フ-コ-入門 (ちくま新書 71)

著者 :
  • 筑摩書房
3.51
  • (47)
  • (83)
  • (156)
  • (14)
  • (4)
本棚登録 : 1212
感想 : 79
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480056719

作品紹介・あらすじ

「真理」「ヒューマニズム」「セクシュアリティ」といった様々の知の「権力」の鎖を解きはなち、「別の仕方」で考えることの可能性を提起した哲学者、フーコー。われわれの思考を規定する諸思想の枠組みを掘り起こす「考古学」においても、われわれという主体の根拠と条件を問う「系譜学」においても、フーコーが一貫して追求したのは「思考のエチカ」であった。変容しつつ持続するその歩みを明快に描きだす、新鮮な人門書。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 時代順に主要著作毎で章立てになっているので、各著作の解説を読み進めることにより、思想的な変遷が一応追えるような構成にはなっている。
    著者はフーコーの思想には、現代を生きることの意味、現代において思考することの意味を問う、という一貫性があり、本著では、その思考のツールやモチーフを明らかにすることを目的とすると述べてはいるが、自分の勉強不足が原因なのか、その試みを充分に理解することはできなかったように思う。

  • にゃーむずかっしい

  • 簡潔かつ丁寧なミシェル・フーコーへの導き書。
    キリスト教の司牧者権力と近代国家のポリツァイを同一の視点から分析するとは驚きました。
    告解が罪の意識を作り、そこからまた告解へと戻る。無限のサイクルの内に人が閉じ込められている。
    歴史を過去のものとして振り返る際、そこで表現「されたもの」と「されなかったもの」の差異、ディスクールを理解することの困難さと重要さ。
    一面的な観点を見て単純素朴な結論に終着しないよう吟味することっすね。

  • 自分の信じたものをもう一度見直すことはかなり面倒だと思います。見直さなくてはこのままでは良くならいことは理解してるけど、面倒。
    フーコーの真理を追うために何度も現実に向き合う姿に真理の重さを感じられます。

    ( オンラインコミュニティ「Book Bar for Leaders」内で紹介 https://www.bizmentor.jp/bookbar )

  • フーコー入門として、非常に読みやすい。
    後半は、フーコーの著作から彼のアイデアを解説していく流れになるが、「どの著作について、どのような観点で」解説していくかを明記しているので非常に理解しやすい。

  • わかりやすい

  • 現在、私の存在、思考がどのような意味を持つのか、ミシャエル・フーコーの哲学をもとに診断することで、自分が考えているよりもはるかに自由であること、自明で真理だと信じられていることが、歴史の特定の時点に作りだされたものであり、この自明性は批判し、破壊することができるという。

    フーコー入門ということで、
    『狂気の歴史』『言葉と物』『監視と処罰ー監獄の誕生』などなど全く読んだことが無い人でも、フーコーの哲学の概要が分かる。

    フーコーの個々の自由な主体の行為(真理を語ること)である真理のゲームに参加するという考えは、何かスリリングな気もするが「普遍的な真理」にこだわることはないのだと心が軽くなり、またすぐ目の前が霞む。 

    しかし、現在を生きる私たちのまなざしが新しい物の秩序を開く、、その通りかもしれない。

  • 2006/04/28読了

  • フーコーの生涯を著作を中心にまとめたもの。この本からすると著作そのものが簡単なようにも思える。でもこんなものではないと思う。

全79件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

中山 元(なかやま・げん)
1949年生まれ。東京大学教養学部中退。思想家・翻訳家。著書に『思考の用語辞典』などが、訳書にカント『純粋理性批判』、ハイデガー『存在と時間』などがある。

「2022年 『道徳および立法の諸原理序説 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中山元の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×