- Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478420409
作品紹介・あらすじ
主人公アレックス・ロゴは、ある機械メーカーの工場長。長引く採算悪化を理由に、突然、本社から工場閉鎖を告げられる。残された時間は、わずかに3か月。それまでに収益体制を改善しなければ、工場は閉鎖され、多くの人が職を失ってしまうことになる。半ば諦めかけていた彼だったが、学生時代の恩師ジョナに偶然再会したことをきっかけに、工場再建へ向けて意欲を燃やし始める。ジョナは、これまでの生産現場での常識を覆す考え方で、彼の工場が抱える諸問題を次々に科学的に解明していく。そのヒントをもとに工場の仲間たちとたゆまぬ努力を続け、超多忙な日々を過ごす彼だった。だが、あまりにも家庭を犠牲にしてきたため、妻であるジュリーは彼の前から姿を消してしまう。仕事ばかりか、別居、離婚という家庭崩壊の危機にもさらされたアレックスは…。
感想・レビュー・書評
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TOC、ボトルネックに焦点を当てた生産管理プロセスの改善システムについては理解今ひとつで消化不十分、合間に挟む家族の亀裂から修復までのストーリーはなごませてもらった。工場を守る確固たる意思、チームとの実りあるミーティング、そして助言者の的確なアドバイスがあっての成功であると感じた。
改善の施策を現場に降ろして実行させ結果を出してもらうためには施策への信頼と覚悟、現場とのコミュニケーションレベルを柔軟に変化させていく事を学んだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2001年まで17年間翻訳されることを禁止されていた本。こんな見出しを読んだらまるでパンドラの箱を開けるようなそんなワクワクを最初の読むきっかけをつくってくれた本です。中身はビジネスをするうえでなにをすることで成果をあげるのか。改善、プロセスそんな言葉が多く入っています。主人公アレックスに突きつけられた三ヶ月の運命、そして妻とのコミュニケーション不足による別居、いろんな人との関わりにより、気づくボトルネック。企業は利益を目的としている、ここからもう一度その行為がその目的のためになっているかをしっかりと見なければいけませんね
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ー 私たちが探し求めているものは、いったい何なんだ。三つの簡単な質問に答えることのできる能力じゃないのか。『何を変える』、『何に変える』、それから『どうやって変える』かだ。マネジャーとして求められる最も基本的な能力を探し求めているんだ。考えてもみてくれ。この三つの質問に答えられないような人間に、マネジャーと呼ばれる資格があると思うかね。ー
[ステップ1] 制約条件を「見つける」。
[ステップ2] 制約条件をどう「活用する」か決める。
[ステップ3] 他のすべてを[ステップ2]の決定に「従わせる」。
[ステップ4] 制約条件の能力を高める。
[ステップ5] 「警告!!」 ここまでのステップでボトルネックが解消したら、[ステップ1] に戻る。ただし、「惰性」を原因とする制約条件を発生させてはならない。
訳あって、15年振りくらいに読む。
主人公と同年代になったんだな…。
正しいKPIって重要だよなぁ〜。
KPIが間違っていると、そのKPIを全部達成しても、全体の業績が達成するとは限らないからなぁ。 -
分厚い本の割に内容はライトでした。
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1.突然の閉鎖通告
努力に対して結果がついてこないアラフォーの話。働かせる方でなく働かされる方がいかに損失を被りながら働いているのかがよくわかる。
2.恩師との邂逅(かいこう)
働かされている人は目の前の効率を上げることばかりに頭を使おうとする。
果たしてそれは目標である利益向上に直結するのか。
楽をすることは良いことだがそれが利益向上につながらないのでは意味がない。
これに気付いた主人公が[一見全員が仕事をしているように見えて利益とは関係の無いところで人が動いてしまっている]ことに気づき始める。
3.亀裂
工場自体も投資の一つとはまた新しい考えだなと思った。
生産工場だって売ろうと思えば売れるんだから在庫と一緒だって話。
在庫から利益が生まれてるって考えてるわけだなこの本は。
持っているだけで利益を産むとはまた楽だな。
そうか株も工場経営も同じか。
自分の資産が自分で金を作っていく仕組み。
4.ハイキング
なるほどプロセスごとに生産能力が違ってくると、上限に制限がかかる一方で加減に制限がかからなくなる。
だから最終的な出力が全体平均効率よりもどっと落ちるわけだな。
なるほど、1番遅いプロセスを先頭に持って来れば、どこかで障害が発生してもすぐに在庫を最小限まで小さくできるのか。
つまり先頭に1番効率のいいものを持って来たって在庫(次のプロセスを待ってる部品)が増えるだけで出力は低いままなんだな。
[生産性をあげること]
これについてもう少し考えないといけないと感じた。
最後の工場で100個出荷する話はとてもいい例。
あるプロセスで振り幅が起こった場合、最終的な目標をそのプロセスが達成していたとしても、その振れ幅に追随できる次のプロセスがない限り、100個出荷することはできないわけだ。
一つ一つのプロセスの処理効率が時間で変動するんだな。
んで後の工程になるほど、その処理効率変動上限には制限がかかるが、下限には制限がかからなくなる。
結果生産性が落ちるってわけだ。
5.
