アーサー王の死 (ちくま文庫 ち 1-1 中世文学集 1)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (473ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480020758

感想・レビュー・書評

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  • ドン・キホーテ二巻(https://booklog.jp/item/1/4003272129)に、「ドン・キホーテが想い姫ドゥルシネーア姫を慕うがあまり狂気に陥ったという芝居をする。そのために下半身脱いでシャツだけになって狂態を演じる」という場面がある。
    これを読みながら思い出したのが、yamaituさんの『アーサー王の死』のレビュー。「グウィネヴィア王妃につれなくされたランスロット卿が発狂し、下半身裸でシャツ一枚(この時代、シャツは下着ですよね)で各地をうろついた」って書いてあったよね。
    『ドン・キホーテ』の流れで騎士道物語も読みたいと思っていたので、さっそく読んでみた(^^)

    本書は、イングランドの騎士トマス・マロリーがアーサー王伝説を『アーサー王の死』として書いたものを印刷業者キャクストンが出版したもから、抄訳して1冊にしたもの。
    もともとマロリー版が一つの物語というよりも、アーサー王や騎士たちの騎士道ロマンスを別個のものとして書いたようだ。そのため死んだはずの人物が後に出てきたり、同じ人物でも性格が違っている。
    それをさらに抄訳しているため、章によって話が飛んでいるし、人物や出来事の矛盾も見られる。なんというか、「原作は紛失している物語の二次創作ばっかりたくさん読んだ」みたいな印象です。

    本書を読んで当時の風習はこんなもんなのかなあと思ったことを記載してみます。
    ❐魔法など
     「ドン・キホーテ」がやたらに魔法魔法言っているのですが、本書でも人知を超えた魔法魔術が出てきて、ドン・キホーテが言うところがなんとなく分かった。
     怪我や病気には、イエス・キリストの血を入れた聖杯をかざしたり、よく効く塗り薬で治っている。「ドン・キホーテ」も真似して作ろうとして、えっらくマズイ混ぜ物をつくってましたね 笑
     予言者や魔術を使う者もいる。
     夢のお告げを大切にする。
     聖人のご加護で特別な力を与えられている者もいる。
     謎の獣「探究のけもの」と、それを追い続ける「追跡者の王」もいる。魔法の獣って、「ドン・キホーテ」が、風車や羊をそうだと思い込んだ獣ではないか!!

    ❐騎士とは
     騎士同士で出会ったらとりあえず決闘している。この本でも出会っては挑みかかってばっかりです 笑
    そしてその出会い頭の決闘や、馬上試合は命懸けであり、徳の高い騎士であっても命を落とす。
     
    ❐騎士たちの評価
    ・アーサー王:
     ブリテン列王記に名前がある。
     ケルトの将軍でアングロ・サクソン民族と戦い敗走させていた。年月が流れケルト民族がブリテンを追われたときに、いつかアーサーが蘇ってアングロ・サクソンを敗走させブリテンを取り返してくれるだとうという希望となったらしい。
     次第にケルト民族だけでなくイングランド全体の伝説となったため、キリスト教徒として理想の君主ということになったらしい。yamaitsuさんもレビューで書かれている通り、民族の宗教から強引にキリスト教を組み合わせたため色々と矛盾が見られる(^_^;)
     なお、「王」とは領主のようなものなのか、アーサー以外にもたくさんいる。他の王や騎士たちにとってはアーサー王は「自分たちのリーダーだが、自分と同じ王」という扱いなのかなと思った(戦国時代の武田家のようなものか?)。
    ・アーサー王の円卓の騎士:
     アーサー王が、立派な騎士の間で序列を作らないために円卓につかせた(上座下座を作らなかった)といわれる。全盛期は150人くらいいたようで、お互いに面識がない場合も多いようだ。二人の騎士が出会って決闘して二人とも瀕死になり名乗りあって「あなたも円卓の騎士だったのか!」とわかったり。
    ・ラーンスロット卿:
     本書後半はほとんど主人公。一番有名な騎士ですね。
     全イングランドで「立派な騎士」として名高いが、しかしこの本を読んだ感じではあまり感じられない(;^_^ 読者としては、ラーンスロット自身の行いのせいで大戦争が起こっているので「当事者の悲劇は他人の喜劇」って感じがするんですよね。
     ある騎士が魔法の部屋で幻獣による予知夢?を見たときに、魔法使いから「あなたの親戚のラーンスロット卿にここで見たことをお話しなさい。この世のどの騎士よりもラーンスロット卿にふさわしい出来事であるが、あの方はたいそう罪深いから神聖な行為を成し遂げることはできない。ラーンスロット卿は世俗的な冒険にかけては人格でも武勇でも大変優れているが、宗教上の事になるとそうでもない」と言われる始末。
     宗教上の事って、やっぱりキリスト教にとってはグウィネヴィア王妃との関係は「不義・不倫」ですか?(^^;)
     「湖の騎士」と呼ばれる。領土が湖の地域だったのか??
    ・ガウェイン卿:
     アーサーの同母姉のモルゴースと、ロッド王の間の息子。アーサー王にとっては(姉の息子だから)甥になる。そのためかアーサー王への発言力も強く、出番は割と多く、戦いもそれなりに強いようだ。
     しかしいまいち締まらないというか…。
     悪い魔法使いに閉じ込められた乙女救出に失敗しとか、決闘で負けて馬車にくくりつけられたことがあるとか、林檎が大好きということが知られていて敵に毒を仕込まれたとか、ラーンスロット卿との一騎打ちでも勝ったことなく、終盤の大戦争はほぼほぼガウェイン卿の拘りのせい。
    ・パーシヴァル卿:
     最初の章で「探究のけもの」を追跡していたペレス王の息子。「円卓の騎士のなかでも一番徳が高い騎士」と書かれている反面、「騎士に取り立てられたときはとてもじゃないが立派な騎士になれそうになかった」「兄弟と不実な別れ方をした」ともいわれる。
    ・トリストラム卿
      『トリスタンとイゾルデ』の悲恋で有名な騎士。残念ながら本書では名前だけしか出てこない。徳が高い徳が高いと褒め称えられている。

