- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480036285
感想・レビュー・書評
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本が大好きだった著者が子供時代に出会った本たちをエピソードと共に紹介。
静かで美しくゆったりした時間という印象。
子供の頃大好きだった本、大草原の小さな家シリーズを思い出した。
人生に影響を及ぼした本が私にはどれだけあるだろうか、、そんなふうな本の読み方をしたいと思える本でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読んだ本を思い返すことは、その時の自分の思い出を手繰ることなんだと教えてくれる。
美しい言葉で語られる情景は素晴らしく、読んでいると須賀敦子さんの思い出に入っていくようです。 -
サンテグジュペリの「人間の土地」が出てきたりして、ものの見方とか、絆とか、そういうものも考えさせられました。須賀さんて、いい本を読んでるんだなあ・・・というより、いい本を見つける力があるんだろうなぁ。私はいい本だと気づかないまま、その本をブックオフにやってるんだと思うとちょっと反省。
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本好きのための本。読書の習慣があれば同じ体験をした記憶がきっとよみがえる。
若い頃の本との出会い。本に関わる友人との巡り会い。それにまつわる記憶。
それらをすべて抱えて生きていくことの覚悟。読書する幸せを実感できます。
著者の須賀敦子は漱石、鴎外、谷崎、川端など日本の近代文学をイタリア語に翻訳されています。
日本での文筆業としては遅咲きで、晩年のわずかな期間に残した随筆は、
うっとりするほど美しい文体、優しくも圧倒的な文章です。 -
ぐっぐっと何か力をいれながら書かれているようで、
ひとつひとつ選び抜かれた言葉が重い。
はじめとおわりが、著者の友人じげちゃんの昇天。
やさしい言葉と、正直なことばでかかれているから、
なんだかとても心にしみて、
ついうるうると来てしまう。
著者の読書歴を垣間見ると、自分は読書好きではあるけれど、読書家ではないと思い知らされる。
父親との本でつながれた関係には自分を重ねたし、
本を通じて「あの時の自分」を手繰り寄せられるのは
うらやましくて、自分も将来そういう風にできような
そういう読書をしているかと問うてみることにつながった。
私の好きな米原万里も、須賀敦子も、
自分の昔を振り返って「少女時代」という言葉を使うが、私は自分の幼いころをどうしても「少女」という言葉で捕らえられなくて、すごく新鮮だった。
私もいつか、自分の昔を「少女」として受け止めるのだろうか。
「そのために自分が生まれてきたと思える生き方を、
他を顧みないで、徹底的に探究する」というくだりに
線を引いた。
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須賀さんの本、初めて読みました。
わかりやすく、すっきりとしていながら、やわらかく情景が浮かび上がってくる文章に心が震えました。
見たことのない情景が、目にも心にも浮かぶように感じました。
時を超える感覚が新鮮で、もっと他の本も読んでみたくなりました。 -
文章のもつすべての次元を、ほとんど肉体の一部としてからだのなかにそのまま取り入れてしまうということと、文章が提示する意味を知的に理解することは、たぶんおなじではないのだ。
幼い時の読書が私には、ものを食べるのと似ているように思えることがある。多くの側面を理解できないままではあったけれど、アンの文章はあのとき私の肉体の一部になった。
いや、そういうことにならない読書は、やっぱり根本的に不毛だといっていいのかも知れない。 -
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https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/764245