- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480022776
感想・レビュー・書評
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2012.01.04
2012年に入っておそらく最初に読了した本だと思われる。
アストゥリアスのグアテマラ伝説集を岩波で読んで、マジックリアリズムなど主要ラテンアメリカ文学は翻訳ではその良さが十分に伝わらないと実感した。一方で、こういう短編なら幾らか日本語でもそのアジアいが感じられるのではないかと思って本書を読んだ。その推測は外れていなかったと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
コロンビアの作家さんの幻想小説。
例えるなら安部公房的な?
「百年の孤独」と「予告された殺人の記録」も気になってます。 -
知人からの貰い物。『百年の孤独』作者の短編集。作者のスタイルや話の内容を飲み込むのに大分難渋した。みすぼらしい天使の話、海の底に眠る村と死体の話、ある美しい娘と祖母の話…これがマジカル・レアリズムかと思わせる不可思議な話ばかりだった。特に「この世でいちばん美しい水死人」の話が好きだった。そして全ての短編に海にまつわる描写がある点も自分の生まれ故郷を思い起こさせてくれ、読んでいてノスタルジックな感情が湧いた。私にはどうしても日本語訳の本というのは読みにくいようなので『百年の孤独』と『コレラの時代の愛』は是非英語訳で読んでみたい。
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「百年の孤独」を凝縮したような、そんな感じのお話で、面白く読みました。「海」とあの「熱さ(暑さではない)」あっての文学という感じ。表面的にクリスチャンになっても土着の迷信、信仰が優先されている人々。厚かましいのに繊細だったり、ムードに酔ってついつい現実の数倍にものごとを膨らませて語ってしまうような、ラテンアメリカの皆様の特徴がよくよく出ていたと思う。同じ南米でもアルゼンチンやパラグアイでは生まれそうもないお話。相変わらずグロテスクさもなぜか笑ってしまうようなおかしさになってしまうこの不思議。
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南米的な不可思議さに満ちた小説。
夢の描写みたいな感じをもった。もともとあった話を元にしている部分もあるそうだ。 -
「祖母が語った物語のように書く」というところから生まれた手法に驚きました。現実の生活に神話的な世界がすっかり溶け込んでます。マジックリアリズムに感動した初めての作品。
翼が生えた老人、海に沈んだ町、こういう世界観がファンタジーに引っ張られずに現実側に存在していること、これが簡単なようで難しいんだろうなと。書く技術と才能に裏打ちされたものがないと形無しになるんでしょうね。
短編の中では、「奇跡の行商人、善人のブラカマン」という話が特に好きでした。拷問を受けてるうちに苦行を積んだことになって、いきなり超能力が目覚めるって展開は思わず笑ってしまった。これは残酷なのか滑稽なのか。 -
無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語ってタイトルがすごい
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マジックリアリズムとは何ぞや。
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<不運と強権的祖母により、身をおとしていくエレンディラ・・・。表題作を始めとした短編集>
著者:ガルシア・マルケス
マルケスの残した短編集。
相変わらず、感情描写はないし、あっても一言。
淡々とした事実の描写で物語を紡いでいきます。
でもこの手法だと短編ではちょっと物足りないかな・・・。
まあ私が短編をあまり好きくないからかもしれませんが。
とりあえず、こうゆうものの積み重ねで「100年の孤独」が出来ていったんだなと。
<エレンディラ>に<ブラカマン>、あとは不細工な天使の話が特にお気に入り。