コーヒーと恋愛 (ちくま文庫 し 39-1)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 2098
感想 : 210
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480430496

感想・レビュー・書評

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  • 獅子文六を文学座の重鎮としてしか認識していなかったので、この小説の軽さ(明るさ)には驚いた。
    処分日2014/09/20

  • 今更ながら獅子文六の「珈琲と恋愛」。曽我部恵一推薦が色濃ぎて若干避けていたけど、女性視点から読んでも、こういうお人好しでも力強い女性あるあるが面白かった。可否会なる珈琲愛好会の意識がスノッブで今のブルータスの記事の様であった。文学座もこんなウィットに富んだ人がいたとは。

  • アウシュヴィッツの本と平行して読了。しんどい内容の本のチェイサー代わりの一冊。
    ところどころにニヤリとできるユーモアがあって、内容も全然軽いけど、昭和の古さを感じさせないくらい軽妙洒脱。獅子文六って、お洒落な人だったんだろうなぁ。もう何冊か読んでみようと思う作家の一人。お出掛けのお供とか、ちょっと何かを読みたいというときにお勧め。

  • 2018.5.12読了。前に読んだ同著者の作品『七時間半』が面白かったので期待して。つまらなくはなかったけど『七時間半』の方が私は好みだな。『七時間半』もそうだったけど、終わりは案外あっさりしていて、読んでいる最中が一番楽しいタイプの小説なのだろう。そういやよく人物の心の声は()で表されるけど、この著者は「」で表すんだな。モエ子とミヤ子で、わずかの違いであるっていやいやいや!名前もだいぶ違うから!台詞の中に「-獅子文六みたいな、古稀になっちやア、もうオシマイだが、-」と自分の名前を出しているのには驚いた。一見自らの年齢に関する皮肉のようだが私には日常会話に引用されるほど知名度があると言う自信の表れに思えた。にしても望まずしてある特技は不幸の元か…それが女性にあるというのはさらに不幸な事かと思えるのは私が女だからか時代がそう感じさせるのか…解説に出てきた曲の方の「コーヒーと恋愛」もネットで検索して聞いてみた。昭和らしい風情がある、日々に溶け込むまさにコーヒーと恋愛のようないい曲だなと思った。レコードかCDのジャケットに使われてる街の川沿いの桜の画像とタイトル文字の入れ方が本の装丁と同じなのが素敵。本の方には中央にシンプルなコーヒーの画像が置かれてるがこれは穏やかな風景の上にでんとコーヒーの画像があることでコーヒーによってかき回される主人公の人生を暗示してるみたいで小説の表紙にはやっぱりあった方がいいと思う。読んでて残念だったのは私が体質的な問題でコーヒーが飲めない事である。匂いとか好きなんだけど時と場合で体調悪くなっちゃうんだもん…。そんなわけで食べ物飲み物が出てくる話で食欲がそそられなかったのは初めてかもしれない。

  • 初·獅子文六でした。コーヒー好きから結ばれる夫婦、友人エトセトラ。しかしその関係は二転三転していく。男ってバカだ!女って甘いなあと突っ込みたくなりつつ、婦人が最後に出した決断はスカッとした(*^-^*)

  • 文庫解説は曽我部恵一さん。
    コーヒーを飲みたい気分にはそんなにならないという不思議!

  • 「気のいい女性」「いい脇役」のテレビタレントとして茶の間に浸透している坂井モエ子嬢。しかも、とても美味しいコーヒーをいれる事が出来ます。14年間同棲している新劇の演出家ベンちゃんが、「劇団の若いアンナ嬢を育てたい。」と同棲を解消し家を出ます。モエ子嬢は、時を同じくして初のテレビドラマの主役を射止め放送がはじまりますが、評判がよくありません。後援会からの洋行の話も消えそうになり、ベンちゃんと住んでいるアンナ嬢は溌剌とした演技で昇り調子。同じコーヒー同好会の菅との結婚話もでます。仕事、恋愛、コーヒーとこれからどうするか悩むモエ子嬢。どんな道を進むのでしょうか。昭和30年代の東京を舞台ですが、今も同じ女性の悩みがかいてあります。
    獅子文六作品はこんなに面白い!と思える一冊。

  • コーヒーにまつわるテンポの良い文体で引き込まれているうちに、いつの間にやら3杯くらい飲んでいるおいしいコーヒーのような小説。時にはコーヒー飲みながらこんな小説はいいですね。

  • 昭和のコミカルなドラマをみているようだった。

  • 仕事と恋愛、結婚…どれかが狂うと全部ダメな気がしてしまうのは小説の主人公でも現実の私でも同じなのかな。特に恋愛に関しては悩んだり怒ったり上手くいかない事ばかりでもどかしいけどけどラストは晴れ晴れとして良かった。

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著者プロフィール

1893─1969年。横浜生まれ。小説家・劇作家・演出家。本名・岩田豊雄。慶應義塾大学文科予科中退。フランスで演劇理論を学び日本の演劇振興に尽力、岸田國士、久保田万太郎らと文学座を結成した。一方、庶民生活の日常をとらえウィットとユーモアに富んだ小説は人気を博し、昭和を代表する作家となる。『コーヒーと恋愛』『てんやわんや』『娘と私』『七時間半』『悦ちゃん』『自由学校』(以上、ちくま文庫)。『娘と私』はNHK連続テレビ小説の1作目となった。『ちんちん電車』『食味歳時記』などエッセイも多く残した。日本芸術院賞受賞、文化勲章受章。


「2017年 『バナナ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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