人生の教科書「よのなかのル-ル」 (ちくま文庫 ふ 29-4)

  • 筑摩書房
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感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・本 (540ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480420855

感想・レビュー・書評

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  • 今読んでも、決して古く感じないテーマの数々です。

    率直に、子どもに身近なところから紹介されていて、「ここから」対話できたらとてもおもしろいだろうな、と思います。

    個人的には「人生の全時間マップ」にびっくりしました。
    この図、初めて見たのですが、興味深いです。
    「ほー!」と思うつながりあり、
    「???」のつながりもあり。

    つながりが腑に落ちるまで、繰り返し、ちょくちょく眺めていこうと思います。

  • なぜ人を殺してはいけないのかとか上辺に終わらない話。

  • 【終章の宮台真司の考え方は、興味深い】
    現代の社会のルールと子どもでも分かるように書いてある本。子どもだけでなく、大人が読んでも「なるほど」と納得する点もいくつかある。私のオススメは、宮台真司が書いた「意味なき世界をどう生きるか」という終章の箇所。現代は、「物語(過去から未来に繋がる時間の展開が重要)」ではなく、「体験(今が重要)」になっているという。高度経済成長期のように、「いい学校→いい会社→良い人生」という構図が今は崩れ、未来が見えにくい複雑な社会になっていると説きます。「体験」の現代、「そこそこ楽しいけど、意味が無い」のか「意味は無いけど、そこそこ楽しい」のかの捉え方も重要であり、「今」を前向きに捉える後者が必要とされているというのです。この前提のもと、如何に社会で共存していくのかを最後に論じます。宮台氏は、平和な日々の中で人が「体験」を欲する時が必ずある。それを法律やらでガチガチに固めるのではなく、多少は許容するということが、今のよのなかには必要なのではないかと提案するのです。性や暴力、薬・・・といった反社会的な要素を完全に排除するのではなく、社会として度が過ぎない程度に許容するべきではないか?と説いたこの考え方は、「面白い!」と私を唸らせてくれました。ただ、1点気になるのは、社会が許容してないことを「体験」として楽しむ人がいるのであれば、反社会的な行為を社会が許容してしまうと、彼らはその許容範囲では満足しなくなりより激しいことを要求するのではないでしょうか?そのイタチごっこがずっと続けば・・・と考えると恐ろしく、また宮台氏への反論としてさせて戴きます。

  • 大学の普通のクラスより、偏差値の低いはずの夜間学部や60歳以上の高齢の人のクラスの方が議論が活発である。それは試行錯誤の経験が両者は多く、普通のクラスは少ないためである。
    というのはとてもよく分かる。実際に自分で言うのも何だが、僕自身は後者の部類に入るから、「いい意味で人の目を気にしない」ということには慣れきっている。けど就活をしていて思うのは、企業の出す「正解」に嵌ろうとしている人が多い気がする。もちろん昨今の就職状況を考えると当然かもしれないが、「弊社が求める人材像は~」と言うとみんなメモを取る。よく思うのは「そんな人を欲しいのか」と思いながら眺めている。考え方は人それぞれだが、少なくともそこは「違う」と言える。

  • 社会・法律・道徳などを見直すきっかけになったので有益な読書だったと言える。

  • 「自立」と「相互貢献」を教えてこなかった日本の教育が、福島から避難してきた人たちを差別したり、被災地のガレキの受け入れを拒否していると、言っても過言ではないと、序章を読んで思った。
    「みんな仲良し」という教育が、「仲間以外はみな風景」という考えを生み、「仲間以外は殺せ」とばかりに、平気で見知らぬ人を殺害するような人間を作っていると、思うと恐ろしいことだ。

    序章と終章だけ読むだけでも買う価値ありです。

  • 大学1年の時基礎科目で使った。特記すべき点はない。

  • 学校では習わないけど、生きて行くのに必要なルールをこどもの教科書としてまとめた本。もちろん、大人が読んでもためになる。
    世の中が成熟社会に変わっていくに連れ、いままでの教育では十分ではない所がいろいろ出てきており、その対処方法がよく書かれており、わかりやすい。特に、「殺人」「自殺」「仕事」などの項目が良かったと思う。
    ぜひ、家の子供にも読ませようと思う。

  • 今現在、日本は成熟社会になっていて、
    今までの思想、行動では太刀打ちが出来ない難しく複雑な社会になっている。
    そうまで発展を遂げてきたのももちろん人間の所業ではあるけれど、
    その人間の技術が文化が人間を追い越している様に思える。

    そういった成熟社会を生きていく自分たちはどんな風に生きていけばいいのか、
    そんな物のひとつの指針として読むことが出来ると思う。
    そして今までなんとなくでしか理解していなかったよのなかの色々を、
    正しくはっきりと再確認できる良書だと思いました。

    学校では教えない大切な部分、読者に著者が問いかける物の数々は、
    あらためて考える必要性が高い物ばかりだと思います。
    少年犯罪から性に関することまで、
    本当にこれから心得ておかなければならないものばかりだと思います。

    「しょせん」と卑屈にならないで「あえて」の生き方の方が、
    僕はずっとずっと好きです。
    意味付けは後付けでも遅くない。
    試行錯誤しながら、人生を楽しむことは素晴らしい事だと思います。

    中学生から高齢者まで幅広い世代に是非読んでもらいたいおすすめの一冊です。
    あえて言うならば今の社会に生きる人全員におすすめしたくなります。

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著者プロフィール

藤原和博(ふじはら・かずひろ)
「朝礼だけの学校」校長。1955年東京生まれ。1978年東京大学経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任。メディアファクトリーの創業も手がける。1993年よりヨーロッパ駐在、1996年同社フェローとなる。2003~08年、杉並区立和田中学校で義務教育初の民間校長を務める。2008~11年、橋下大阪府知事の特別顧問。2014年から佐賀県武雄市特別顧問。2016~18年、奈良市立一条高等学校校長を務める。

「2021年 『「人生の教科書」コレクション全10冊セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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