- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480066312
感想・レビュー・書評
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専門学校時代、コンビニエンス・ストアでアルバイトをしていた。その時の
アルバイト仲間(女性)が「エロ本を買って行く男ってサイテー」と言っていた。
わたしゃエロ本も買ったことがない男の方が嫌だけどな。笑。
そんな男性娯楽雑誌の歴史を追ってみようといほが本書である。
視点は確かに面白い。娯楽雑誌はほとんどが読み捨てにされるもの
だから、保存している人も少ないだろうし、どんな雑誌が出ていたか
なんて網羅し切れないだろうしね。
だが、文章があまりにもお粗末過ぎる。ネット掲載の文章を切り張りしたのか?
同じフレーズは繰り返し出て来るし、文末は統一されていないし…。
いくら新書ブームとはいえ、これは酷いだろう。担当編集者は何をしてたんだ?
街角で見掛けたエロ本の自動販売機が、機械の都合で版型やページ数が
決められていたなんて話は面白いのだけど、「こんな雑誌がありました。
こんな風に作ってました」だけじゃ物足りぬ。
昭和史を謳いながらカストリ雑誌については参考にもならぬ。「個人的昭和史」
とした方がよかったのではないか?う~ん、残念。
尚、私はエロ本もポルノ小説も堂々と買える(威張ることじゃないか)。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
吾妻ひでおが「少女アリス」で連載していたとは・・・。自販機の規格による制限など、流通面のネタも面白い。
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文末の統一感がなく読みにくい文章ではあるが、これが著者・川本の文体の特徴なのだろう。むしろその読みにくさが内容のアンダーグランド感を際立たせているかもしれない。
内容的には、自販機本がハード側の制約で版の大きさやページ数が決まっていたこと、ビニ本と裏本の違い、そうした本屋がAV業界に発展できたか出来なかったかなど、ここの重要なポイントはしっかり抑えられている。
また、登場してくる現役編集者やAVメーカーの経営者、昭和史を知る上で重要な存在だったポルノ雑誌モデル名などもかなり参考になる。
写真家でもある関係で、ポルノ雑誌に開催されている画像の撮影に使われた機材に関しての記述が詳細なので、ポルノグラフ撮影史のような一面もある。
それにしても、ポルノ雑誌がAVへと映っていく過程のキーポイントが「ニセモノを撮るか本物を撮るかの違い」というのは確かに納得。 -
およそ資料などが残らない業界なので、そこで働いていた筆者による貴重な記録。一般的な認識とは異なり、ヤクザ屋さんは儲からないからビニ本には手を出さない、ヤクザ絡みの裏本はどこで出しているのだかまったくわからないが、ビニ本は奥付に責任者の住所氏名まで出しているのだから、取り締まってくださいと言っているようなもの。猥褻物陳列より児童福祉法違反の方が罪が重いので、モデルの年齢確認には気を使ったという。
のちにAVに進出するKUKIの中川徳章社長は劇団天井桟敷の文芸部に半年くらいいたとか、モデルの寺山久美(もちろん寺山修司から芸名をつけた)、エロジェニカ編集長の高取英 など、天井桟敷出身者がけっこういたというのが興味深い。家出少女・少年のかけこみ寺みたいなところがあったから。
いかに影になりやすい部分を鮮明に照明し、しかも見えすぎないようにするかといった写真撮影のテクニックなどの解説も興味深い。 -
エロ本は深い。
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日本のアングラ出版業界の端緒を開こうとする本。
昭和エロ本の真髄。 -
2011 11/30読了。筑波大学図書館情報学図書館で借りた。
図書館で見かけたので手にとってみた本。
著者は元『少女アリス』編集長で自販機本やビニ本に詳しい川本耕次…この人の昭和エロ本史のサイト、中学自分に読んでたわ。超懐かしい。
著者自身がエロ本編集に携わっていた1970・80年代を中心に、日本のアングラ出版史の端緒を開こうという本。
エロ史としてはもちろん、通常のルートとは全く異なる出版流通について、という点でも非常に興味深く読んだ。
以下、メモ。
・ビニ本には書店流通しないので奥付がない=出版時期の特定が困難
・1970・80年代のグラフ誌は素人がだまされて脱いでいることが多い? -
今でこそ、ネットでポルノ系動画、画像なんて簡単にダウンロードできる時代だが、昭和時代はそうではなかった。
雑誌を買っていたのだ。こっそりと。それにも品質があったのだ。
興味深いものだ。