- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408536071
感想・レビュー・書評
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読み始めると手が止まらなくなってくる。これは面白いぞ!そう思い、果たしてどのような結末に向かっていくのかと読み進んでいったら・・・。うーん、こういう結末もありだとは思うけどここに至るまでの展開を考えるとさすがに物足りない感が強い。読後感がすっきりしない作品でした。
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2013年読了
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春先のシーズン前に母と子が川で溺れる事故が発生する
ごく普通の水難事故だと思われていた事故は
一人の目撃証言から凶悪な殺人事件となる。
妻と子を殺害した容疑で逮捕されたのは仁藤俊実、
この事件が世間を大きく騒がせることとなったのが
仁藤が供述した犯行動機
「本が増えて家が手狭になり。妻子がいなくなあれば
その分、部屋が空き、本が置けるようになる」というもの
小説家である主人公がありえない動機から仁藤俊実という
人物に強い興味を覚え、動機の真相を突き止めようと
彼と関わりのあった様々な人の証言で構成されています。
仁藤の人物像を探るため、近所の住人や仁藤が勤めていた
銀行の同僚から話を聞きますが、落ち着いていて
知的で成熟した常識人と言い殺人を犯すような人物とは
とうてい思えないと口を揃えて言う。
また彼の異常性を語るエピソードも何一つ出でこない
取材を続ける中、1ケ月後、豪雨の影響で湖から
白骨が打ちあがる。復顔により身許があきらかになると
その人物は2年前に失踪した梶原啓二郎
仁藤と同じ銀行に勤めていた同僚だった。
これはただの偶然なのか、仁藤に疑惑の目が向けられます
さらに、1カ月半後、週刊誌が仁藤が大学ぢ代に関わったかも
しれない友人の事故死を報じます
妻子の事件、白骨事件、仁藤の周囲での死
小説家は仁藤の過去を遡ると他にも埋もれた死が
潜んでいるかもしれないと、高校時代、中学時代
小学生の頃と遡って同級生、実家周辺を調べ始めると
いくつかの事故死が発生していた。
仁藤を理解しようとする事は無意味な事なのか
主人公は自問自答していきます。
身近な人の考えている事だって本当のところは
分からない、なのに殺人犯の心理は理解できないと
落ち着かない・・理解できないことへの恐怖なのだろうか
最後は肩透かしをくらった感じで終わってしまいましたが
仁藤のような人が近くにいて微笑んでいる
そんな不気味な余韻を残す作品でした。 -
あー、わかりやすい答えが欲しい。
納得感大切です。
周りの人みんな怖くなってしまいます。
これってまんまと狙い通りはめられてるの? -
事故死と思われていた妻子の川での水難事故。しかしそれは夫による殺人であった。しかも蔵書置き場所が無くなったという些細な動機によって。ところがその犯人である夫の評判は、誰に聞いてもすこぶる良く、非の打ち所の無い人物であった。さらに夫と同じ部署である先輩社員の遺体が発見されるも、先輩社員はこれまた極めて評判が悪く、夫の相対評価が上がる役目を果たす始末。それでも追求を続けると少しずつ異なる姿も見え隠れし、更に関係者?の死亡も出てくる。どちらが本当の彼の姿なのか、調査は続き面白く読んでいたのだが、ラストは妙に尻切れ蜻蛉である。結局謎が解決されることも無く。
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小説家が、ルポライターの役割のように、動きまわる。
その事件とは、エリート銀行マンが、妻子を殺したのか?
評判の良い人格者で、あるのに、その男の周りには、不可解な事件が、渦巻く。
それを、取材して回るのだが、、、、
最後の最後は、何か、尻切れトンボのようで、、、、
で、、、、結果は?
少し最後が、物足りないように思われた。 -
★★★★☆
人間の皮の内側
【内容】
エリート銀行員の仁藤俊実が、逮捕・拘留された安治川事件。殺害の動機が意外すぎて世間を騒がすこととなった。その事件をノンフェクション作家の「私」が取材をすることとなった。
【感想】
グイグイ引き込まれる内容で読むのが止まらなかった。
彼がなぜそんなことを犯したのかそれが知りたかった。しかし、"それが知りたかった"自体で術中にハマったのだ。
僕らは何事にも理由を付けたすぎるのかもしれない。
【引用】
相手の心の奥底まで見通すことができない限り、人は自分の見たいようにしか他人を見ない。
私たちは他人を理解しないまま、わかった振りをして生きている。自分たちがわかった振りをしていることすら、ふだんは忘れている。 -
うーん,引きずり込まれて最後まで一気にまんまと読まされてしまった.
何となく予想外の展開でちょっとガッカリした感も.
「人はわかりやすいストーリーを聞いて安心する」
まさにそうだな・・・ -
事故にみせかけて妻子を殺した男の不可解な供述。
本を置く部屋が手狭になったため。
同僚、友人、上司、ご近所の人。
誰からも良い評判しか聞かない男の闇とは?
ノンフィクション風のフィクション。