世にも美しい数学入門 (ちくまプリマー新書 11)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480687111

感想・レビュー・書評

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  •  数学者のひとって芸術家に近いように思うのは、まちがってなかったのかも、と思う本。
     ある意味ぞっとするような美しさを、神秘とよんだりするのでしょうね。
     自分は数式が理解できないと、拒否反応をおこすタイプです。
    「三角形を使って自然数の和を求める方法」とか、説明してくださってもその規則性にぞぞっとなってしまいます。数学的美のセンスがちっともないんだと思います。

  • 高校の時に一度読んで、最近また読みたくなったので読んでみた。数学は大嫌いだったが、この本は楽しく読み進めていくことができた。目に見えないゼロを発見したインド人はすごいし、天才数学者の生まれる条件がまったく数学に関係無い事に驚いた。欧米人とアジア人では数学の受け入れ方が違うなど、自分の知らないことが沢山あっておもしろかった。ゲーデルが発見した「不完全性定理」、チューリングが証明した、真偽を判定できない命題であるかどうかを、チェックする方法はない という結果が一番びっくりした。論理を数学であらわすことができるんだなと感じた。目に見えない世界を数学であらわしていくんだから数学者はすごいと思った。
    高校の時に数学の先生がよく、この数式は美しいと言ってたけど、その当時は数学の美しさがよくわからなかった。この本を読み返した今ならなんとなく分かるような気がする。数学が好きだったら、もっと感動することができたのかな…。

  • 小川洋子と数学者の藤原正彦。
    数学はどこに行っても普遍で完全な世界。定式の発見はセンス。豊かな所で生まれ育ち、感性がある人に神様がそっと教えてくれる。江戸期の日本に立派な数学者がいてびっくり。この本を読んで、芸術ともいえる数学を感じることができた。

  • 博士の愛した数式も面白かったけど、同作者と実際の数学者との対談もなかなかだった。高校時代、数学にさんざん泣かされた身としては、ここで書かれたように、実験的感覚で学問と向き合うことが出来ればどんなに良かったことか、って思うことしきり。でも『小学生時代から先生より数学が出来て』みたいな発言を見て、やっぱり才能による部分が大きいんだな、って諦観みたいな気分も覚えたり。自分的には、美しい公式を見て、『うわ~、すっげー』って思うくらいがちょうど良い感じです。

  • 面白かったなあ。数学解くのは嫌いだけど、見るのは大好きです。谷山・志村予想の話はすごい良かった。数学が虹をかける。そして、神様の手帳。理系は、特に数学が専門の人達は、ロボットみたいで感受性に欠ける、みたいなことを言っている人たちがいるだろうと思うけど、間違いなくそれは間違いである。それをこの本で確認した。簡単に読めるので、万人に薦められる一冊。

  • 2011.9.9

  • 数学者は自然界の中で、すでにそこにあるのに誰も気づいていないものを、そっと見つけ出してくるんですね。
    なんだか化石の発掘のようだな、と思いました。

    小川洋子さんと同じく、私も数学というと「無機質で感情のないものを、冷徹な心を持った人が論理的にやっている学問」という印象でした。
    ですが、この本を含めいろいろな本を読むにつれ、数学がとても美しい学問で、数学者は高い美意識を持ったロマンチストなのだ、と思うようになりました。
    今まで敬遠していた自然科学との距離を縮めるべく、ちょびちょびと入門書を手にとってみたり。

    それから第一部第一章の「恋する数学者たちの集中力」、すてきなものを読んだなー、と思います。
    恋愛小説よりも、胸がきゅーんとなるものがありました。

    余談ですが、ちくまプリマー新書はわかりやすいのにくだけすぎず、読みやすくて嬉しいです。
    さらに、装丁がクラフト・エヴィング商會というところもとっても贅沢な気分になります。

  • 図書館で借りた。
    数学者の藤原正彦さんと『博士の愛した数式』の小川洋子さんが
    数学について対談している。
    数学の「美しい」かそうでないかの実例が載っていた。
    作家と数学者の共通点もあった。

  • 藤原正彦(1943年~)氏は、東大理学部数学科卒、東大大学院理学系研究科修士課程修了の数学者、エッセイスト。お茶の水女子大学名誉教授。新田次郎と藤原てい夫妻の次男。『若き数学者のアメリカ』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。「論理より情緒」、「英語より国語」、「民主主義より武士道」という氏の自説を説いた『国家の品格』(2005年)は、200万部を超えるベストセラーとなった。
    小川洋子(1962年~)氏は、早大第一文学部卒の小説家。『妊娠カレンダー』の芥川賞ほか、谷崎潤一郎賞、野間文芸賞、菊池寛賞、紫綬褒章等を受賞・受章。また、記憶が80分しかもたない数学博士と家政婦の母子との交流を描いた『博士の愛した数式』は、読売文学賞、本屋大賞(第1回/2004年)を受賞し、ベストセラーとなった。
    本書は、『博士の~』を執筆する前に、小川氏が知人を通じて藤原氏を紹介してもらったことをきっかけに、同書発表後に改めて行われた二人の対談をまとめ、2005年に出版されたもの。
    私はノンフィクションを好んで読み、興味のある新刊はその時点で入手するようにしているが、今般、過去に評判になった本で未読のものを、新・古書店でまとめて入手して読んでおり、本書はその中の一冊である。また、私は対談本をあまり好まず、それは、焦点がぼやけて物足りなさが残ること多いためなのだが、本書については、藤原氏も小川氏も過去に作品を何冊も読んでいて、この二人の対談がつまらないはずはないと確信があり、手に取った。
    そして、(学校で習ったもの、習わなかったもの含め)様々な定理・公式が如何に美しいか、また、数学者が何故それらに魅入られるのかが、期待に違わず興味深く語られ、一気に読み切ってっしまったのだが、それは、小川氏がもともと、『科学の扉をノックする』(様々な分野の科学者7人との対談エッセイ)や『そこに工場がある限り』(様々な工場の見学エッセイ)のような本を出してしまうほどの好奇心の塊で、また、藤原氏が、(『国家の品格』で繰り返しているように)現在の実学重視の風潮に大いに疑問を持ち、「高貴な学問の代表である数学の復権を試み」るという思いで答えていることにもよるのだろう。(尚、本書は単独でも楽しめるが、『博士の~』に関する記述も多いので、同書を読んでからの方がベターだろう)
    藤原氏は、あとがきで、次のように書いている。「数学や文学や芸術でもっとも大切なのは、美と感動だと思う。これらは金もうけに役立たないし、病気を治すのにも、平和を達成するのにも、犯罪を少なくするのにもほとんど役立たない。しかし、はたして人間は金もうけに成功し、健康で、安全で裕福な生活を送るだけで、「この世に生まれてきてよかった」と心から思えるだろうか。「生まれてきてよかった」と感じさせるものは美や感動をおいて他にないだろう。数学や文学や芸術はそれらを与えてくれるという点で、もっとも本質的に人類の役に立っている。読者がそんな私の、そしておそらく小川さんの、想いを感じていただければ幸いである。」
    藤原氏と小川氏ならではの対談で、「数学の美しさ」が分かりやすく説かれた良書である。
    (2022年9月了)

  • 学校でこんなふうに教えてほしかった!
    数学はただの計算式でなく、美しさを追求する学問なんですね。おもしろい!
    中田あっちゃんの数学の動画を見ていたので、ラマヌジャンやオイラー、フェルマーの名前が出てきたときは「あー知ってる!」と嬉しくなりました♪

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著者プロフィール

お茶の水女子大学名誉教授

「2020年 『本屋を守れ 読書とは国力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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