ガレキノシタ

著者 :
  • 実業之日本社
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感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408536057

作品紹介・あらすじ

私たちは閉じ込められている。夢じゃないぞ。友情、恋愛、いじめ、家族…それぞれに問題を抱えた生徒や教師が生と死のはざまで見つけたものは-!?亙礫の下で何かが生まれる-感動の傑作サバイバル小説。

感想・レビュー・書評

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  • 崩壊した瓦礫の下で、それぞれの生き抜くための闘いが始まる。
    何があっても生きて戻る!
    危機的状況の中で一番必要なものは、生きて戻るという強い意思なのだろう。
    人との出会いは成長していく過程で大きな影響を与える。
    北野との出会いが、少年を救う。
    そして北野の普段の生き方が、結果的には多くの命を救うことになる。
    北野のように、そして瓦礫との闘いを経験した者たちのように、いざというとき強くあることができるだろうか?
    強くありたいと思う。
    諦めてしまいそうな弱い心に打ち勝ちたいと思う。

  • 突然崩壊した校舎に閉じ込められたときに、何を考えるか。
    高校生のまっすぐな心。
    教師のよろいに包まれた言葉の中に見つけた心。
    シチュエーションはつらいが、好きな小説です。

  • ガレキノシタ
    山下貴光さん。

    学校の校舎が
    突然崩壊。
    崩れた校舎の中に取り残された生徒達の話。
    それぞの場所で、
    ガレキノシタで、
    救助が来るのを待つ。
    いろいろな想いが、セリフが、
    胸を打つ。
    生きたい。
    助かりたい。
    無理をするな。
    歩みを止めるな。
    歩みを止めなけりゃ、
    自然と笑いたくなる。
    とりあえず笑ってろ。
    ガレキノシタから、
    一筋の光。
    助かった!!

    おススメな本です。


  • 北野くんできすぎとちゃう

  • 学校の崩落事件の中、一人一人、別の登場人物の視点から描かれる物語。それぞれが特有の事情を抱えていて、普通の小説だったら嘘くさくなるかもしれない。しかし、脈絡のない何百人の人間が集う学校だからこそ、それを全く感じない。とても良い小説だけれど、やはり災害ものは、映画も小説もなかなかエンターテイメントとして消化できない自分がいる。「病気と災害はシャレにならん」って感覚からどうしても抜け出せない。

  • 北野君いいなあ。一気読み。

  • 突然崩壊した校舎、ガレキの下に閉じ込められた7人のお話です。


    (新田隆志の場合)
    双子の弟とは1年前から口をきいていない、その理由は母親の事故死
    ガレキの下に閉じ込められた二人の語り合いは微笑ましいような
    切ないような感じです。ラストは衝撃でした。


    (坂本若菜の場合)
    隣家に住む加奈とは大の仲良し友情は永遠に続くと思っていたのに
    親に仲を引き裂かれ加奈は引っ越して行った。高校で再会したものの
    お互い話せないまま、ガレキの下に二人で閉じ込められる。


    (福原守の場合)
    毎日イジメにあい学校に絶望していた守はトイレでイジメられたすぐに
    事故に遭う、壁を隔てた向こう側にはイジメの首謀者がいる
    こちらには床に溜まった水があり立場が逆転する。


    (倉科則子の場合)
    体育倉庫に閉じ込められた則子は持っていた携帯電話で
    彼とメールのやり取りをする、彼との恋のはじまりが語られる
    則子が助け出される前に送ったメールの返信は彼女が感じていた
    違和感にとどめを刺す。


    (中川洋司の場合)
    教師としてのやりがいをなくしていた中川は保健室登校をしている
    面倒な不良生徒、木場の様子を見るために保健室に入ったことで
    二人ともガレキの下に閉じ込められる。何も話さなかった木場との間に
    少しづつ会話が生まれ教師が嫌いな理由、将来のことなど
    そんな木場に対して、中川は教師としてではなく一人の大人として
    接していた。


    (穴井英介の場合)
    穴井は半月前、父親が末期癌と知らされ家族で病気に立ち向かう為
    ある約束を実行していた。ガレキの下では一人きりという状態
    目の前にガレキが迫る恐怖の中、気になるものを見つける


    (小野寺文也の場合)
    小学6年生の文也は地下防災用倉庫で事故にまき込まれる
    倉庫にはもう一人、下半身が棚に挟まれた男子高校生がいた
    何故、文也はこの場所に居たのか


    ガレキの下に置かれた状況は様々。ちょっと軽めな印象も
    ありますが、そんな状態の中で起きた奇跡や奇妙な出来事に
    ぐいぐい引き込まれました。


    そして各章に必ず登場するある男子生徒が何とも
    人間くさくとても魅力のある人物となっています。
    彼もまたガレキの下に閉じ込められ、1番過酷な状態と
    なってしまいます、エピローグではその後が語られてはいますが
    もう一歩深みが欲しかったです。

