- Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408534848
感想・レビュー・書評
-
★…3.5。西嶋の言葉に、共感する部分や新たに気付かされる部分、または改めて確認させられる部分が多かった。今回の1冊は、今まで読んで来た伊坂さんの作品と比べると、あまり面白く感じられず。自分が興味もなく、ルールも全く分からない麻雀の話が頻繁に出てきたことも、その一因だと思われますが。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
伊坂幸太郎らしい軽妙さのある大学生の話だけれど、「夏」の事件はさすがに重かった。5人のキャラは際立っていて、その会話が絶妙。
-
大学の青春を何と無く感じることが出来た一冊。
自分は高卒なんで大学生活ってこんな感じなんだぁ〜と思いながら楽しく読ませていただきました。
良い感じの緩さと緊張感を繰り返し、まったりと読み終わるかな?と思ったら終盤に期待していなかった伏線回収が何個かあり度肝を抜かれました。笑
この一冊で伊坂幸太郎さんのファンになりました。 -
確かに、面白い。
下らないことも、楽しいことも、腹の立つことも、全部含めて、学生時代っていいなあ、と感じた。 -
主人公北村とその友人達の大学生活を綴った小説。
麻雀で親睦を深め、参加した合コンからトラブルに巻き込まれ、超能力に遭遇し、犯罪者と対峙する。
西嶋の、「目の前にある危機」をなんとかしようとする生き方、どんなことにも真剣勝負。逃げずに克服しようとする姿勢が素敵だと思った。 -
麻雀
空き巣犯たち
学生
青春
西嶋
プレジデントマン
東西南北の字が苗字についた学生たちが集まり色んな事件に遭遇する話
伊坂さんの中でも好きかな、おもしろかった! -
「(中略)心のどこかでは、自分が本気を出せば、言いたいことが伝わるんだ、と思ってるはずですよ。絶対に。インターネットで意見を発信している人々もね、やろうと思えば、本心が届くと過信しているんですよ。今は本気を出していないだけだってね。でもね、三島由紀夫に無理だったのに、腹を切る覚悟でも声が届かないのに、あんなところで拡声器で叫んでも、難しいんですよ」p.200-201
「目の前で、子供が泣いてるとしますよね。銃で誰かに撃たれそうだとしますよね。その時に、正義とは何だろう、とか考えててどうするんですか?助けちゃえばいいんですよ」p.205
「人間とは、自分とは関係のない不幸な出来事に、くよくよすることですよ」p379他
「残念ながら、俺を動かしているのは、俺の主観ですよ」p.206
「学生はね、時間を持て余しているし、頭もいい。しかもこう思っている。『自分だけは他の人間と違うはずだ』と。自分は何者かである、と信じてる。根拠なくね」p.235
「たぶんね、頭の良い人の陥りやすい罠ってあると思うんだけど」「賢くて、偉そうな人に限って、物事を要約したがるんだよ」「超能力はこうだ、とか、信じる人はどうだ、とかね。(中略)みんな一緒くたにして、本質を見抜こうとしちゃうわけ。実際は本質なんてさ、みんなばらばらで、ケースバイケースだと思うのに、要約して、分類したがる。そうすると自分の賢いことをアピールできるから、かも」p.240
「つらいけど、楽だよ。何をすれば良いか分かっていて、しかも結果も見えるんだから。でも、結局さ、そういうのに頼らず。『自由演技って言われたけど、どうすればいいんだろう』って頭を掻き毟って、悩みながら生きていくしかないんだと、私は思う」p.264 -
読んでていつも表紙に突っ込まれる。
-
大学生活を謳歌する5人の若者。ただ平和に暮らしてたい。笑い、苦しみ、悲しみ、そして楽しむ。若者のストレートな心の内を描きながら、伊坂さんならではの展開もある。奇抜さは少なめだけれど、青春群像劇としても楽しい作品。
-
読み終わり、何十年も前のあの頃を思い出す。隔絶された守られた世界で明日への漠然とした不安と、やる気になれば砂漠にも雪を降らせられるという根拠のない自信と希望に溢れていた。
人間にとって最大の贅沢とは、人間関係における贅沢の事である。
沁みる言葉ですね。もう帰ってこない時だから、よけいに愛おしく感じます。