贈与論 (ちくま学芸文庫 モ 11-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480091994

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  • 贈与は呪い。「贈与交換」は無限ババ抜き。
    貨幣経済とどっちがカオスか、と問われると難しいが、個別清算であるぶん、貨幣経済のが健全だろう。
    一方で貨幣はムラを分断するだろうから、互助の精神は希薄化するのだろうな。

    読むほどに不安と恐怖を感じる。
    呪いとしての贈与文化は苦手。
    しかし何度も読み返したくなる蠱惑的な本。
    GIVE&TAKEみたいなペラい本と違い、プリミティブな人類に対する示唆が超絶多い。

  • 業務の中で存在を知り、読んでみました。
    前半は、「贈与『論』」というほど一般化された内容ではなく、贈与の原始的な形態にまつわる事例の紹介ばっかりだな、と思って読みました。
    後半に入り、贈与に関する一般化についての話が始まるのか、と思ったのですが、強引な推論や飛躍が多い印象を受けました。

    結果として、自分にとって、とっても読みにくい本でした。
    その原因が、著者のせいなのか、翻訳者のせいなのか、己の無知(著者と自分の時代背景や育った環境の違いも大きいかも)のせいなのか、はわかりませんが。

    そもそも、この本における「贈与」という言葉の使い方が適切なのかどうかも疑問ですが(モノを贈る、という意味では「贈与」の要素はあると思うのですが、現在の「贈与」の意味からはずれているように思うのです)、とりあえず、ここでいう「贈与」に、貨幣や契約や経済や政治の原始的な形を見出し、現代へのつながりを考察しようとしていることだけは、少し理解できた気がします。

  • 「ポトラッチ」=本来の意味は「食物を与える」、「消費する」という意味。
    「クラ」=壮大なポトラッチ
    本書では「闘争型の全体的給付」と呼ぶ

    施しは一方で贈与と財産に関する道徳観念の所産であり、他方では供儀の観念に由来するものである

    贈与(ポトラッチ)とは贈り物を与えることと貰うことから成り立っている

  • 岡本太郎が師事した人類学者の古典的名著。素晴らしい

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/16267

  • メラネシアやポリネシアの話から、世界中様々な場所で行われる贈与の話を文献をもとに考察されていた。
    文献をもとに書かれているせいか、論文を読んでいるようでかなり難しかった。

    私には難易度が高すぎてあんまり理解できなかった。

  • 様々な地域に残る贈与と返礼の義務という伝統的な習慣を膨大な資料を元に比較研究し、贈与の与える社会的な役割や影響を研究した書籍。現代の日用品の交換などの贈与との違いは精神のコミュニケーションでもあること。贈与は神聖な儀式であり、富を破壊(消費)することで争いではなく信頼関係を築き、クラン同士の結びつきが強まり文化圏を広げ、また再生することで循環が生まれ文化が成熟していったのかと思います。最初難しかったけど、終盤で突然頭の中のゴリラ達が一斉に立ち上がり武器を捨て、経済活動をする瞬間があって気持ちよかったです。

  • 最近自分が関心を持っている現象に関わる文献なので読みました。自由主義経済が発展するなかで、無私欲・非営利的行動とされてきた贈与に単なる経済原理ではない、特別な原理が存在していることを発見した名著。贈るモノには魂が宿り、その魂は贈り主に帰ろうとするため、受け取った者はお返しをする義務を負う、という解釈に最初は戸惑いを覚えたが、本書を読み進めていくと、意外にも納得させられる。個人的にイスラム社会での喜捨を本書の掲げる原理で解釈したところは、非常に参考になった。

  • [出典]
    狂気の読み屋 都甲幸治

    [備考]
    リヴァイアサン ホッブズ → 贈与論 マルセル・モース

  • 訳:吉田禎吾、江川純一、原書名:Essai sur le don(Mauss,Marcel)
    贈与、とりわけ贈り物にお返しをする義務◆交換される贈与と返礼の義務(ポリネシア)◆贈与制度の発展◆古代の法と経済におけるこうした原則の残存◆結論

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