微笑む人

著者 :
  • 実業之日本社
3.08
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本棚登録 : 1179
感想 : 252
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408536071

感想・レビュー・書評

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  • 2017.12.6読了

  • なんというか....
    小説でそれをいっちゃあお終いだってオチ

    だらだら読ませてそれかよってw

  • いろいろ伏線が張られて、さて、ここから伏線回収かな、と思ったところでEND。。

    こういう終わり方も確かにあるけど、やっぱ不満が残るな。

  • 気持ちいいぐらい後味の悪い小説。流石貫井氏の作品です。主観的な非常識・反倫理性・非論理性に、人は極度の嫌悪感や不安感、拒否反応、思考停止等々の症状を発すると思いますが、その感じをそのまま書いちゃいました、といったところでしょうか。これがホントのイヤミスだと思います。私は好きでした。

  • 妻子を殺害した罪で逮捕された行員。
    彼の犯罪動機があまりにも突飛だったことから、小説家の「私」がノンフィクションに収めるべく、事件の背景を探っていく。
    だが、探れば探るほど、彼が分からなくなっていく。
    過去の事件、今回の事件、彼の周りの人たちが語る「彼」。
    人は、他人のことをどれだけ理解出来るのだろうか。
    見えているものを、見たいようにしか見ない我々に一石を投じられた気がしてならない。

  • 結局、やったのかやってないのかどっちなのよー!

  • 後味が悪い。もともと、はじめからおすすめできない。とも書いてあるので、その通りではあるのだけど…

  • 他人の心のなかを知る事は難しい。人の行動の裏に、私には理解不能な理由があるのかもしれない。
    にも関わらず、人間は他人の行動を自分の理解できるパターンにあてはめて、安心したがる。

    ・・確かにそうなのかもしれないけど、凡人の私は小説にそういうの求めてなくて、なにかしらのパターンに当てはめてスッキリしたいのよー。
    なのに、この本を読み終えたときのスッキリしない感ときたらもう!

    あと本筋にはまったく関係ないけど、『最高学府』を大学のなかの最難関(つまり東大)として書かれているように読めるトコがあったけど、確か最高学府って大学全般の事を指すんだよね。。
    と心配になって、グーグル先生にきいてしまいましたよ。

  • 感情移入してしまうと終わりがつらい。
    あっけなく終わるが、後味の悪さはピカイチ。

  • 「微笑む人」
    理解できない犯罪が、一番怖い。


    「人は他人のことをどれくらい理解できるものだろうか。わかっているつもりで、本当は何一つ知らないのではないか」。「夫や妻、子供、親、友人、会社の同僚といった自分がよく知っているつもりの人のことも、「何一つ知らない」のではないかという現実を小説に起こしたのが「微笑む人」だと思います。


    ☆あらすじ☆
    <blockquote>
    エリート銀行員の仁藤俊実が「本が増えて家が手狭になった」という理由で妻子を殺害した。逮捕された仁藤は、取り乱すことなく、淡々と供述し、柔和な笑みを絶やさなかった。彼はどんな人間だったのか。仁藤の周りの人間に仁藤の印象を聞いたところ、返ってくる言葉は人格者・良い人というものばかり。仁藤さんは、本が増えたという理由だけで、殺人を犯す人物ではないと。小説家の「私」は、それでも一抹の疑念を払しょくできずに仁藤の過去を調べ続け、ある真実にたどり着く。
    </blockquote>


    物語は、仁藤俊実という誰に聞いても好印象な人間が、なぜ愛すべき妻子を殺すに至ったのか、その理由を小説家「私」が、仁藤の周囲の関係者に取材にいくことで探っていく形で進んでいきます。会社の同僚、後輩、同期、学生時代の友人たち、刑事など多くの人物が、仁藤という一人の人間を一体どうみていたのか、特に友人や会社の関係者は、彼をどこまで理解していたのか。


    知っていると思っていた人を実は知らない。そんな怖さが徐々に顔を出し、聞けば聞くほど仁藤が何を考えて殺人に染めたのかがだんだん見えなくなっていく。現実世界では「本が増えて家が手狭になったから殺す」という動機は流石にあり得ないと信じたいが、実際「カッとなって殺した」という動機が存在しているだけに、不条理は存在する。その不条理に対してどのように向き合うべきかを問うています。


    そして最後の締め。仁藤の柔和な微笑みが、何を考えているかわからない不気味な笑みに変わり、真相は闇の中へ。ようは、すっきりと謎が解けないわけです。これは、ミステリーとしては消化不良。しかし、人はどのような理由で殺人を犯すのか、常識では考えられない犯罪が増えていく現代社会とは何かを、読者一人ひとりに考えてほしいとのメッセージという点では、Good。


    とはいったものの、個人的には消化不良感が。「私」は、”彼が殺人を犯すなんて考えられない”、”仁藤さんみたいな人格者もいるんだ”といった善人の側面を知る中で、彼の異常性についても少しずつ知ることになる。さらに、重要人物”ショウコ”の登場により全てが引っくり返るような伏線が出てきて、どうどんでん返しが起こるのかと言うところまで来たかと思ったんですが、最終的に綺麗に終わりません。


    仁藤が、なぜ殺人を犯したのか。その動機(おそらく異常な)を明確にしたうえで、常識では考えられない犯罪に対する警告を打つという形でもよかったんじゃないでしょうか。

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著者プロフィール

1968年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒。93年、第4回鮎川哲也賞の最終候補となった『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞受賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞受賞。「症候群」シリーズ、『プリズム』『愚行録』『微笑む人』『宿命と真実の炎』『罪と祈り』『悪の芽』『邯鄲の島遥かなり(上)(中)(下)』『紙の梟 ハーシュソサエティ』『追憶のかけら 現代語版』など多数の著書がある。

「2022年 『罪と祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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