ボトルネックはあってもいい。
部品一つ一つにあってもいい?だと?どういうことだ。
ボトルネックが工場のスループットを決める。
なるほどな〜。
つまりボトルネックの1時間損失=その工場の出力が1時間分損失すふ
ってことになるわけだ。
そう考えると、そのボトルネックが1時間休まる間のコストは、そのボトルネック自体が弾き出すコストよりうんじゅうばいにもなる。
工場単位で見る時はもっと広い視点を持つべきなんだな。
非ボトルネックの作業効率を下げると工場の効率が上がる。
なんとも不思議だがボトルネックの効率と非ボトルネックの効率の乖離をいかに小さくするかって所に焦点を当てるとそんなことになるんだな。面白い。
6.束の間の乾杯
ボトルネックに合わせた生産体制を取ったので非ボトルネックの生産に余裕ができた。
各プロセスの稼働率(この本ではこれを効率と呼んでいるが)を上げるために余裕のできた非ボトルネック機械を無理に稼働(つまりはオーダーがないのに在庫を作り続けるってこと)させた結果、結局最後の組み立てプロセスが生産限界を迎えたって話。
まあちょっと考えれば分かりそうなことだけど、こうやって一個ずつ本が失敗と一緒に教えてくれるのはなんとも優しくて読みやすい。
7.
1ロット12枚のウエハを1枚ずつエッチングする場合、
バッチサイズを半分にすると、、、
1ロット6枚のウエハを1枚ずつエッチングすることになるわけだ。
そうすると一回の機械稼働で作業する時間は半分になる。
※もちろん時間が半分になる分出力も半分になる上、次のロットを処理するために機械の設定をしないといけないので結局のところバッチサイズは大きければ大きい方がいい気がしてくる、、、
↑
が工場経営の観点からは違うんだな〜これが。面白い。
バッチサイズを小さくするほど出力をより細かく区切って行うことができる。そうするとスループット(つまりは工場のプロセスが進む流れ)が工場する。これが向上すればキャッシュフローが改善される(つまりは材料を買うために借り入れたお金をすぐ回収できるため金利をあまり払わなくて済むってこと)。
結果的にバッチサイズを半分にして出力を半分に、装置設定時間分はロスしている様に見えるが全体の利益で考えた場合利益向上に働くってことだ。これは面白いね〜。
↑
ちなみに唯一の欠点である装置設定時間についてだが、これも非ボトルネックのアイドル時間を当てればいいので実質バッチサイズを小さくすることでメリットしかなくなる。
工場がどれだけ利益を上げたかを分かりやすくするための[評価]なのに、あるパラメータのみ(この本では生産コスト)で工場の良し悪しを決めようとする。これがいかに愚かなことかが分かった。つまりは、評価するにしろ生産性を上げるにしろ、結局のところ[利益にどれだけ結びつくのか]これを必ず念頭に置いた状態で進めていかないといけないとわけだ。
上司が見て満足するための資料作りをするために工場は存在するわけではない。
8
制約条件は変動する。
今まではNCX-10が工場のスループットを決めるボトルネック=制約条件だったが、工場のスループットが改善されると、次は市場が制約条件になる。
こうやって改善すればするほど次の制約条件が変わっていくってことだ。
面白いね〜。
ありゃ、なんか中途半端なところで終わっちゃった。今度は工場単位じゃなくて、部門を統括するために、今まで工場でやってきたプロセスをどう当てはめていくか。これを主人公が考え始めてる。
ここまでで分かったことはつまり、
問題解決に向けた思考プロセスは教えられることでは決して開かれることがないということ。
自分で思考プロセスを構築する上で何が自分に足りないのかを見つけること、???