  • 突然の学校の崩壊。瓦礫の下に閉じ込められた生徒や先生、色々な立場・境遇の人たちのお話。
    つらい境遇に置かれた彼らだけれども、爽やかな読後感。
    キーマン北野がカッコ良い。言葉がストレートに響く。

  • 感情移入しすぎた、やや甘めの星5。
    死なないで良かった。

  • 書帯の通り!…それぞれの極限状況下の青春小説は心に突き刺さる。確かに確かな、ほんとうのヒーローだネ♪

  • なかなかよかったですが、ガレキノシタだからこそ、という部分が今一つという感じです。

  • サバイバルで青春。
    悲劇が舞台なのに
    どことなく爽やかさが残る話。

  • 高校が崩れた。崩壊。

    その時、人は何を、誰を思うのか・・・。

    色々と軽いように感じた。
    内容も、言葉も。

  •  ミステリーではなかった。
     それは良かった。
     ダイアローグで進行していくところが作品を、魅力的なものにしてくれた。
     

  • 高校という狭い社会の中で生きる登場人物の発言にいろいろ心に響く言葉があった

  • 学校が突然崩壊し、多くの生徒や教師が瓦礫の下に閉じ込められる。友情、恋愛、いじめ、家族…瓦礫の下で彼らが見つけたものは。

  • さくさくさくっと1日で読めたくらいに読みやすかった。
    「ありがとう北野」の1文で泣けたりもしたし。
    (↑裏切られたけどね~。w)
     ■ ■ ■ ■ ■ 
    『屋上ミサイル』のときも伊坂さんポかった気がしたけど
    これも少し感じられたかな。
    でもまぁ伊坂さんも初期の短編とか村上春樹さんポく思ったし
    山下貴光さんが今後どう個性的なお話を書いてくようになるのか、
    ワタクシ的には楽しみだなぁ。

  • ある日、ある時、どこかで、自分のいる場所が崩れたら、あなたはどうしますか?建設不備で、昼間、しかも生徒が居る時間帯に崩壊してしまった学校。巻き込まれた生徒や教師は何を考え、行動しながら助け出されるのを待って居るのか。友情、いじめ、家族…ext、様々な問題を抱える者たちが、がれきの中に閉じ込められることで、己をさらけ出し、自分の問題と向き合う姿に心が震えます。

  • ■「屋上ミサイル」の山下作品。タイトルを見て「震災もの」かと思ったんだけどそうではなくて、ある意味「学園もの」だった。(笑

    ■倒壊した校舎の下で起きる個々のストーリー。それぞれが独立しているけど繋がっていて、最後に謎解き?がされる。

    ■読み始めは「屋上...」と全く違う...と思っていたけど、読み終わってみると「屋上...」と同じカラーの作品。同じカラーだからダメなんじゃなくて、同じカラーで好感度高し。(笑

  • 屋上ミサイル以来の山下作品。前作で伊坂っぽいのが惜しいと思ったけど、この伊坂っぽさを備えているのが山下作品なのかと。北野くんに関しては、くさいほどの正論を叫ぶ彼に心底揺さぶられてしまった。例えるのは好ましくないかもしれないが、伊坂作品でいえば「チルドレン」の陣内や「砂漠」の西嶋みたいな。連作短編ながらも後にいけばいくほど面白かった。最後はちょっと涙を返してほしいと思ったけど、それも含めて良い本でした。

  •  中川洋司場合が一番好きかな?

  • 震災の内容かと思って躊躇したけど違う設定だった。ガレキの下に閉じ込められて救助を待つ間に自分の過去と向き合う、というはなし。独特の正義感を持ったヒーローが出てくるのが山下作品らしい。伊坂幸太郎っぽいとこも好き。

  • はじめはすごく引き込まれたが中だるみした感じ。
    第一話はありきたりな展開ながらぞくとっした。
    あとはラストくらいかなあ。
    でもエピローグはまたきれいにまとまりすぎてつまんない感じも。。。

    このミス受賞作の屋上ミサイルは途中で挫折したけど、もう一回トライしてみるか。。。ほかの作品を読んでみるか。

  • 校舎倒壊という大事故に巻き込まれ、がれきの下に生き埋めになった生徒たちを、短編形式で描いてる。
    北野が魅力的すぎる。それぞれの話もとても良かったけど。
    最後の小学生に対する北野の言葉がたまらなく好きだった。
    泣いてしまった。

  • +++
    私たちは閉じ込められている。夢じゃないぞ。友情、恋愛、いじめ、家族…それぞれに問題を抱えた生徒や教師が生と死のはざまで見つけたものは―!?亙礫の下で何かが生まれる―感動の傑作サバイバル小説。

