シェイクスピア全集 18 (ちくま文庫 し 10-18)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480033185

感想・レビュー・書評

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  • ハーマイオニーは結局生きていたのか?ちなみに「ハリーポッター」シリーズのハーマイオニーはこの「冬物語」から取られたそう

  • 冬物語―シェイクスピア全集〈18〉 (ちくま文庫)
    (和書)2009年10月05日 19:32
    W. シェイクスピア 筑摩書房 2009年1月7日


    理不尽な嫉妬によって引き起こされる。時間の流れの不可逆性・・その超越性としての命がけの飛躍が抉られているように感じた。

  • 劇中の経過した時間だけで言へば最もスケールの長い劇ではないだらうか。
    悲劇のやうな、喜劇のやうな、人間模様はふとしたことからどちらにも簡単に転びうる。自分の信じたことに従ふ。あるひは信じたひとのことばに従ふ。ふとした情報の行き違ひ。連絡ミス。さうした簡単なことでも人間の生き様は簡単に悲劇にも、そして喜劇にもなつてしまふ。
    晩年に近いこの作品は、さうした単純な悲劇も喜劇も書けなくなつてきた頃の作品だ。台本としてみる限りでは、仲のよかつた王ふたりに嫉妬の亀裂が入つてしまふところは確かに唐突な感じがするが、おそらく劇として見た時、ハーマイオニの演技如何にかなり依存する部分なのだらう。また、認証の使ひ方もかなり工夫して違ひを出してゐるところからも、たとへどんなに仲のよい過去があつたとしても、むしろ仲のよい過去があつたからこそ、嫉妬の炎が焼き尽くしたのではないだらうか。
    また、今回は道化の役回りが他作品と異なる感じがする。愚かさの中に、愚かさ故の真実を余すところなく発揮する道化ではなく、言はれるがまま振り回されるだけの道化といふのは初めてだつた。羊飼ひの息子としての設定がある以上、どのやうに、彼の服飾を作り上げるかはかなり悩ましいところではないだらうか。
    新潮文庫では出ていない作品を取り扱つてゐるちくま文庫版であるが、日本での公演記録だけでなく、作品の解説がもつと充実してゐれば…と思ふ。当時この劇がどのやうに受け容れられたのか。作品の下地となつた伝承や物語、台本による差異など、脚注だけでは非常に少ない。ボヘミアに海があることについて、どのやうにその地理的な矛盾を解消するのか。当時はそれでよくても、今同じ様に演出することは難しい。それをどのやうにして劇化していつたのか。もう少し掘り下げてほしいと感じてしまつた。

  • ロマンス劇に分類される作品。相変わらずのご都合主義だが、今作品の特徴は擬人化された「時」によって時が16年進められる方法と、最後まで読者、観客にまで知らされないある事実のその提示の仕方にあるだろう。改めて思うのは、こんなにもご都合主義なのに、一方で読ませる作品である、時代を経ても色褪せない作品の強度はなぜ保たれているのか。要は深読みに耐えられる作品の分厚さがある。

  • 嫉妬や疑念は根拠もないのにふくれ、人々を傷つけていく。過ちに気づくのは、すべて取り返しが付かなくなってしまった後。

    前半部、誰の言葉も顧みず自分の世界に閉じこもっていくレオンティーズは傲慢で、痛々しい。
    それだけに、クライマックスにおこる「奇跡」に救いを感じずにはいられない。

  • 自分のパートナーが浮気しているのかも!?!?と思ったら読んでみるといいと思います。猜疑心からは何も生まれません。

  • さくさくっとテンポよく読めておもしろかったです(≧ω≦)

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