孤宿の人 (上) (新人物ノベルス)

著者 :
  • 新人物往来社
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感想 : 57
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784404035585

感想・レビュー・書評

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  • 泣きたい時におすすめの本です。江戸時代が舞台の小説を読み慣れていない方でも大丈夫です。

  • 文庫本買ったのを忘れて購入。 文庫本のあとがきは、児玉清さん。絶賛してます。 

  • いつもどおりの宮部みゆき、やっぱりいい!
    泣いたり笑ったり怒ったり、本当に楽しませてもらいました。
    上下巻があっという間で、読み終わったあとなんだか気持ちがすっと落ち着くような素晴らしい作品です。

    孤宿とは誰のことなのか、ずっと考えながら読んでいました。
    鬼の加賀さまであることは間違いないとは思うけど、でも宇佐もほうもある意味ではみんな孤宿で、
    だからこそ助け合って寄り添っている。加賀様でさえも、身を案じ行く末を万事うまく行くように考えている人がたくさんいる。
    そしてその加賀様はほうの行く末を守り、大事から逃れさせる。
    自身が孤宿であればこそ、その気持ちが強く募り結びつくのではないのか。
    そういうところまで考え付くと、いつまでも心にじーんと感動が残り、これを書いている今でさえも涙が出てくるのです。

    宮部みゆきを読むと、他の作家では感じないほど情景や登場人物がはっきり感じられるのです。
    書き込みの多さもあるけど、一番大きな理由は目線が同じということではないかと今回思いました。
    宇佐やほうを見る第三者の目線が同じで気持ちが手に取るようにわかる。子供を見る目線がやさしい。
    たとえば「月代を青々と剃った若侍」。他の作家だったら青二才とかひよっことか、少しさげすむ言葉を使うところだと思うけど、
    宮部みゆきは「初々しい」と表現する。それは現代の生活でも若者に対して思う、母であり年かさの女の言葉なのです。
    希望があり将来がある若者に対するエールのようなものです。
    そういう一つ一つが宮部みゆきに夢中になる要因なのです。

    ちなみに私は宮部みゆきと同い年です。

  • 去年の冬頃読みました。
    宮部さんの時代小説だと(超能力を交えた)
    お捕物が多い気がしますが、
    これは珍しくファンタジーに近い(?)
    作品です。

    半ばネグレクト状態で育てられて
    上手く喋れず、阿呆の「ほう」と
    呼ばれる少女が成長してゆくお話です。
    「ほう」がどういう「ほう」に変って
    ゆくのががポイントです。

  • <a href="http://detail.booklog.jp/asin/4404035586"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51XRa2moctL._SL160_.jpg" class="bookimg" style="width:80px;"></a> <a href="http://detail.booklog.jp/asin/4404035594"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51HGcB0tSnL._SL160_.jpg" class="bookimg" style="width:80px;"></a>

    江戸から金比羅代参で丸海藩に訪れた"ほう"はそこで置き去りにされるが、井上家で女中奉公することに。
    しかし、加賀殿お預かりに合わせたように起こった事件が元で、そこからもほうは追い出され……。

    健気に生きていくほうと、一人歩きする恐ろしい噂に包まれた丸海藩の切ないお話。

    不覚にも最後の"お手本"で涙しました。
    <font color=green>「そしてこの字は、ほうとも読む」</font>

  • 孤宿の人の意味が最後に身にしみてわかった。誠意を持って生きると言うことを考えさせられた。読んで良かったあ・・・。

  • 宮部みゆきは好きだけど時代物が苦手で避けて通ってきた。でもチャレンジしてよかったと思える作品だった。昔は実際こういったことがあったんだろうなと思いつつ、「ほう」の純粋さが心に響いた。

  • ほうのまっすぐなひたむきさは何度も読み返したくなって、その度に泣いてます。

  • 今読んでるのっ。

  • 久しぶりに読んだ宮部みゆきの時代小説。ハードカバーを買うほどのファンではないので、新書入りを待って読了。今までの江戸モノとは異なり、舞台は四国の丸海(丸亀)。「真実」を語ることが堅く禁じられる時代に「真実」を知ってしまった人々が、様々な事件と内心の葛藤に翻弄される一方で、主人公"ほう"の純真な心が好対照を為す。いつものことながら、佳作。

著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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