    ❐告訴、裁判
     どうやら裁判というものは、誰かが誰かを正式に告訴するということらしい。告訴されたら、王だろうが平民だろうが、情状酌量はない。判決は、告訴人と、被告訴人が決闘をして決まる。被告訴人が戦えない(女子供など?)場合は代理の騎士が名乗り出て戦う。被告訴人のために戦う騎士が名乗り出ない場合または名乗り出ても決闘で負けた場合は、被告訴人は火刑に処せられる。
     本書でも、グウィネヴィア王妃が告訴されて、ラーンスロット卿が決闘するということが多々あるが、これは当事者である夫のアーサー王は告訴されたグウィネヴィア妃を助けたり決闘することはできなかった。
     裁判の結果が、戦いに強いほうが勝つことだなんて現在感覚だとひでーーーーと思うんだが、おそらく強い・勝つということは、神のご加護があるということ、正しいということなんだろう。

    ❐騎士が慕う姫・王妃
     「ドン・キホーテ」も言っているんだが騎士には想い姫が必須だった。本書でも、ラーンスロット卿がアーサー王の妃グウィネヴィアを恋い慕っている。
     上記「告訴、裁判」でも書いたとおり、女性は自分が告訴された場合に戦ってくれるとても強い騎士が必要だった。また、アーサー王対ラーンスロット卿&グウィネヴィア王妃の戦争のときには「ラーンスロット卿のため、または王妃のために」と、戦争の時に味方になる騎士も多かった。
     どうやら女性はお気に入りの騎士を作り、自分に夢中にさせ、命を懸けさせることが自分の名誉であり、生き残る方法であったようだ。これは夫も公認、というかおそらく自分の妻に騎士がいないなんて魅力がないくらいの感じだったのかな。

    ❐結婚、愛人、出産のこと(ーー)?
     本書では、王や騎士が姫に子供を産ませたり、他の王の妃と同衾したり子供を産ませたりしている。
     いわゆる「通い婚」というか、身分の高い男は子供を認知さえすれば全国のあっちこっちに子供がいて立派に成長したら取り立てるというシステムなのかなと思うが、夫が生きている人妻に自分の子供を産ませるのも問題ないのか?同盟とは、相手の妻と寝てよいということで、子供は双方が育てるみたいなお約束??(ーー)??

    ❐では不義って(ーー)?
     ラーンスロット卿はグウィネヴィア王妃をただ敬愛する女性としてではなく、恋して慕っている。そしてグウィネヴィアとラーンスロット卿は体の関係があり、ほぼ公然の秘密だったようだ。しかしラーンスロット卿を陥れようとする騎士たちに寝所の現場を押さられてグウィネヴィア王妃は「夫であるアーサー王を裏切った不義の王妃」と告訴されることになる。
     敬愛する女性とお気に入りの騎士は必須だが、実際に関係を持ってはいけない。しかし実質は、寝ちゃっても告訴さえされなければ「不義・不倫」にはらなないってこと(ーー)??

