークに行きたいと思いながらも一人で外国旅行する事に躊躇する主婦が主人公。
    彼女はフリーマーケットで青いスーツケースを買った事で、ニューヨーク行きを現実的なものとして考え始める。

    2話目は、1話目の主人公の女友達で、親と同居して働く、少し経済的に余裕のある女性が主人公。
    彼女の旅の行先は香港。
    旅に出る際に、彼女はニューヨークの旅から帰ってきた女友達から青いスーツケースを借りる。

    3話目は、彼女たちの女友達で、イスラム圏の国に恋人と旅立った派遣社員の女性。
    彼女も青いスーツケースを借りて旅立つが、旅先で恋人に嫌がらせされて、置き去りにされてしまう。

    4話目も、彼女たちの女友達でライターの女性が主人公。
    彼女は仕事でパリに向かう。
    行く前に、パリ在住でいつも宿泊させてもらう友達に連絡するも、彼女はその時は都合が悪いと言われる。
    所が、パリでいないはずの彼女の姿を見かけて「もしかして自分は嫌われてたのか?」と思い悩む。

    5話目は、4話の主人公の女性がパリで知り合った女性が主人公。
    彼女はパリに語学留学をしている。

    こんな風に主人公をつなぎながら話が進んでいく。
    最終話だけが男性が主人公だった。
    彼らに共通しているのは、登場人物の誰かと何らかの形でつながっているという事と青いスーツケースを手にするという事。

    旅をテーマにして、繊細で、微妙な人間心理を描いていて、特にショッキングな事や事件がある訳でないのにちゃんと読ませてくれる。
    読んでいて、主人公たちの気持ちが理解できるし、共感できた。
    どの年代の人が読んでも読めると思うけど、特に主人公たちと同世代の30代の女性が読んだら共感できる話じゃないかなと思う。

    青いスーツケースがアイテムとしてきいていて、この話ではそのスーツケースを手にした人は幸福になっていく。
    起きた出来事はあまりうれしくない出来事ー例えば恋人に置き去りにされるとか、恋人に浮気されるとか、そんな事からも結果的に幸せになる。
    それを見ると、現実の不幸だと思う出来事もそれをとらえる人次第なんだな・・・と思う。
    そして、そういうのが読後感の良さになっている。

    最初の話でスーツケースに入れる荷物は半分にして・・・という話が出てくるけど、旅を終えた主人公たちの半分あいたスーツケースのスペースには何が入ったのか。
    目に見える旅土産だけでなく、自信だとか、人間関係だとか、安堵だとか、自分を見直す機会だとか、様々なものがそのスペースには入ってる。
    目に見えるものよりもそちらの方が重くて大きいんだろうと思う。

    こういう旅をテーマにしたリレー形式の短編集を読んだのは初めてで、ありそうでなかった試みで面白いと思ったし、全体的に、とても素敵な雰囲気の本だと思った。
    何となくどこか旅に行きたいな・・・と読み終えて思った。

  • 文体が好き。心が前向きになる。青いスーツケースがいろんな人に渡りその人たちの心を暖かくしてくれるお話。

  •  近藤史恵さんの軽い感じの小説。青いスーツケースで旅行するアラサー4人の女性友達の話。「スーツケースの半分は」、2015.10発行。

  • 色んな人の視点から見た話でまとめられている、心温まるストーリー。
    旅に出たくなったし、自分は自分のスタイルでいいんだなと感じてなんだか嬉しい気分。

  • 話が進むに従ってよくなっていく
    最初は軽い話なんだけど
    人を巡り時間を巡り巡ることで人生の儚さ愛しさがじんわり沁みる

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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