- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396635428
感想・レビュー・書評
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初読の著者さん。以前の本屋大賞の際の店頭で知った。
読む前に目次を見た時、
・一人の秋
・一人の冬
・一人の春
・夏
ーーーと、最後だけ「一人の」がついてないのはなんでだろう?と思ったけど、通して読めば分かった。
聖輔の飾らなく素直な性格がとても眩しい。21歳、まだまだこれから何でもできるよ!!と言ってあげたい。
いろいろなことが急に身に降りかかって、普通なら自暴自棄になってもおかしく無いのに、目の前のことから一つ一つ着実に実行していく様は、読んでいて応援したくなったし感動した。
いい友達や職場の人との出会いにも恵まれて、本当に良かった。これから先も聖輔なら大丈夫、と思えるような明るい未来を感じさせる終わり方。
割とよく知った地名が沢山出てきたのでそういう意味でもリアリティが感じられて楽しめた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これは、好き。
さらっと力のある言葉だらけなのも
馴染みのある地名が出てくるところも
人の説明が丁寧なところも
出てくる女性がみんなかわいいのも
すばらしい。
終わり方も本当によかった。
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[登場人物]
柏木聖輔
同郷
・井崎青葉
家族
・柏木義人 父
・柏木竹代 母
親戚
・船津基志
職場仲間
・田野倉督次
・田野倉詩子
・稲見映樹
・芦沢一美
大学仲間
・篠宮剣
・川岸清澄
[感想]
最後がいいな。
いるな、こういう人ってのが、たくさん出てきた。
この前南砂町いったけど、砂町銀座知らなかった。
昔、南砂町で4ヶ月仕事してたけど、知らなかった。
今度いってみよう。
コロッケが食べたくなる。
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両親を亡くし、大学を辞め働き始める聖輔。コロッケを買おうとしたことがきっかけとなりその総菜屋に勤めることになった。親戚や金の問題、高学歴の大学生の言動に苦しみながらも、父を追い、真面目に生きてゆく聖輔。人の縁、ひとそのものを映し出す内容、淡々としながらじんわりくる。苦しい中でも卑屈にならずに生きてゆく姿に力をもらえた。聖輔を助けてくれる人たちの想い、暖かい。現実世界では、暖かい人たちに出会えるなんてないかもしれない、でも正直に地道に歩んでいけば人とのつながりで開けてゆけそうだと希望を持たせてくれた一冊。
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本屋さんでずっと前に気になったけど買わなかった本。さっさと買えばよかった。
良い話。青葉の涼に対する違和感はわかる、と思った。聖輔人が良すぎ。でも、なんか良い。田野倉の人たちもみんなあたたかくて良い職場だな、ここならコロッケも絶対美味いだろうなと思う。
コロッケ食べてあらかわ遊園地に行きたい!と思わせてくれる本。 -
読む前は、深い孤独に打ちのめされながらも屈せずに奮闘する青年の物語、のような小説かなと思っていたら、違いました。というのも、私には聖輔に孤独を感じなかったからです。感じなかった理由を考えたとき、タイトルの「ひと」に納得しました。そしてそれは、聖輔の実直で強い生き方によって自ずとなり得たものだとも感じました。
終盤の展開は、くどくなくてとても良いです。
中江さんの解説文も素敵でした。 -
おもしろかったです。
いろんな登場人物がでてきますが、
いい人と嫌な奴のコントラストがすごいです。
嫌な奴の嫌な奴たる所以の言動、絶妙でした。
心温まりました。
是非続編を読みたいです。 -
いいときも。悪いときも。
ひとは一人で生きているのではなく、ひととのつながりによって生かされているのだな、としみじみと感じた。 -
人は一人では生きていけない。いろんな人と関わって、また、支え合って生きている。日頃はそういうことを忘れがちだけれど。
人との関係を築く上で、やっぱり信頼って大事だと思った。で、どういう人が信頼されるか?やっぱり真面目さ、素直さ、優しさなど、人に対する態度や姿勢だ。
人に頼りすぎるのも良くないけど、人に頼るということも生きていく上では必要だと思った。
いろんな人がいるけれど、冷たい人もいれば、温かい人もいる。