    ❐こちらの本のこと
     本書は抄訳ということもあり起きたことを淡々と述べている。そして別個の伝説の寄せ集めのため、登場人物や出来事に矛盾がある。そのためある意味没個性で、命のやり取りもある意味軽い。
     しかしそんな書き方のため、騎士の大冒険や大戦争は人間の普遍性に訴えるというか、読者が自分の想像を膨らませられるようになっている。
     私は中盤では「同じことの繰り返しじゃないか!」と思ったんだが、終盤の大戦争や人間の苦しみは淡々としたり矛盾があるからこそ楽しめた。

    以下、章ごとのお話。

    【アーサー王の誕生と即位】
     イングランド全土の王ウーゼル・ペンドラゴンは、自分に歯向かうティンタジェル公の奥方イグレーヌと同衾したい★と思った。怒ったティンタジェル公はウーゼル王に戦を仕掛ける。ウーゼル王は予言者で魔術師のマーリンによりティンタジェル公の姿に変わり、貞淑で気の強いイグレーヌの寝室に潜り込んだ。
     そこで出来た子供が後のアーサー王。

     戦はウーゼル王が勝利し、和睦の証としてイグレーヌはウーゼル王の后となる。
     やがて生まれた男児は、マーリンの言葉に従い、忠臣エクトル卿により育てられる。
     何年もたち、ウーゼル王は亡くなり、イングランドは覇権争いで荒れた。キャンタベリ大司教はマーリンの助言に従い「聖壇の大石に刺さっている剣を抜けた者こそが、キリストのお示しになる全イングランドの王である」と宣言する。
    何人もの王侯貴族や騎士たちが挑戦するが誰も抜けない。そこにやってきたのが、この時は自分の生まれを知らないアーサー。たまたま剣が必要だったところ聖壇の大石に手頃な剣がぶっ刺さっているではないか!と、あっさり抜くw
    ここで「あなたは実はウーゼル王のご子息です」と明かされ、イングランドの王位に就く。
     しかし納得いかない者も多い。「こんな身元も不確かな若造なんかに従えるか」と、十一人の王たちは、アーサーに対して戦を挑む。

     …私勘違いしていました!てっきりこの時抜いた剣が「エクスカリバー」なのだと思い込んでいました!しかしこの時の剣には名前はなく、「エクスカリバー」とは、この後にアーサー王が湖の姫からもらったもののことだって!

     この章の後半は、アーサー王の軍と、十一人の王たちの軍による戦争描写。
     どうやらこのころにアーサー王はグウィネヴィア姫に出会い、結婚したようだ。

     …この章ですでに結婚や出産の習わしがよくわからん(-_-;)
    ウーゼル王は人妻であるイグレーヌに堂々と「同衾しましょう」と誘っているようだ。当時としては別に構わなかったの??また、アーサー王もグウィネヴィアと結婚前に伯爵の娘のリオノルスとの間にボールという息子を、さらにロット王の妃モルゴースとの間にモルドレッドを産ませている。
    いわゆる「通い婚」というか、伯爵令嬢とのロマンスは身分の高い男は子供を認知さえすれば全国のあっちこっちに子供がいて立派に成長したら取り立てるというシステムなのかなと思うが、夫が生きている人妻に自分の子供を産ませるのも問題ないのか?同盟とは、相手の妻と寝てよいということで、子供は双方が育てるみたいなお約束??(ーー)??

     そして、ロット王妃モルゴースの両親はティンタジェル公とイグレーヌのため、アーサーとモルゴースは母が同じ姉弟。そのためアーサーはキリストの罰を受けて、このときの子供モルドレッドにより王国と命を奪われる運命を背負いこむ。
    そしてアーサー王はマーリンの予言で「五月一日生まれのものがアーサー王を滅ぼす」と聞き、国中の五月一日生まれの子供を集めて殺してしまったんだそうだ。しかし肝心のモルドレッドはこの殺戮から逃げ延びた。

     えーっと、アーサー王が王位に就いたときに「自分の生まれを知った」という記述と、そのあとの「モルゴースが自分の姉と知らなかった」「母のイグレーヌを招き、自分の父は誰だと聞いた」の記述に矛盾があり…。(ーー;)
     また「自分を殺すのはモルドレッド」とわかってるなら彼だけ殺しなよ、なぜ五月一日生まれ全員殺す…(-_-;) まあこれも「モルドレッドの事を知っていた伝説・知らなかった伝説」両方があることによる矛盾なんだろう。

    【ローマ皇帝ルーシヤスを制服】
     いつの間にかグウィネヴィアが王妃になっていた。そしていつの間にか「円卓の騎士」制度が出来上がっていた。さらにいつの間にかラーンスロット卿がグウィネヴィア妃を恋い慕っていた。

     アーサー王はローマ共和国のルーシヤス皇帝からの貢物と臣下に下れという要求を破り捨てて、ローマに兵を進める。
    色々ありまして戦いには大勝利。破れたローマは、「地上のいかなる王も比較にならないほど優れて気高い征服者であるアーサー王とその円卓の騎士たちには戦を仕掛けるまいと思った」。
     そしてローマの枢機卿たちは、アーサー王をローマの統治者として認めて皇帝即位式を挙げた、つまりアーサー王はローマ皇帝になったのだ!
     …ええーーアーサー王ってローマ皇帝だったの??(@@)

     この章は、最初の章よりも魔法的要素が多い。アーサー王が極悪乱暴な巨人を倒したとか、大怪我した騎士が聖なる河の水を塗ったらすぐに直ったとか。

    【ラーンスロット卿とガラハッド卿】
     この章は「さてトリストラム卿の話はこれまでにして、今度は『湖のラーンスロット卿』と息子ガラハッド卿のことをお話ししよう」で始まるんだが…トリストラム卿とマルク王の妃イズーとの話も知りたかったよー。いわゆる『トリスタンとイゾルデ』という題名でしか知らないんです…。

