地下鉄は誰のものか (ちくま新書 891)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 61
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480065964

感想・レビュー・書評

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  • ごまかして書いてあるところが散見される点が難。

  • 東京都副知事猪瀬氏の地下鉄事業者一元化への熱意が非常に感じられる書籍。
    著者が一元化推進論じゃであるので多少割り引いて考える必要はあるが、
    私個人的にも、鉄道は第一にその地域の経済・生活に寄与するものでなくてはならないと考える。
    その点で鉄道事業は非常に公共性の高い事業であり、それゆえに法規制も厳しいものになっているのである。
    一般的な企業のステークホルダーの主要な物としては、株主と従業員が挙げられる(特に日本の場合は後者が大きい)。ところが鉄道の場合はこの2者に加え、地域という要素が重要性を帯びて存在している。
    その地域というステークホルダーに対して今後東京地下鉄がどのような動きを見せるか、期待と批判の目で観察していくべきである。

  • 東京メトロと都営地下鉄は合併するべきである、ということを主張している本。
    東京メトロの会社説明会に参加した際には、エキナカ事業や不動産事業への展開も行なっているという話をされ、他の私鉄に負けないように努力している印象を受けた。
    しかし、本書を読み、よく考えてみると、地下鉄事業は普通の鉄道事業とは比べ物にならないほどの資金が必要であり、なおかつ、公費も多く投入されているため、基本的には運輸事業に注力し、利用者の利便性向上を第一に考えることが当然であると感じた。
    そのためには筆者の言うように都営地下鉄との合併もやむをえないと感じた。

  • 地下鉄もまた利権であり、道路公団などと同様に官僚の天下り、ファミリー企業含むずさん経営に税金が流れる構造。もうこういう人達支える余裕ないよ。

  • 東京メトロと都営地下鉄の経営体系一元化を目指して、副都知事猪瀬直樹が動き出す。
    言われて気づく地下鉄の経営都合による不便さと危険。
    自分に身近なものだし、分かりやすくて面白い。

  • メトロと都営が合併すべき理由の解説書。

    本筋からは逸れるが興味深かったのは、日本初の地下鉄である銀座線の敷設経緯、その創始者である早川氏と、私鉄経営の王である東急電鉄社長五島氏との因縁の対決、そこから大東急の成立に至るまでを概説してある部分。

  • 著者の義憤にはただただ共感。議論の深さが足りないように思われる部分も散見されるが、現実社会の問題に対するには深い思考よりも反射神経で即座に声を上げて対抗していく姿勢こそ、実践的であるように思える。
    ただ、所々同じ主張を別の言い方で繰り返しているところがあるため、そのあたりの冗長さが排除され、深い参考情報・具体例の列挙があると、単なる読み物・自己主張からより説得性のある”抗議文”になりうると思う。

  • そりゃーやっぱり運賃払ってる利用者のものでしょう。メトロがワンルームマンションを14棟も経営してたなんてびっくりました!

  • 地下鉄は誰のものか?
    都営地下鉄はもちろん東京都。
    東京メトロは東京地下鉄株式会社といいつつも、株主は国と東京都のみ。
    二重で利用者のものです。かつ、統合しやすい。もともと、統合を前提としてたんですね。なのになぜわかれたままか、理由はいつものあれです。
    東京メトロと都営地下鉄の乗り換えと別精算料金に、一度でも不便と苛立ちを感じたあなたに。
    地下鉄、私鉄の歴史もさくっと学べておもしろいです

  • 骨太な論というには勢いが勝ってる感があり。
    議論はやや雑。
    特に早川徳次と五島慶太の攻防に関する章、読みごたえはあるのだが、本論(メトロと都営を合併すべき、という論)への着地がなく、位置づけが謎。

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著者プロフィール

猪瀬直樹
一九四六年長野県生まれ。作家。八七年『ミカドの肖像』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。九六年『日本国の研究』で文藝春秋読者賞受賞。東京大学客員教授、東京工業大学特任教授を歴任。二〇〇二年、小泉首相より道路公団民営化委員に任命される。〇七年、東京都副知事に任命される。一二年、東京都知事に就任。一三年、辞任。一五年、大阪府・市特別顧問就任。主な著書に『天皇の影法師』『昭和16年夏の敗戦』『黒船の世紀』『ペルソナ 三島由紀夫伝』『ピカレスク 太宰治伝』のほか、『日本の近代 猪瀬直樹著作集』(全一二巻、電子版全一六巻)がある。近著に『日本国・不安の研究』『昭和23年冬の暗号』など。二〇二二年から参議院議員。

「2023年 『太陽の男 石原慎太郎伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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