外資系金融の終わり―年収5000万円トレーダーの悩ましき日々

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  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478020890

感想・レビュー・書評

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  • 借りた金が多額なら借りた方が有利だ

  • あまり中身はなかったが、銀行業と比較して規制が少なく、リスクをガンガン取って高いリターンを得ることを目指す証券•投資銀行業が、公的資金の注入により、急速に力を失っていることは分かった。
    また、投資銀行は試用期間中の新卒も平気でリストラする。それはヘッドクォーターから人員削減目標値を与えられ、実現を強制されるからだ。日本の労働市場では完全にアウトな行為なので、きちんとした法的知識をもとに、パッケージの交渉に挑むべし。

  • 藤沢さんらしい、とにかく分かりやすく過激な言い方を心がけている本。外資系金融での仕事内容や働き方について分かるので読んで損はないと思う。
    私はこれを読んでも金融が羨ましいなとは思わなかったのだけど(評価経済社会のほうが好きだし)、銀行を小さくしていくってのはいい考えのように思えた。
    やはり、Too big to fail.はおかしいのでどうにかして是正していかなくてはならないと強く感じるようになった。

  • 藤沢さんは竹田恒泰とイケダハヤトの2topに並ぶイケメンだと思う

  • サブプライム危機の仕組みAND外資金融の自虐風自慢。作者頭いいと思うけど読み物でしかない。

  • アゴラやBLOGOSでおなじみの藤沢数希氏のもう2年前の本、軽い語り口と時々品のない方へ脱線するキャラ設定は好き嫌いが別れるかもしれないがサブプライムローンやリーマンショックなどをさくっとおさらいするにはお手頃だとおもう。この分野では「マネー・ボール」のマイケル・ルイスの「ライアーズ・ポーカー(投資銀行に入ったマイケルの自伝)」「世紀の空売り(サブプライムローの破綻にかけて大儲けした数組)」「ブーメラン(ヨーロッパの金融危機)」がお勧めなのでこの本で興味を持った人はそちらを読むのが良いと思う。

    投資銀行のトレーダーの金銭感覚をよく表している文がいくつか出てくる。例えば「ジョン・ポールソンはアナリストが数人の小さなヘッジ・ファンドを運営しており、こうしてCDSで顧客のために1兆6000億円稼ぎ、自分のために4000億円も稼いだ。ドイツ銀行のトレーダーだったグレッグ・リップマンも負けじと数千億円稼いだ。ただしグレッグはサラリーマンだったので、ドイツ銀行からたったの50億円ぐらいしかボーナスをもらえずに、それが不服でドイツ銀行をすぐに辞めている。」

    貧乏なセールスやバンカーほど気前がいいという話もある。「25歳のトレーダーが1日に1億円儲けたり損している間に、イタリア高級スーツに身を包み、スイスの高級時計をしている経験豊富な40歳のシニア・セールスやアナリストは、頭の悪いクソみたいな年金基金のファンドマネージャーに平身低頭で媚びへつらい、彼らをキャバクラに連れていき、毎日下らない「ここだけの」投資話を電話して、1年間で1億円の手数料を払ってもらえるかどうかというしょぼいビジネスをしていた。 当然だが、そんなセールスやアナリストの給料は極めて安く、総じて彼らは貧乏だ。給料はせいぜい2000万円とかそんなものだ。ぼくの知人のセールスは、入社3年目くらいのときに、しょぼいボーナス(たぶん1500万円とか)をもらって、威勢良く赤いフェラーリをローンで買っていた。」もっと稼いでいるトレーダーは金を使わないらしい。

    儲けた会社が従業員や役員にいくら払おうが横から口出しする様なことではないのだがリーマンショックで問題になったのは破綻した金融機関への公的資金の投入で誰を救ったのかということ。サブプライムローンが破綻しない方にかけてリスクをとった人たちが破綻前には高額のボーナスを受け取り、リスクを積むだけ積んで上手く逃げ切った人もいる。単年度で見れば確かに会社を儲けさせたのだからボーナスをもらってもおかしくない。しかし破綻まで通算すると会社に大きな損失を与えているのだがそこは遡及されないので損をかぶったのは納税者ということになる。しかし、公的資金を投入しないとシステミックリスクで連鎖倒産が置きかねない。だから怒った人たちがウォール街を占拠したのは心情的には理解できる。

    第5章はアメリカとEUの失われる10年+が予想されている。では2年経ってどうなったかというとEU経済は相変わらず低調なままだが危機はやや遠のいた。6月のユーロ圏の失業率は横ばい予想に反して前月から低下し過去最長の景気後退の後遺症から徐々に立ち直る状況が示された。それでも2013年の失業率で言うとギリシャ、スペインが約27%、ポルトガル16%、アイルランド13%、イタリア12%となお高い水準だ。アメリカは7.4%、ワールドカップの裏でデモが頻発したブラジルは5.4%だった。(世界経済のネタ帳より)直近のアメリカはというと労働市場が回復途上にあり、利上げのタイミングはまだもう少し先だ。失業率だけでなく流動性の低下が賃金の低下につながる懸念が指摘されているようだ。

    ヨタは飛ばしつつも藤沢氏の主張は決済銀行が投資部門を持つことで巨大化しつぶせなくなったことのモラルハザードが挙げられている。確かにリスクマネーを運用するヘッジファンドならつぶれたところで影響は限定的だ。投資銀行部門を別会社にするというアイデアは理解できる。さらにリスクマネーに規制がかかる様になれば方向としてはリスクもリターンも小さくなる。それが外資系金融機関の終わりなら別に終わってもらっていいのだが。

  • ブログ等で面白い考え方と表現をする方だと思っていたので、そっち方面で期待していたけど
    まじめな金融の話が多くて、結構飛ばし読みしてしまった。

  • タイトルがキャッチーに過ぎるものの、内容はマクロ経済に投資銀行の構造に人事にと、読み応えのある本だった。
    現地スタッフと話す時に気をつけるべきバックグラウンドが少し分かったし、就職活動にも使える。
    投資家からの金の流れが見え始めて来た近頃の業務と両輪を成して、腹落ちする本だった。

  • 当たり前だけど、リスクなんて誰もとらないよね。ズルズルしていると閾値を超え、崩壊するはめになる事も薄々気が付いているけど、どうにもならんかね。

  • 今さらですが読了。デカくてつぶせないなら小さくしよう。2014年今どうなったのだろう

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著者プロフィール

金融日記管理人。恋愛工学メルマガ発行。

「2017年 『ぼくは愛を証明しようと思う。(2)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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