     さて、この章以降はアーサー王よりもラーンスロット卿が話の中心となる。やってることは同じ、要するにアーサー王の妃グウィネヴィアと痴話喧嘩が国を巻き込むってっことを繰り返すんである。

     ある時期ラーンスロット卿はペレス王の城に滞在していた。ペレス王の娘のエレイン姫はラーンスロット卿を熱烈に愛し、ペレス王も「娘よ、ご立派な騎士であるラーンスロット卿の子供を産むのだ」とけしかける。エレイン姫の側近の魔術使いプリーセンは、ラーンスロット卿がエレイン姫をグウィネヴィア妃に見える魔法をかける。大喜びでベッドに入るラーンスロット卿。翌朝自分の隣にいる裸の乙女がグウィネヴィア妃ではないと気が付きショック!!しかしこの時エレイン姫は妊娠し、生まれた男児は後にガラハッド卿として立派な騎士になる。

     しかしグウィネヴィア妃は、ラーンスロット卿がエレイン姫との間に子供を為したことを酷く攻め立てる。ラーンスロット卿の「魔法を掛けられたんです…」の言葉により一度は仲直りした二人だが、その後ラーンスロット卿がまた魔法によりエレイン姫と同衾したからグウィネヴィア妃はさらに大!激!怒!ラーンスロット卿を激しく罵り国から追い出す。
    大ショックに自失呆然のラーンスロット卿は発狂してしまい、エレイン姫のベッドからシャツ一枚で窓から飛び降りて行方不明に!!
     おお!これだ!「ドン・キホーテ」で姫を思って下半身裸で狂乱するのが正しい騎士の在り様ってやつ!(≧▽≦)

     この後のグウィネヴィア妃とエレイン姫の「あの方は気が狂ってしまわれました」「気が狂って」「気が狂って」のやり取りをするんだが、読者としては「当事者の悲劇は読者の喜劇」とむしろ笑えてしまって ^^;
     グウィネヴィア妃とラーンスロット卿の不倫はどこまで知られていて、どこまで認められていたんだろう?アーサー王は「ラーンスロット卿はエレイン姫に恋焦がれて気が狂ってしまったらしいな」と、本当に分かっていないのか、すっとぼけているのか。しかしラーンスロット卿の親族はみな知っているし、どうやら円卓の騎士たちも知っている様子。騎士にとって「想い姫」が必須であり、同盟者の妻なら寝てもよいなら…この二人の関係は別に不倫ではないのか??

     そして「一番立派な騎士である湖のラーンスロット卿」を取り戻すために、円卓の騎士たちは「裸でシャツだけを身にまとった(この時代シャツは下着)、剣を手にした男」をイングランド中を探し回るんである…^^;

    【ラーンスロット卿の狂気】
     前の章でイングランド中を放浪した半裸のラーンスロット卿の苦難(笑)の日々と、正気を取り戻してアーサー王とグウィネヴィア妃のもとに帰るまでのお話。
     なお、ラーンスロット卿は途中では「ズボンとシャツ姿で剣を持つ狂人」になっていた。さすがにどこかでズボンは手に入れたらしい。(^▽^;)

    【ラーンスロット卿と王妃】
     「さて、聖杯の探究がめでたく終わったので…」で始まるこの章。
     ええーアーサー王といえば「剣を抜いた」「円卓の騎士」「聖杯探し」じゃないか、この話もっと詳しく読みたかったよ。

     そして始まる話は、またしてもグウィネヴィア妃とラーンスロット卿の痴話喧嘩なのである。それならやっぱり聖杯探しの方が知りたい…。

     グウィネヴィア妃は、ラーンスロット卿が他の女たちの頼みを聞いている様子に腹を立てて城から追い出す。ところがその後開いた祝宴である騎士が毒殺されたため、その場にいた騎士たちはグウィネヴィア妃を殺人者として告訴する。
    この当時は、王だろうが平民だろうが、正式な裁きに情状酌量は一切なかったとのこと。つまりアーサー王であっても、殺人者として告訴されたグウィネヴィア妃を助けることはできなかった。アーサー王は「自分たちのリーダーだが、自分と同じ王」という扱いだったのだ(戦国時代の武田家のようなものか?)。
     裁判は、告訴人と、被告訴人が決闘をして決めるというもの。被告訴人が戦えない(女子供など?)場合は代理の騎士が名乗り出て戦う。被告訴人のために戦う騎士が名乗り出ない場合または名乗り出ても決闘で負けた場合は、被告訴人は火刑に処せられる。

