せどり男爵数奇譚 (ちくま文庫 か 33-1)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 952
感想 : 110
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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480035677

感想・レビュー・書評

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  • ビブリア古書堂から

    なかなか面白
    世界観ビブリアと相通じるものがある

  • 横溝みたいな、レトロとおどおどしさの世界

  • せどり男爵と呼ばれる人から聞いた話を本にしたという体裁がとられている。ビブリア古書店からこちらにたどり着いて読んでみた。内容は古書と古書を取り巻く人間にまつわる話。

  •  それぞれの話はその本の希少価値や金額、その本を手に入れようとする人々の奇妙な話だったけど、ここまで本に魅せられてというか、憑かれている様子には、呆れながらも興味深い内容でした。

     でも、想像していたような‘本にまつわる話’ではなかったので、少し疲れる読書でした。良くも悪くもストーリーにどっぷりと浸るタチなので、この内容は妙に現実的に感じ、いまひとつ楽しめなかった。

  • ビブリア古書堂の事件手帖より。
    せどり男爵の語り口調がなんとも怪しげ。

  • 古書を題材にした連作短編集。「せどり」とは古書業界の用語で、めぼしい本を見つけて、安く買ったその本を他の古書店に転売すること。せどり行為の中で、主人公のせどり男爵こと笠井菊哉が出会う珍談、奇談を描く。主人公は男爵の子孫、初老の域に達するがいまだ独身。舞台は戦争前後から昭和40年代後半まで。本が大事にされていた時代であり、読んでいて心地よい。
    6編からなる短編。それぞれ麻雀の役をもじったサブタイトルが付いている。本全体の雰囲気が良い。1日1作、寝る前に読んだが、最後を除いて幸せな気持ちで就眠することができた。最後の1作はかなり猟奇的。装丁を題材にした話だが、少々気分が悪くなった。
    作家の梶山季之は45歳の若さで亡くなった。せどり男爵はこの1冊のみ。もし長生きしたら第2、第3巻も出版されたと思うと残念でならない。

  • この本を知るきっかけとなった「ビブリア古書堂の事件帳」には申し訳ないが、面白さは段違い。必読と思う。

  • なるほど「本の中の物語」でなく、「本の周りの物語」であるので、ちょっと自分の読んでいくと、本に対しての読むべきものという感覚が少しずつずれてくる。このズレが面白く、意外と注意を引き付けつつ読み進められる。収集物としての感覚と骨董貴重品としての価値がせめぎ合う。
    十三不塔の話が面白い、財産がどういう風に築き上げてきたかのストーリーだけれども、要するにつかみ合い・騙し合いに似た流れの話であって、宝探しと何にも変わらない冒険譚なのだ。

    割と妄想と視姦で達する人が多い。

  • 主人公のせどり男爵のキャラクターが今一掴めなかった。
    語尾に「〜でげす」等、突然出てくるのが?となった。

    やはり人皮で装丁することに取り憑かれた男の話が一番。
    古書を扱う小説はどーしてこの時代の物が多いのだろう?
    後、魅力的な女性キャラが出てこないのはどーしてなのだろう??

  • 勉強になりましたが、自分はヴァーネガット古書店くらいがいいです。

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著者プロフィール

梶山 季之(かじやま・としゆき):1930-1975年。小説家、ジャーナリスト。現在のソウルに生まれる。広島高等師範学校(現・広島大学)卒業。53年上京、国語教師、喫茶店経営などを経ながら、「新思潮」の同人となり作品を発表。58年より「週刊明星」のトップ記事を担当。59年「週刊文春」の創刊に参画。71年月刊「噂」を創刊。作家としては62年「黒の試走車」を発表後、話題作を続々刊行する。75年取材先の香港で客死。産業スパイ小説、経済小説、時代小説、風俗小説など数多くの著作を発表した。ちくま文庫では『せどり男爵数奇譚』がロングセラーになっている。

「2024年 『犯罪日誌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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