科学哲学講義 (ちくま新書 964)

著者 :
  • 筑摩書房
3.26
  • (3)
  • (14)
  • (23)
  • (4)
  • (2)
本棚登録 : 250
感想 : 17
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480066701

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 中身はともあれ,語り口でもっとわかりやすくなる気もする.
    ただ,入門としてはいい本だと思う.
    ここで出てくる哲学を更に深めていければ,科学に対する考えが深まるんじゃないかな.

  • わかったような、わからないような。わからん。
    科学的か科学的でないかは、それに含まれる説明が科学的か科学的でないか。もしくはその体系の中核にあってそれがないと成り立たないような現象が、十分に科学的な方法で確証されているか。
    それでも科学的知識が正しい保証はない。

  • 科学と哲学って言葉の組合せって何かあわないような気が最初はしました。物理化学や生物物理なんて言葉の組み合わせとはちょっと違いますよね。でも読み終えると、スッと理解できた様な気がします。なるほどね、科学とそうじゃないものをキッチリと区別できるルールがあるんだ。
    このルールを理解すると、誇大広告や詐欺、インチキ占い師に引っかからない、冷静でクールな人間になれたような気がします。
    でも、好きな女の人の前では、すっかり忘れちゃうんでしょうね。

  • そもそも科学って何だっけというところからの出発。比較的平易に伝えようという著者の優しさは伝わってくるが、それでもところどころ議論が難しくてついていけない。が、それはこの本において特に大きな問題ではない。多かれ少なかれ難しい議論への理解には限界があるのであり、むしろそういうなかでどれだけ学べるかが重要なのだ。
    という言い訳?を述べつつ、著者の言いたいことは第6章にまとめてあるので、何だか分かった気になれるのは嬉しいものです。
    「科学的知識に正当性を与えるのは難しい」(第1~3章)。そしてその科学において実は「合理的な基準などなく、結局のところ、科学と他の知識体系の区別はできないのではないかという疑念」(第4、5章)が生まれた挙句、最後もやはり「科学的知識が正しいとする保証はありません」で締めるあたり、舌足らずだけど、何だかすごいなあという言葉しか出て来ない。
    それでもやはり素人的に見て「科学」を大きく特徴づけているのは、というか科学への信頼を担保しているのは、その反証可能性にあるのだと思う。つまり、自分なりに解釈すれば、常にある命題(理論)が間違っているあるいは覆される可能性を確保しているところだ(その反証可能性主義にも批判があるというのだから哲学の議論は奥が深すぎてちょっとついていけない)。
    ハイライトは第2章の因果関係の議論から始まり、第3章の量子力学の解釈あたり。原子の位置について、「現在の状態は、過去と未来の両方から決められている可能性がある」という解釈は、何ともロマンがある話だなあと思いました。勉強としての理科(物理)は何だか嫌いだったが、このように講義として聞く分には面白い。

  • 科学はどういう根拠の上に成り立っているか、ということを詳しく解説した本。
    帰納とアブダクションの違いについて、良い復習になった。

全17件中 11 - 17件を表示

著者プロフィール

1971年兵庫県姫路市生まれ。現在、大阪大学大学院人間科学研究科准教授。博士 (理学)、博士 (文学)。専門は科学哲学。主な著書に『科学とはなにか』(晃洋書房)、『量子力学の哲学』(講談社現代新書)、『科学哲学講義』(ちくま新書) 、『アインシュタイン vs. 量子力学』(科学同人)など。

「2020年 『時間という謎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

森田邦久の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×