     これはもう、颯爽とラーンスロット卿が現れる前振りですね。
     こうして颯爽と現れたラーンスロット卿が告訴人を倒し、本当の殺人者もわかり、アーサー王はラーンスロット卿を賞賛し、グウィネヴィア妃はラーンスロット卿に惚れ直すのでありました、ちゃんちゃん。

     この章の後半は、アーサー王が開いた馬上試合の様子。試合と言っても命懸けの殺し合い。

    【グウィネヴィア王妃とラーンスロット卿】
     グウィネヴィア王妃を崇拝するメリアグランスという騎士が、王妃を誘拐する。お約束のように助けに来るラーンスロット卿。しかしこの二人がメリアグランスの館でコトに及んだためメリアグランスに寝室に乗り込まれて告訴される。再度、お約束のように助け出すラーンスロット卿。
     これって格好良いんだろうけどさ、元々がラーンスロット卿が敵の館で性欲だしたからじゃん、自業自得じゃん。しかしグウィネヴィア王妃とヤってることは認めてはいけない(認めたら不義として死罪)のため、大演説で格好良く大嘘をつく〜!

     次のお話はある国の瀕死のウルリー騎士のお話。「世界一立派な騎士により癒やされる」の予言を受けてキリスト教徒の国を回っている。アーサー王は、自分と円卓の騎士たちにウルリー騎士に触れさせる。
    …はい、いつものパターンです。ラーンスロット卿が触った途端にウルリー卿の怪我は全快し、ラーンスロット卿は改めて世界一立派な騎士と認められたのでしたーー。

    【最後の戦い】
     世界一立派な騎士のラーンスロット卿だが敵も多かった。そんなアグラウェイン卿(ガヴェイン卿の弟)と、モルドレット卿(アーサー王と姉モンゴースの間の息子)は、グウィネヴィア王妃とラーンスロット卿が寝室でしけ込んでる現場に踏み込んで、グウィネヴィア王妃を不義として訴える。
     まあいつもの通り格好良く大嘘をつくラーンスロット卿なんだが…今回はいろいろと話が拗れてしまった。その結果、アーサー王とガヴェイン卿の軍隊と、ラーンスロット卿とグウィネヴィア王妃の軍隊とで大戦争が起こる。崇高な団結で結ばれた(読んでいるとそうとも思えんのだが^^;)円卓の騎士も二分されてしまう。
     本来は、アーサー王とラーンスロット卿はお互いを尊敬しあい、大切に思い合い、戦争などしたくなかったのだが、戦争とは個人の好き嫌いだけではどうにもならんところまで行くんである。
     ラーンスロット卿と味方の騎士たちはフランスに移り、アーサー王とガヴェイン卿は彼らを討ち果たすために海を渡る。

    【アーサー王の死】
     フランスに遠征するアーサー王は、イングランドをモルドレット卿に任せていた。しかし王位を狙うモルドレット卿はアーサー王に対して反乱を起こす。アーサー王とガヴェイン卿はイングランドに戻る。イングランドは二分された。あれほど慕われていたはずのアーサー王だが、留守にしている間に人々はモルドレットが王だということに慣れてしまったのだ。
     ガヴェイン卿は、ラーンスロット卿に和解の手紙を出し戦死する。ラーンスロット卿はアーサー王を助けにイングランドに戻るが、すでにアーサー王も重症を追っていたのだ。アーサー王は、乙女たちの操る小舟に乗り「妖精の国」へと旅立つ、そう、誇り高きアーサー王はこの世での命を終えたのだ。
     グウィネヴィア王妃は修道院に入り、ラーンスロット卿へも別れを告げる。
     ラーンスロット卿は、騎士としてのすべてを捨て僧侶になり、苦行を積み、アーサー王とグウィネヴィア王妃の墓前で息絶えた…。

    • 淳水堂さん
      pinoko003さん
      こちらにもありがとうございます。
      かなりふざけたレビューになってしまってますが^^;
      アーサー王伝説は、映画と...
      pinoko003さん
      こちらにもありがとうございます。
      かなりふざけたレビューになってしまってますが^^;
      アーサー王伝説は、映画とか一部のエピソードしか知らずにこれを読んだので「不倫ばっかりじゃないか!」と思ったんですよ^^;

