- Amazon.co.jp ・本 (540ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480420855
感想・レビュー・書評
-
古い…
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最初の宮台真司の序章かなんかを読んだとき
これは!
と思ったが、そのあとはそれほど感動を覚えなかったかなあ -
教育を考える上で藤原和博氏は必読だろうと思い本書を選んだが、かなり内容に凸凹感があった。序文・序章(殺人)・第1部(大人と子どもの境界)・終章(生きることの意味)は評価できるが、後はあまり評価できない。
内容が凸凹になってしまったのは2つ理由があると思う。
・藤原・宮台のみならず、合計13名の著者が分筆したこと。
・誰に読んでもらいたいのか?章によってブレがあり統一感がないこと。序文・序章は、親・教育者などの大人向けで、大人でも考えさせられる。一方、第2部(お金と仕事)は、中高生向けの内容になっている。
序文・序章、第1部、終章は、大人の社会科教科書としてはお薦めで、第2部、第3部はお薦めではない。
11月13日読書開始11月21日読了。
<hr>
目次
成熟社会を生きるあなたへ 13
序章 なぜ人を殺してはいけないのか 17
1法律があるから人を殺さないのか? 18
2「仲間を殺すな」「仲間のために人を殺せ」というルール 26
3人を殺さないのは「自尊心」があるからだ 39
4成熟社会に適合した教育とは? 46
5人を変えずにルールを変えよう 55
■第1部 大人と子どものルール 61
第1章 大人、子ども、その境目はどこ?少年をとりまく犯罪とルールの関係 63
1 イギリスのジェームズ・バルがー事件から少年法を考える 64
2 藤沢周さんの小説から刑法と少年法を考えるー中学生のイジメの周辺 77
COLUMN 中学生・高校生はまだ子ども?もう大人? 101
第2章 あなた自身と犯罪の危ない関係 107
1 学校生活にまつわるルールと犯罪 109
2 社会生活の中のルールと身近な犯罪 118
3 性に関するルール 132
4 自分を守る法律のルール 144
5 未成年者を保護するための法律の仕組み 152
COLUMN 制服に征服された高校生 164
■第2部 お金と仕事のルール 173
第1章 大人はなぜ「接待」をするのか 175
第2章 1個のハンバーガーから世界が見える 191
COLUMN コンドームの出身地 230
第3章 自分の家から日本が見える 239
COLUMN マイケル・ジョーダンの年俸とバラフライ・ナイフの関係 279
第4章 仕事とキャリアを考えると人生が見えてくる 287
COLUMN あなたの生活費はいくらかかっているか? 326
■第3部 男と女と自殺のルール 335
第1章 性転換をめぐる、男と女としあわせのルール 337
1 性転換手術 338
2 ニューハーフという人生 344
COLUMN 10万円の男より1万円の男を選べ 380
第2章 結婚と離婚と子どもをめぐるルール 385
1 結婚をめぐって 386
2 赤ちゃんの誕生をめぐって 400
3 離婚をめぐって 427
COLUMN クローニングのルール 441
第3章 自殺から見える社会ーある監察医のつぶやき 455
1 Kの死 456
2 時代とともに還りかわる自殺の手段 465
3 いまどきと終戦直後の不可思議な関係 469
4 死体がおしえてくれたこと 471
COLUMN ある過食症女性の夢 476
終章 意味なき世界をどう生きるか? 487
1 世界が無意味ならば自殺するのか 488
2 売買春を通じて人間の不思議を考える 504
3 ドラッグを通じて人間の不思議を考える 510
4 「共に生きる」ための強度追求が許される社会へ 520
あとがきにかえて 528
解説 「世間」の物差しを捨てて 535
<hr>
メモ
20 憲法・人権は「国家への命令」
24 法律は道徳よりもゆるい
29 国民一体の意識は残念ながら復活できない 成長社会から成熟社会
36 「みんな仲良し」は、仲良くできない他人とどう付き合うかについて何のメッ
セージも含んでいない
37 自立と相互貢献を重視する自己決定型の教育
38 「共同性」の作法(同調)よりも「共生」の作法(自立と相互貢献)
50 「いい学校・いい会社・いい人生」が信じられた時代の、都市労働者を養成す
るための苦役
51 「みんなとおなじことができる」ではなく「異なる試行錯誤の成果
」を承認する教育プログラム
52 「依存型尊厳観」と「自立型尊厳観」 枢軸国と連合国
54 市民革命の経験がない、都市労働者の孤独の吸収
労働時間の短縮、社会の成熟化、企業の短命化
56 「尊厳の初期値」、幼児期に与えられる「承認」
333教育費
535世の中、世間 -
500ページ超えの大作だが(2冊の本を合わせたものだからそりゃそうか)、なんも臆することない、スラスラよめる。20年近く前に書かれた「現代」の教科書で、ところどころ記述が古臭い(非嫡出児の相続、万能細胞、プロザック‥)、基本的な記述の方向性は現代でも充分通用する。それどころか、ここに書かれていることが現在なお強調されていることだと思う。幸い未成年の凶悪事件は近年影を潜めていると思うが、その分「個人主義的ムラ化」の進展による「高度すぎるコミュニケーション」やら「無意味な社会で意味を求められる社会」にどっぷりと浸かり(これらの用語は本書に記述なし)、生きにくい世界を私たちは歩んでいることを実感するだろう。
-
なかなか話題にできない問題が、シンプルに率直に表現されていた。こういう表現のある本はけっこう好き。
-
宮台真司の章が面白い。
-
元リクルート社員で、民間人初の公立中学校校長となった藤原和博と、社会学者の宮台真司を中心に、「成熟社会」を生きるための「市民」に必要な知識を、分かりやすく説いた本です。
序章と終章の宮台の解説が、市民社会的自立と社会的包摂についての宮台の主張のコンパクトな要約となっていて、本書全体の総論の役割を果たしています。 -
なぜ人を殺していけないのか?
学校では、少年法も刑法も凶悪犯の捌き方も教えない。
これで、一般人が裁判官を助けて殺人犯を裁く裁判員制度がスタートしている。
学校では、お金儲けやお店の作り方や自営業者として起業する方法も教えない。
成熟社会では、一般サラリーマンや公務員より自営業者が増えなければならないのに、相変わらずサラリーマンや公務員になるようにしか教育されない。
自営業者になるなんて思ってもいない学生が増産される。
学校では、男と女のこと、結婚と離婚のこと、自殺や過食症のことを教えない。
成熟社会を生き抜くには、初歩的な心理学やカウンセリングノウハウは必須の道具なのに、
もはや殺人や儲けや給料や離婚や自殺を学校教育のなかでタブー視してはならない。 -
恐らく10代中後半に向けて書かれたのだろうか、語り口調で話しは進むのだが…宮台氏の教育に関する話題はかなり過激な書きぶりでスタート。それぞれのテーマもどことなく寄せ集め感があり、よのなかのルールからやや逸した感もあった。