東京戦後地図 ヤミ市跡を歩く

著者 :
  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408111940

感想・レビュー・書評

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  • 『ヤミ市跡を歩く』

    ほぼ日書評 Day282

    この世に生を受けていた時代の話も多いが、ごく限られた生活圏(自分の場合は新宿、加えて若干の印象があるのは中野と高田馬場)を除いては、外国の話のように聞こえる。

    神田や新橋のガード下の飲み屋街や、新宿大ガード脇のふれあい横丁等は、露天としてのヤミ市後な時代の雰囲気を残すもの。
    駅前のアーケードは間違いなくヤミ市があったというのは驚きだが、多くは再開発で駅ビル等が建てられ、当時の記憶を醸し出すものはゼロという土地も多いという。

    昨日訪れた、有楽町の交通会館脇には寿司屋横丁と呼ばれる、実に寿司屋ばかりが50店から軒を連ねる路地があったというのは驚きだ。

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  • あん肝ポン酢みたいな一冊。サブカルチャーとしての素晴らしさと、町歩きとしての素晴らしさの両面を併せ持つ、好きな人にはたまらないおつまみ。兵隊の慰安施設→RAA→赤線→小料理屋→スナックの流れとか綺麗すぎ。個人的に散歩で見つけて気になってた門前仲町の辰巳新道についても解説があってとても面白かった。全国バージョン欲しいなぁこれ。

  • ノンフィクション
    歴史

  • ヤミ市(繁華街)を概観するには最適かと。内容もかなり上品にまとめていますし。
    参考文献というか、地域別のヤミ市史の本を読むと、また違った面が見られるかと。

  • 2016/9/22読了。
    戦後のヤミ市やマーケットそのものは解体撤去されたので残っていないが、業者向けに都などの自治体が用意して斡旋した「換地」と呼ばれる移転先が当時の雰囲気を色濃く漂わせながら今でも残っていることがある。本書はその散策のためのガイドブック。いやガイドブックどころではない。当時の地図や写真を多数収録し、記述も調査に基づくもの。ほとんど郷土史の本と言っていいと思う。都市景観の成り立ちについて、とても勉強になる本だった。
    「換地」という概念を認識できたのが本書を読んでの最大の収穫だった。裏路地のような細い道に昭和レトロな飲み屋がびっしりと並んでいるようなところや、昭和レトロなビルの1階や地下に昭和レトロな飲食店街や「名店街」があるようなところは、ほぼ軒並みそうした「換地」にルーツを持つことが分かった。ニュー新橋ビルなどは有名で僕も知っていたが、特にそうした話題に上らないような近所の路地、行きつけのラーメン屋が入る古いビルなどもそれに該当すると知って意外だった。
    ふだんは素通りしているあの路地、この間解体されてマンションになったあのビルが、もしかしたら「換地」のひとつだったのではないかと怪しみ、ちょっと調べてみる。そんなふうに楽しみを広げてみたい。

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著者プロフィール

1962年生まれ。ライター。
映画、庶民史、酒場ルポ等のテーマを中心に雑誌・書籍に執筆している。
主な著作に「東京戦後地図 ヤミ市跡を歩く」(実業之日本社)、
「辺境酒場ぶらり飲み」(リイド社)、「消えゆく横丁: 平成酒場始末記」 (筑摩書房)など。

「2022年 『失われゆく娯楽の図鑑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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