      「トリスタンとイゾルデ」と、「聖杯探し」のことも読んでみたいのですが、pinoko003さんはなにかお勧めの本ありましたら教えてくださいm(_ _)m
      2023/09/20
    • pinoko003さん
      読書家の淳水堂さんにおすすめできる力量はありませんが、セルバンテス以前の騎士物語などやはりマロリーの「アーサー王の死」だと思います。完訳抄訳...
      読書家の淳水堂さんにおすすめできる力量はありませんが、セルバンテス以前の騎士物語などやはりマロリーの「アーサー王の死」だと思います。完訳抄訳いろいろ出ているので読み比べられては?完訳は冗漫になってしまっているらしいですが。マロリーより古いとなると「ブリテン列王伝」。
      かなりシンプルなアーサー王物語になってるそうです.(未読)
      ざっくりアーサー王伝説を知りたいのであればブルフィンチの「中世騎士物語」。私は野上弥生子訳で読みましたが新訳が出ています。
      ブルフィンチはパブリックドメインに入っているのでグーテンベルグに収録され原文は公開されているのでそこからchatGTPで日本語訳して読んでもいいかもしれません。聖杯伝説とトリスタン、パルチヴァルの物語は途中からアーサー王伝説に組み込まれていったようですね。
      「アーサー王の死」はオスカー・ワイルドの「サロメ」のイラストで有名なビアズリーが挿絵を描いています。ぜひビアズリー挿絵付きで読んでいただけたら。現在キンドルのみ?ビアズリーにしては毒がなく流麗なイラストになってます。
      私はトリスタン物はベディエの「トリスタンとイズー物語」で読んだとおもいます。トリスタンやパルチヴァルはワーグナーの楽劇にもなっており、騎士物語は西洋芸術の源泉になっていて展開を追うのも面白いです。
      2023/09/24
    • 淳水堂さん
      pinoko003さん

      ご丁寧にありがとうございます〜ヽ(=´▽`=)ノ

      まずは図書館にブルフィンチ『中世騎士物語』があったのでここから...
      pinoko003さん

      ご丁寧にありがとうございます〜ヽ(=´▽`=)ノ

      まずは図書館にブルフィンチ『中世騎士物語』があったのでここから読んでみます。

      トリスタンとイズーは読んだことはないのですが、オペラの「愛の死」の曲は聞いたことがあり、素敵な曲だなあと思ってました。

      ピアズリー挿絵「アーサー王物語」も図書館にあるようですが、全5巻なのでちょっと後かな^^;

      〉騎士物語は西洋芸術の源泉
      そうなんですよね!聖書、シェイクスピアは西洋絵画をみるならある程度知っていたほうがわかりやすいと思っていますが、騎士道もそうなんですよね。今回ドン・キホーテとかティランを読んでみて、キリスト教の考え方も感じられました。

      ありがとうございます!
      2023/09/25
  • 神話からケルト再読キャンペーンの流れでアーサー王も再読。昔読んだときはもうちょっと騎士道英雄譚&ロマンスとして楽しめた気がするのだけど、年をとって改めて読み直すと、なにこれコント?という部分が多々あり違う意味で面白かったです。

    抄訳ということで、アーサー王の誕生から即位のあたりは序盤でさくっと、残りはほとんどランスロットとグウィネヴィアのゲス不倫ですったもんだ!みんな大迷惑!という昼メロみたいな話(苦笑)もともとの伝承を物語化する過程でキリスト教が入り込んだせいで、ゲス不倫横行してるのにみんな敬虔なキリスト教信者という矛盾も横行。ひどい。

    ランスロットはただのゲス男。恩人である王(主君)の奥さんとさんざん不倫しておきながら、ばれたらまるで濡れ衣を着せられた被害者のような言動、自分の非は一切認めず、アーサー王にむかって「今までさんざんピンチを救ってあげたのに疑うなんて恩を仇で返す気か」とまでのたまう、まさに「盗人猛々しい」という言葉がぴったり。恩を仇で返してるのはお前や!と心の中でツッコミ。

    一方寝取られ男のアーサー王自身も、美しい妻がいながらあっちこっちで浮気を繰り返し、あげく自分の異父姉とW不倫。その近親相姦のはて生まれた子供に結果的に殺されるというのも自業自得感。ランスロットに対しては「自分の妻とデキてるのが明白なのに、営業成績ナンバー1の部下をクビにできない中小企業の社長」なみのヘタレっぷりで、とても英雄とは思えない。

    グウィネヴィアはグウィネヴィアで、アーサー王という世間一般的には立派な夫を持ちながら、その忠臣と浮気三昧、ランスロットがちょっとでも他の女性と仲良くすると「この裏切り者!あんたの顔なんか見たくないわ!この国から出て行って!キー!」とヒステリー。で、いざランスロットが去るとトラブルに巻き込まれて助けを求めざるをえず「やっぱりあなただけよハニー」、しばらくするとまたランスロの浮気発覚「あんたなんか出ていって!キー!」の繰り返し。お約束の忠実さはもはやダチョウ倶楽部。

    ランスロットはそのたび律儀にショックを受け気絶するなどし(わりと頻繁にみんな気絶する)、一番ひどかったときはショックのあまり発狂して、パンツをはかずにシャツ一枚で窓から飛び出し2年間彷徨。おかげで他の騎士たちは「シャツしか着てない裸の男」を探して全国を捜索するはめに。もはやちょっとした変質者。

    さらにあるときは、王妃を守るために怪我を負った10人の騎士を王妃自ら看病している部屋へ夜這いをかけ朝までしっぽり、本人はとっとと逃げ出すも翌朝になって怪我人10人の誰かが王妃と寝たのではないかと冤罪被害に。これに対して真実を名乗り出るどころか「王妃と10人の騎士の無実を晴らすために私が戦おう!彼らの無実は私が証明する!」でしょうね、あんたが真犯人ですもんね。

