- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408554273
感想・レビュー・書評
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伽古屋さんの大正もの。
本書は、東京・神保町の裏通りにある古書店<ねんねこ書房>の店主・根来佐久路が、本業の傍ら受けている“萬相談”にて数々の謎を解いてく、連作5話が収録されています。
ライトに読める“日常系謎解き”なのですが、面白いのは店主の佐久路さんが店員のこよりにヒントとなる書物を渡して、まずはこよりに大まかな謎解きをさせてみるところですかね。
芥川龍之介「羅生門」、永井荷風「ふらんす物語」など有名どころからマニアックな書物まで、さすが古書店を舞台にしているだけありますね。
さらに第5話「文豪の尋ね人」では、永井荷風先生ご本人が登場しちゃいます。
そして、伽古屋さんの別の大正モノの作品とのリンクもお楽しみ。『なないろ金平糖 いろりの事件帖』に出てきた<白栗庵>の饅頭や、佐久路さんの台詞で「知り合いに変な発明に勤しむ変な男がいる」というのは、『からくり探偵』の柿三郎先生の事だよね?と思わずニヤついた私です。
やんちゃな双子・佐良と久良もいい味出てますし、彼らの母親で佐久路さんの“捜し人”の件など、掘り下げてほしい背景もありますので、是非続編を期待したいところです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
割と面白かった。関東大震災後の神保町が舞台ですが、あまり時代がかった感じはないです。ミステリーとしてはライトで、さらっと読めてしまいます。いろいろ謎を残しているので、続きそうな感じですね。
ちなみにねんねこ書房ですが、猫はあまり関係ありません。 -
職探しでようやくたどり着いた書房は
よろず相談もしていた。
粘り勝ち就職、と思っていたら
何故店長が渋っていたか、も判明。
時代背景を考えると、確かに女性一人は危ないかも。
本を売り、相談をして謎を解く。
人死はないので、日常ミステリー、に分類しても
大丈夫でしょうか??
最後、関わってはいますが、違いますし。
探し人は、いつか分かるのでしょうか?? -
ねんねこ書房で働き始めたこより。店主左久路が本業の傍ら受ける萬相談事の解決にともにあたり、さまざまな書に触れて本が好きになっていく。大正時代ごろの本は全然読んだ事なかったので興味深かった。まだ続くのかな?続編読みたい。
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探偵業も行う古書店。謎解きのヒントは全て書物の中にあるとかで、参考になる本を教えてくれる。すごいコンシェルジュだ!
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190717
謎の一つひとつが浅いというかなんというか、、森さんの本だと勘違いしてて途中で気づくぐらいには読みやすかった(褒めてる)。 -
伽古屋氏お得意の、大正ロマン謎解き娯楽小説(^ ^
健気でおぼこい女の子と、寡黙で天才肌の探偵という、
これまた王道の設定で(^ ^
一つ前に読んだ「同じような基本設定」の本には
なかなかなの低評価をつけてしまいましたが(^ ^;
こちらは文句なしに面白く読めました(^ ^
設定が古書店と言うことで、過去の名作になぞらえて
謎解きをしていくというのが面白い(^ ^
作者はきっと相当な読書家なのだろう。
例によってミステリなので、細かくは書けませんが(^ ^;
軽い文体と地の文のノリツッコミがテンポよく、
あっという間に読み終わってしまいましたとさ(^ ^ -
【収録作品】第一話 餓え死にか、強盗か-芥川龍之介『羅生門』/第二話 美しい愛の物語-黒岩涙香『幽霊塔』/第三話 「秘密」という魅惑-谷崎潤一郎『秘密』/第四話 霊も、死者も、見えるのです-村井弦斎『食道楽』/第五話 文豪の尋ね人-永井荷風『ふらんす物語』