    「……きっかけは一九九五年に韓国で起きた三豊百貨店崩壊事故だ。(中略)
    瓦礫に閉じ込められ、悲劇に見舞われた彼らではあるが、
    そこで先ほどまでつづいていた生活がなくなってしまうわけではない。(中略)
    彼らは悲劇の象徴ともいえる巨大な瓦礫と向き合いながらも生活をつづけ、
    抱えたままの問題や自分自身とも向き合ったのではないか。
    …そして、そういう物語を書きたくなった。
    ――山下貴光(月刊J-novel2012年8月号より)」
    +++

    ある日の高校の休み時間、突然校舎が倒壊し、教師や生徒が瓦礫の下敷きになった。我に返り置かれた状況を把握したとき、彼らの胸に去来したものは、そして彼らがとった行動は何だったのか。何人かの生徒、教師のそのときが描かれているが、どれも涙なしには読むことができない。それぞれが、どんな風に生きてきたか、どんな心構えを持っていたかという本性の部分が現れ、それはこれからどんな風に生きていくか、ということにもつながっていくように思われる。なにができるか、どう生きるか、を考えさせられる一冊でもある。

  • タイトルから震災をテーマにしたものかと勘違い。
    2009年から書かれていたようです。
    校舎の突然の崩壊、その瓦礫の下で救助を待つ生徒や先生たちを描いています。
    キーマンとなる北野くん。かっこよすぎるやんけ。

  • 屋上ミサイルが好きだったので、最新刊も読んでみました。

    突如崩壊した校舎の瓦礫の下に生き埋めにされた生徒達の物語。
    それぞれに物語があって、少しずつ繋がっていて。極限状態の中、彼らが希望を失わないのにはそれぞれの理由があって。
    回想シーンの彼らの日常のエピソードだけでも物語は繋がる。けど、極限状態だからこそ本当に大切なものが見えたり、普段逃げて来た現実と向き合ったりする。
    瓦礫の下という特殊な設定でなければありふれた青春物で終わっていたかもしれないけど、そのシチュエーションだからこそそこに説得力が生まれた。

    キャラクターも魅力的で会話や言い回しも好き。
    読みやすいし、とにかくオススメです。

  • 山下貴光をはじめて読んだ。なかなか面白い。
    この人、青春小説の名手になりそうな予感がするなぁ。ちょっと追いかけてみよう。

    本書は突然崩壊した校舎に生き埋めにされた7組の高校生や教師達の物語。
    瓦礫の下に閉じ込められ、改めて自分と向き合い、他人と向き合い、自分を見つめなおす若者たち。異色の青春小説だ。
    彼らが恐怖の中で希望を失わなかった理由とは…。

    この小説のキーマンは北野くんというキャラクターだ。
    皆が瓦礫の下で希望を失わなかったのは、北野くんの行動や言動が彼らの心に痕跡を残していたから。

    北野くんは他人の痛みを自分のこととして感じることができる優しい男だ。そして、いつも友人のそばでメッセージを発し続けている。
    すなわちそれは、著者から若者たちに向けたメッセージなのだけれど。

    印象的な場面がある。
    ある生徒がいじめを理由に自殺をした後の緊急朝礼で、学校の責任を認めようとしない校長の曖昧な発言に北野くんが立ち上がった。彼はおもむろに校長のいるステージに上がると、校長の肩を突き飛ばした。そして、さらにそれを冷ややかに見つめる生徒たちに向かい、彼は机に自らの額を打ちつけ、額から血を流しながら「恥を知れ!」と咆哮したのだ。

    そんな彼の存在が何故か「ガストン・ボナパルト」と重なる。
    というのはちょっと大袈裟かな。
    個人的には北野くんをもっともっと活躍させてもよかったかなと思うんだが。まあ、また、別の作品に登場しそうな予感がするので、しばし待とう。

    『男には人生の中で本気を出さなきゃいけない時が、三度あるんです。(中略)将来の道を選択する時、プロポーズをする時(中略)それから、本気を出さなければいけない時』(P198)

  • 7人のガレキの下での「死」と「生」に、去年の震災を思い胸が痛かった。
    きっと、同じように絶望の中で必死に戦い続けた人たちもたくさんいたことだろう。
    極限状態の中で、「生きる望みを持ち続ける」ためには、北野くんのような存在が必要なのかもしれない。
    彼の言葉のひとつひとつが、私の心の中にも「望み」として突き刺さっている。
    もしもいつか私が絶望の中に取り残されたとしても、きっと北野くんの言葉を思い出してがんばれる、気がする。
    そしてふと思う。私は女だけど、3度の本気はもう出したのかな。まだ、かな。

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著者プロフィール

1975年香川県生まれ。京都学園大学法学部法学科卒。第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2009年受賞作「屋上ミサイル」を刊行。著書に『ガレキノシタ』『HEROごっこ』など。

「2016年 『筆跡はお見とおし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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