    そういうわけで、なぜかちょいちょい笑いを堪えながら読みました。おかしいな、アーサー王ってこんな話だったっけな・・・

    • 淳水堂さん
      yamaitsuさんこんばんは

      『ドン・キホーテ』を読んでyamaitsuさんのこちらのレビューを思い出し、私も読みました(^^)
      ...
      yamaitsuさんこんばんは

      『ドン・キホーテ』を読んでyamaitsuさんのこちらのレビューを思い出し、私も読みました(^^)

      いやあ、本当にコントですね(^_^;)
      収録されているお話の殆どがグウィネヴィア王妃とラーンスロット卿の不倫のせいですったもんだ話、もうちょっといろんな話も読みたかったかな。
      そしてyamaitsuさんも書かれている通り、キリスト教概念を組み合わせたおかげで色々と矛盾が(^_^;)
      「原作が紛失して、二次創作ばっかり読んだ」ような感じで読みました(^。^)

      そしてyamaitsuさんも『ドン・キホーテ』読んでみてください!騎士道物語知っていると楽しさ数倍。
      とくに岩波版二巻の25章は、「騎士ドン・キホーテは想い姫を慕うあまりに気が狂ってしまった」という設定にして、シャツだけになり下半身丸出しで奇行する場面があります。まさにラーンスロット卿!セルバンテスはこれをヒントにしたのかと考えてしまった!(≧▽≦)
      なお『ドン・キホーテ』では「ランスロ」としてたまに名前だけ出てきてますー。
      2023/03/12
    • yamaitsuさん
      淳水堂さん、こんにちはー(^^♪
      私のふざけたレビューのことを覚えていてくださってありがとうございます(笑)
      いやーもうこの本、つっこみ...
      淳水堂さん、こんにちはー(^^♪
      私のふざけたレビューのことを覚えていてくださってありがとうございます(笑)
      いやーもうこの本、つっこみどころ満載でしたよね!

      「原作が紛失して、二次創作ばっかり読んだ」ような感じ、なるほど!確かにある意味こういう伝承って二次創作みたいなものですよね。書き手の主観と好きなカップリングで歪められてる(笑)読めるものなら原作=原典を読んでみたいですね。

      『ドン・キホーテ』、読みたいと思いつつまだ読めていない長編のひとつです。淳水堂さん、プルーストも読まれたんですね!すごい!私もまたそろそろ名作長編に挑戦しようかしら。
      2023/03/15
  • トマス・マロリーによる『アーサー王の死』キャクストン版の抄訳。
    そう、抄訳。それが残念。
    (なお、ウィンチェスター版の完訳が青山社から今上下巻で出ているようなのだが、あわせて1万円ほどする。こ、これは厳しい)

    アーサー王伝説というと、きらびやかで騎士道の華で、勇敢な騎士たちが、アーサー王の他に、ランスロット卿、トリストラム卿、ガウェイン卿などなど、輩出しており、アーサー王伝説のファンであるという人には、大抵ご贔屓の騎士がいるものかと思う。

    前述のとおりこれは抄訳なので、
    トリストラム卿の話は全て割愛されている!
    パーシヴァル卿の話は全て割愛されている!
    ガウェイン卿の冒険は全て割愛されている!
    ガレス卿の冒険は全て割愛されている!
    聖杯探索は全て割愛されている!

    要するに、これはアーサー王とランスロット卿及びグウィネヴィア王妃の部分のみまとめたものと言って良いだろう。

    しかし、それだけに、アーサー王の生涯についてはスッキリとまとまっており、わかりやすいと言えなくもない。
    また、アーサー王と複雑に絡み合うランスロット卿についてもおおむねこれに習う。
    (但しランスロット卿の生まれ育ちなどについてはここでは語られていない。最初から栄誉ある生え抜きの騎士として登場する)

    同時に、後世『アーサー王の死』を下敷きにして物語としてまとめられたものなどには、もっとエレガントなものがあるのだが(たとえば訳書でいえば、岩波の児童書に収録されているものなど)

    本書はそういった脚色は当然ないので、驚くほどワイルドであり、中世的な残酷さや、感情の迸りが露骨に描かれている。
    高貴なるアーサー王というイメージで読もうとすると、アーサーが王となってすぐ、どのような事件があって、どのような事をなしたかについては驚くほど……そう、ある意味では「人間的」なのだな、と感じる。
    彼は激しく戦闘した優秀な戦士であり、敵に対しては容赦ない男だったと描写されている。
    また、若い頃も、晩年も、全く賢明とは言えなかった。

    物語としてもっと美しいものは、他にいくらでもあるので、そちらを読んだ方が良い。
    それでも、アーサー王の物語の原点を知りたいと思った時は、やはりマロリーの『アーサー王の死』に限るのではないかと。

    末尾ながら、激しくツッコミしておきたいところが一点ある。
    作中何カ所か、「恐竜」と訳されているところがあるのだが、これ、おかしいだろ!
    恐竜というと、あれですよ、ジュラシック・パークのああいうのを連想するでしょうが。
    というか、同じ爬虫類(なのか?)というだけで、竜と恐竜は違うだろ。
    爬虫類だから、亀を蛇だとまとめちゃうのと変わらないぞ。
    竜です。ドラゴンです。恐竜ぢゃない!

