ルポ 虐待: 大阪二児置き去り死事件 (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
4.05
  • (92)
  • (109)
  • (56)
  • (7)
  • (3)
本棚登録 : 899
感想 : 117
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480067357

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 小説つみびとを読んだ後にこっちを読みました。
    こっちの方が母親中心の話になっていて小説ほどたくさんの人間が出てきてないからわかりやすかったかも。
    元夫が被害者面してるのが一番腹が立った。ほんと糞オブ糞の夫なのに裁判で何他人事みたいに言ってんだこいつ?って思った。
    母親だけが加害者ではない。この親子に少しでも関わった全員が加害者だと強く感じた。
    被害者は死んでしまった子供だけだよ。
    こういう事件が何度も何度も起こっているけど果たして社会は、公的機関は学習しているのか?
    日本はもう他人に気を配れない貧しい国になっているんだと思った。

  • みんながみんな本書のような親ではないと思うが、虐待する親の人物像を垣間見ることができた。少なくとも本書を読めば、幼い子どもの死はこの親だけの責任とは言えないだろう。かと言って、この母親の夫や両親や友人、行政の職員、近所の人など、特定の誰かに責任を擦りつけられるほど単純な話でもない。
    母親に「罪を償え」というのは簡単だが、そうした態度は母親に酷い仕打ちをして、さらなる孤立を招いてはいないだろうか。「私はこんな母親にはならない」という声もあろうが、それは色んな意味で恵まれた人だと思う。虐待はなくしていかねばならないが、それは特定の誰かを罰することで実現するものではなく、虐待が起こる状況にもっと目を向けるべきではないかと思った。

  • 出版社(筑摩書房)ページ
    https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480067357/

    内容、目次

  • 「教誨」という本の、参考文献に上がっていたのが気になったので読んでみました。「教誨」同様、犯罪者への理解が、犯罪を減らすのではないかと思った。犯罪者を一方的に悪とみなして罰を与えても、なんの解決にもならないのかもしれない。犯罪者を、犯罪者にしたのは、関わった全ての人や環境に要因があるのだということ。この本の内容に関して言えば、子育てを母親にだけ押し付けて罪に問うのが本当に正しいことなのか?離婚にいたり、子どもをどうするか決める時に、子供のことを第一に考えて、関わる全ての人達でその子を育てて行けるよう考えるべきでは無いのか。確かに母親のしたことは許されないこと、だけど、母親も、元夫や義両親、両親、行政に何度も周囲に助けを求めている。残念ながらその全てがうまくいかず、絶望してしまった。それでも、責任は母親だけにあると言えるのだろうか?

  • 読む前からニュース記事を読んで事件の概要は知っていたので、犯人はとても残酷な方だと他人事のように思っていた。でも本を読んでいくとどこか自分にも重なる点があって他人事には思えなくなっていった。
    また物事の捉え方、思考の仕方などが未熟な点や幼少期の不安定な家族関係が今回の事件に関係していて、それは本人だけの問題ではないと思った。
    母親から助けて欲しいと周囲に言う努力も大事だけど、それと同じくらい周囲の人の助けが必要か声をかける努力は大事だと感じた。
    この事件には母子家庭の貧困、子育て支援、核家族化、近所付き合いが疎遠になるとか色々な時代背景が関連してて簡単には理解できないなと思った。
    犯人は残酷な結果を残してるけど、それは本人だけが起こした事ではなかったのかなと考え直す機会になる本だった。

    さくさくと読めたので星4つ

  • 一体どういう気持ちで子供達を放置して遊び回っていたんだろう、どうして衰弱している子供を置いて行くことができたんだろう、どうして悲劇は防げなかったんだろう
    色々な疑問の答えを知りたくて読んだ本

    母親(芽衣(仮名))の幼少期頃から子供達を死なせてしまうまでのこと、芽衣さんの父親のこと、高校生の時のこと、結婚から離婚までのこと
    そして著者が考える事件の真因が書かれている

    著者と芽衣さんが1度しか会えてないというのが残念だった
    芽衣さん寄りに書かれているなあと思ったけど、虐待死させたという結果だけでなく芽衣さんが抱えていた問題を知ることができたのは、違う角度から虐待問題を考えるきっかけになって良かったと思った

  • 2015.11―読了

  • 2022/3/17

    有名な虐待死事件。
    著者がだいぶ母親寄りになっているな、と読み進めていくと、その理由もわかる。
    誰もこの母親の味方となる人はいない。

    ただ、仮名で書かれているのに本名が出てしまっている部分があって校正が。。

  • なぜこのような事件が起きたのか
    疑問でした。
    そして背景を知ることで、答えが見つかるのではと思いました。

    こどもは社会が守るべきだと強く思いました。
    sosに敏感になること
    心配しすぎることは余計なお世話ではないと言うことです。
    余計なお世話をする人がいたら
    救えた命だったかもしれない。

    余計なお世話を焼く人でありたい。

全117件中 1 - 10件を表示

杉山春の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
シーナ・アイエン...
ウォルター・アイ...
ヴィクトール・E...
大野 更紗
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×