メルカトル

著者 :
  • 大和書房
3.59
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本棚登録 : 698
感想 : 109
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479650096

感想・レビュー・書評

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  • 地図収集館で働く青年リュスの周囲で次々と起こる不可思議な出来事―。長野まゆみの新しい魅力が煌めく、極上のロマンティック・ストーリー。

    BL以外の長野まゆみ作品も好き。どんな内容であっても、彼女の描く不思議でファンタジックな世界は健在です。

  • 始まりはどこになるんだ?まあ、いいか

  • なんだか久々に異国の、不思議ストーリーで
    でも甘いわけじゃなく


    前回読んだ『白いひつじ』もそうだったけど
    主人行にあれやこれや不思議な出来事が起きて
    そんで最後に仕掛人がタネ明かしでたくさん喋る


    なのでスッキリ終わるけどあまり残る感じもしないかも



    そしてまた、主人公の男の子がカッコヨカタネ〜
    何に対しても執着も無い感じが
    ボロを身につけていたって、かっこいいのが想像できます

    最初のほうで、この子泣いちゃうんだな、と判って
    そんで案の定泣かされちゃうところもかわいい


    劇中劇みたいに
    ドッキリ中ドッキリがあったんだね


    白身魚のすり身入りの卵プディングが美味しそうだった

  • 女優とかアイドルとか、この人にしてはちょっと俗っぽい作りが意外だった。
    もっと地図がストーリーに絡んだら面白かったかなあ。雰囲気はさすがの長野節ですが。ほんと、ジュネじゃない長野まゆみ作品がツボすぎる。

  • ◆あらすじ◆
    地図収集館で働く青年リュスの周囲で次々と起こる不可思議な出来事。
    長野まゆみの新しい魅力が煌めく、極上のロマンティック・ストーリー。

    「地図収集館」というのに惹かれ
    「長野まゆみの新しい魅力」に後ずさりしていて
    なかなか手を出せずにいた本です。

    結果、軽く推理小説っぽい展開。
    読んでて薄々わかるんだけど、読後にこの話から
    「あーそういう話なんだー」以外何も残らなかった(´v`;)
    そしてこれまた主人公の「来歴不明」ネタでした。

    あと「極上のロマンティック・ストーリー」でもなかった。

  • リュス、エルヴィラ、ダナエ、ミロル、トゥランプ・シュガースプーン。チョコレートの箱、冷めたプディング、地図収集館、蝋けつ染めのTシャツ、風の薔薇。言葉だけでわくわくする。
    長野さん書く男女ものが私はとても好きだ。さらりとしていて。

  • 幻想と現実が交差する少し暖かく静かな物語。

    長野まゆみの世界観は好きだ。
    現実とファンタジーの比率がちょうどよい。
    夢心地になりながらも魅力ある登場人物たちのおかげで、味のある素敵な物語に仕上がっている。

    物語の主人公は美しい顔立ちを持ちながらもだて眼鏡をかけ、言動も感情も冷ややかで現実的な少年リュス。
    そのリュスが勤めるのがミロナの町にある地図収集館。

    長野まゆみが文章で描く建物や街並みは美しいという印象が残る。

    そしてリュスを取り巻く様々な魅力を持つ登場人物たち。
    そして登場人物たちはどれも優しい雰囲気を纏う。

    リュスはこの物語で自分自身の大きな真実を終盤知ることになる。
    言葉や文章が巧みで伏線に気付いても、それは前置きでさらに伏線があることに気付かない。
    最後の最後でしてやられた感があっても暖かい気持ちになるのは、この物語が纏う不思議な世界観と長野まゆみの魅せる文章の力なのだと思う。

  • 面白かった!
    長野さんはもっと男女ラブを書くべき…っ

  • 孤児院育ち、十七歳の青年リュスは職場の地図収集館で不思議な出来事に巻き込まれる。ちょっと古い匂いのするヨーロッパ調の世界とそこで出会う様々な人々。一つ一つの出会いやつながりがやがて大きな一本の道標となり、リュスを照らしていく。

    文章に漂う表現しがたい空気感が心地いい。

  • 相変わらずかわいそうな主人公の少年がかわいい。近年の長野作品の主人公は、自分で料理を作る。慎ましい。無意識のうちに作中泣く(not泣き虫)。孤児。という共通点があるような。
    まあ、でも何度繰り返されようとも私はこれが大好きなのだし長野さんの作品の魅力なのだから、良いのです。
    そしてこれはめずらしく少女が出てくる。
    ルゥルゥという名前はかわいいのだけど、性格はあんまり好きになれず。
    それよりもこちらもここ近年繰り返される母と少年のかなり近い関係性が
    何ともいえない、うらやましいような気持ちになりました。
    白身魚のプリンも美味しそう。
    慎ましく相応に生きれば穏やかに生きてゆくことが出来ると信じる
    少年のおとぎばなしを(最後は学費も家族も恋人も手に入るのだもの)
    良かったねえ!と思いつつ、そのかわいそうな過程も愛しむ、本であります。

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著者プロフィール

長野まゆみ(ながの・まゆみ)東京都生まれ。一九八八年「少年アリス」で第25回文藝賞を受賞しデビュー。二〇一五年『冥途あり』で第四三回泉鏡花文学賞、第六八回野間文芸賞を受賞。『野ばら』『天体議会』『新世界』『テレヴィジョン・シティ』『超少年』『野川』『デカルコマニア』『チマチマ記』『45°ここだけの話』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『銀河の通信所』『カムパネルラ版 銀河鉄道の夜』「左近の桜」シリーズなど著書多数。


「2022年 『ゴッホの犬と耳とひまわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

長野まゆみの作品

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