ちくま日本文学004 尾崎翠 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 63
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480425041

感想・レビュー・書評

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  •  「透明なエロティシズムで 読者を誘惑する」
     帯に書かれた紹介文がよいなあ。みずみずしく艶のある恋のお話、ではあるけれど、決していやらしい印象は与えず、まさに透明って感じ。
     恋の持つはかなさ、あやうさ、狂おしさ、といったものが濃密に、しかし優しく読み手に迫る。劇的な事件を直接描くのではなく、作品全体の雰囲気そのものでもって、ここまでひとを惹きつける表現が出来るものなのだな。

     「地下室アントンの一夜」と「花束」が特に好き。
     関係ないが「第七官界彷徨」を読みながら寝落ちしたら憧れのひとが夢に出てきたのでうろたえた。忘れていたはずなのに胸が締め付けられるような苦しさ。恋というやつがこれですか、翠先生。(?)

  • 「アップルパイの午後」が読みたくて探していたら文庫本を発見。いちばん始めの「こほろぎ嬢」に何回も出てくる
    花の香りを表現する文章だったり『うぃりあむしゃあぷ、ふぃおなまくらうど』

    「地下室アントンの一夜」の文章からも迫力を感じるのにふとした瞬間にそれがフっとゆるむから余計に気になる。服のほつれを直してあげるわ、と言ってなかなか返してくれない奥さんの部分とか。

    いろいろな比喩や考えが隠されているのだけど私の頭が悪いので見つけられるまでに時間がかかりそう。

  • 本当にセンスの優れた名作には、年経ても古びない言語感覚が備わっていることが分かります。
    「第七官界彷徨」「歩行」ヒロインの町子の可愛さといったらないです。

  • 大好き。

  • 「第七官界彷徨」が素敵でした。
    一助・二助・三五郎に町子。
    妄想した限りはみんなイケメンさんである。
    近日のアニメ化にのっかってもいいんじゃないかってくらいの素敵な設定です。

  • 透明でにおいがない感じなんだけど、いやになまなましいところがある、それが好き。尾崎翠読むと高野文子を思いだす(逆もしかり)のはわたしだけかなー。

  • 天才っているんですね。文章の才能がある人ってこういう人のことだと思った。ストーリーを追わなくてもことばだけで陶酔してしまえるほど。
    昆虫のような感受性を持った人。少女小説というには研ぎ澄まされすぎです。もっといい呼び名があるはず。

  • こころがよわくて、夢想癖があって、芯がつよいおんなのこ。
    とことんかわいくてあったかい
    きゅんとします

  • 短編集だよ、尾崎翠さんの。【第七官界彷徨】がもう絶対的にお勧めだよ。乙女小説のさきがけのように言われてるけど、それは漫画みたいなね、乙女とはえらいちがって、乙女な心はあるんだけどね、文章のうまさが飛びぬけて、ほんとに感覚の全体に文字が右往左往するほど、すごい体験であったよ。翠さん、これを書いてどこぞにいってしもたの? もうすべて書き尽くしてしもたの? そりゃあこれ書いちゃえばもういいよね。ええ、すごいもんですよ。

  • テクニックに酔える稀な女流作家。文庫サイズだから持ち歩けます。大好き。

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著者プロフィール

1896年鳥取生。女学校時代投稿を始め、故郷で代用教員の後上京。日本女子大在学中「無風帯から」、中退後「第七官界彷徨」等を発表。32年、病のため帰郷し音信を絶つ。のちに再発見されたが執筆を固辞。71年死去

「2013年 『琉璃玉の耳輪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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