なんか中途半端に終わっちゃったからいまいちこの段で筆者が伝えたかったことが分からない。
2023.0706
読了
親父に勧められて読んでみたが、まさか500ページもある本を2〜3日で読み終わるとは思わなかった。自分が工場のラインに立っているという親近感もあり、全ての問題が自分の身の回りの問題に当てはめられる感じがして読んでいて面白かった。
今まで本を読むのってどこか退屈だなって感じちゃってたんだけど、違うな。
自分が[今]求めてる情報にリンクしてくれてる本を自分から探しに行かないと読書ってのはどんどん退屈なものになっちゃうわけだ。
次は株式に関する本を読んでみようと思うけど、今までだったら株式の本なんてどれを取ったって数ページで眠くなっちゃった気がする。
でも今は多分違う。自分の将来を大きく変える本人なるかもしれないし、自分の資産を大きく変える本になるかもしれない。読みながら自分がぐんと成長しているのを実感できる、そんな本に今ならありつける気がする。
ザゴールを読んでこれを感じた。
自分にとっての本の捉え方を変えてくれた名著。
4.0点 -
ビジネスの概念ゼロで始まった社会人生活の最初におすすめされた本。
面白すぎて2日くらいであっという間に読み終えました。
ビジネスと同じくスピード感に溢れ、
解決すべき課題を客観化、小口化して進める感じ。
良かったです。 -
・3つの指標:「スループット」「在庫」「作業経費」
・スループット:販売を通じてお金を作り出し割合
・余剰生産能力は必要
・依存的事象と統計的変動
・20/80ルールの原理:20%の変数が80%の結果を左右する
1)制約条件を見つける
2)制約条件をどう活用するか
3)他を2)に従わせる
4)制約条件の能力を高める
5)1)へ戻る
・真の制約条件はポリシー
1)誤ったポリシー(制約条件)を見つける
2)新しいポリシーをつくる
3)導入計画をつくる -
1984年に書かれた本で2001年までは日本語訳が禁止されていたとのこと。日本の製造業に追いつけないということで禁止していたらしいが実際のところアメリカの製造業がそこまで進歩したのだろうか?
元々この本は自分の開発した製造管理ソフトの販促のために書かれたらしいが、この本を読んでソフトは逆に売れなくなった。IT化しなくてもこの本に書かれているポイントを実施していき、業務が改善した例が多く出だという。
現在、コロナ時代でテレワーク等、ニューノーマルの業務改善が進められているがこの本のように根本的な業務改善がなされなければIT化は無用の長物になってしまう。
経営者は自社のボトルネックなどをしっかりと分析し、財務改善を実施。その中にハイテクをどう使うかを整理する必要があると確認できた本だった。 -
約20年前に話題になった、主に工場マネジメントを取り上げたビジネス書。改めて再読。
時代背景の古さは流石に否めず、モデルとして当初登場する工場の杜撰さは、コンピューターで管理している昨今、あまり標準的では無い気がするも、その問題解決のプロセスとしては物語形式で わかりやすい。
<企業の目的>
・純利益
・投資収益率
・キャッシュフローの3項目を同時に増やすこと
【3つの指標】
・ 『スループット』 ・・・販売を通じてお金を作り出す割合
・ 『在庫』 ・・・販売しようとする物を購入する為に投資したすべてのお金のこと
・ 『作業経費』 ・・・在庫をスループットに変えるために費やすお金のこと -
事業が低迷していることから売却を検討されている工場を、家庭不和を抱えた工場長が物理学者の先生と一緒に工場の生産性を上げて売却から逃れようとするというサクセスストーリー
小説を交えながら、工場の生産性向上についてわかりやすく理解を促してくれる。
ボトルネック、スループットなど製造業を理解するに必要なキーワードを無理なく理解できるようになる。
またボトルネックを理解すると、料理の作り方から会議まで段取り上手になれます。
必読の価値あり。