  • アーサー王自体は影が薄いのね。

  • 円卓の騎士ということで、選ばれた騎士が敵を倒す
    騎士道と冒険ファンタジーの原点みたいなかんじ
    王の話というよりは騎士たちの話
    アーサー王自体滅茶苦茶強いし勇敢

  • ランスロット卿はアーサー王を敬愛していながら、その妻を心から愛し、長年愛人として付き合うという、不誠実と誠実を両立させているのが特殊である。これが全ての元凶であり、女性をめぐる争いは「イリアス」で描かれるトロイア戦争に通じるものがある。

    他にもランスロット卿がカッコ良いシーンが多いのだが、正体がわからない騎士が実はランスロット卿だったというイベントがある。これは『アイヴァンホー』やロビンフッドの伝説にも似たような話がある。

    アーサー王よりも、ランスロット卿のかっこよさが際立っている。個人的にはエレイン姫が健気で結ばれてほしいと思っていたのだが、エレイン姫恋は結ばれず、寂しい気持ちにはなった。

    さて、本書についてであるが、この『アーサー王の死』は「アーサー王伝説」をまとめた本であり、アーサー王の両親がアーサー王を授かり、彼が王になり、死ぬまでを綺麗にまとめたものである。

    しかし、アーサー王伝説は各所で様々な描かれ方をしており、どれが正解であるかはわかっていない。つまり、この本の説明が正解というわけではないのだが、この本はかなり有名らしく、数々の著名作家たちがこの本を参考にしたり、影響を受けたりしているとのことで、一旦非イギリス人の我々としてはこの本の情報を信じてみるのが良いのではないかと思う。

    新約聖書にも「マタイの福音書」「マルコの福音書」「ルカの福音書」「ヨハネの福音書」があり、どれもイエスの一生について言及しているのだが、微妙に内容が異なる。例えば私の場合はこの4つなら「マタイの福音書」を信じるのがしっくりくるため、これを元にしていることが多いのだが、アーサー王伝説のように、諸説あって何が正しいかわからない場合には、「自分にととって一番解釈が楽で覚えやすい」かどうかで選んで良いと思う。

    ※本書では、エクスカリバーはアーサー王が引っこ抜いた剣ではなく、湖の姫が与えてくれた剣がエクスカリバーだと訂正している。

  • 昔々、騎士や姫君のたくさんいた世界。
    姫君は騎士に憧れ、騎士は闘いに憧れてそれぞれ忙しくしていた頃の話。
    アーサー王伝説は子供の頃大好きだったけれど、大人になるとこの単純な人たちの物語を少し遠くから見られるようになって、昔のあこがれが薄れてしまって少しざんねん。
    キリスト教的価値観もしっかり刷り込まれているが、
    勇者たちが考えることの単純なことに、ほほえましくもおもえてしまう。
    昔々、通信手段もなく、テクノロジーもなく、自分の足や馬などで移動し、自分の手で手紙を書き自分の口で話し誓いあっていた時代。
    今よりずっと単純で不便そうな暮らしに少し憧れる。
    贅沢なあこがれとは思うけれど。
    この本ではアーサー王は墓所に葬られたことになっているが、私はアヴァロンへ行ってしまった信じたい。
    伝説や騎士物語、などが好きな方には一読をおすすめする。

  • アーサー王伝説、知ってはいるけどよく知らない、という代表作。次々と登場人物が変わっては「最強!」ってやられるので、すごく古いラノベ。しかもこれ、あちこちで話が付け加えられているらしい。僕の考えた最強のオリキャラを組み込んでラノベ化して…を繰り返しているんだな……なるほど……

  • 10日くらいかけてしまった。
    騎士道ロマンス初挑戦。
    アーサー王よりラーンスロットの物語のほうが割合高い感覚でした。
    やはり華やかに栄えている時に、小さな間違い、すなわち王妃とラーンスロットがはめられてアーサー王も判断を違えて、破滅に至ってしまうのだと感じた。
    盛者必衰。
    でもアーサー王生存説はわたしは否定派かな〜

  • 数学のオオブチ先生ご推薦。私も縁あって推薦します。クリスマスにふさわしく?西洋の香りもしそう。
    『忘れられた巨人』カズオ・イシグロや漱石の「幻影(まぼろし)の盾」「薤露行」にも中世の騎士物語が下敷きになっていると思います。この本はそういう本を読むときにもきっと役に立つことでしょう。(コアラ)

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