- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480804204
感想・レビュー・書評
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つい手をのばしてしまう三浦しをん。作品によってほんとに雰囲気が違うなあと毎度思います。
今回はシリアス3コメディ7って感じでしょうか。さらっとライトな読み心地でした。
社史編纂室という弱小部署が、会社の後ろ暗い過去を社史という形で白日のもとに晒すストーリー。
社史編纂室の面々が個性的で、いい意味でシリアスをシリアスにさせないというか。みっこちゃんみたいなバランスのとれたぶりっこは現実世界にはまあいない。だからカワイイ。
一応大義があるものの、ライトな雰囲気であるがゆえに、読後の爽快感はちょい薄めでしょうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ずいぶん地味なタイトルだなぁと・・・
だから、もっとおカタイ話かと思ってたけど、
思いっきり裏切られた(笑)。
それに何てのんびりとした職場。
日陰な部署だけど居心地は悪くなさそう。
血みどろな表現も暴力的でもなく、その辺は
安心して読めましたが、BLを扱っているので、
少しだけそういう類の表現がありましたが、
まぁこれくらいは仕方がないですよね。
コミケなんて行ったことないし、BL小説も
コミックも無縁なもんで、少し新鮮な気分でした。
今回は知らない世界の空気感を楽しみました。
社史編纂室の皆さん、大仕事、お疲れ様でした。
社史もちゃんと辿ってみれば、意外と面白いのかも。 -
創立60周年を過ぎた星間商事の社史を作るべく、社史編纂室という部署に配属された人達のお話し。
『舟を編む』にどことなく雰囲気が似ていましたがもっと軽い感じで、社史作りよりもそこでの人間関係に重きを置いた構成になっていました。
川田幸代の趣味である同人誌創りと並行して話が進んでいきますが、時折挟まれる彼女の作品、いわゆるBLがさらにゆるい雰囲気に…。
まあ話の内容はともかく、しをんさんの作品の登場人物は相変わらず魅力ある人物ばかりでみんな大好きでした。個々のやりとりも面白くて、心くすぐられてました。
最後の終わり方もめちゃめちゃ爽やかでスッキリ。楽しい読書でした。 -
舟を編むのベースっぽいおはなしでした。内容がすごく忠実すぎて心えぐられた笑 でも主人公の仕事とか趣味とか恋愛とかへの考え方がすきだなあと
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おもしろくてグイグイ読めました。
仕事よりも趣味が大切、という主人公が会社の過去の暗い闇をこっそり照らす、というお話です。
告発!というような大々的なやり方ではありません。
その「照らし方」が普通の人がやれる範囲内、なのが面白いです。
これが本当の落としどころ、というのだと思います。
同棲相手との日常も、本当に普通で面白いです。 -
ヲタクだって腐女子だってみんなごく一般的な常識人なんだぜ!とさりげなく主張しているような気がするのは気のせい(笑)として、個性溢れる同僚に左遷部署のゆるさ、いや~楽しそうな職場だわ。
会社の黒歴史はちょっと捻りすぎかな?とも感じたけれど、見事なチームワークで社史(裏も表も)を造り編纂してゆく過程がとても楽しく、お仕事小説としても見事。 -
テンポ良し、人物良し、ストーリー良し、で面白かった〜
閑職部署、社史編纂室に所属する隠れオタク(早々に漏洩するが)の幸代。
会社での同人誌作りが課長に見つかったことから、裏社史作りも始動していく。
ヲタを味方につけると強い!し、何より面白い世界が覗ける。愛すべきヲタ、うちの部署にもいないかな。 -
ずっと迷っていてようやく読んだ。
BLが苦手なので、なんとなく手を出しかねていたのだ。しかし最近はエッセイにも慣れてきたので挑戦してみようと思って読んだのである。
川田幸代の生真面目な腐女子ぶりが、なんとも切なく痛ましくかつ微笑ましかった。BLを書いているからといって性的に逸脱しているわけではなく、むしろ本人は必要以上に潔癖で、真面目なのではなかろうか、などと思ってしまう。
課長のキャラクターが最後までわかりにくかったなあ。つい深読みしてしまって、「昼行灯を装う切れ者」なのではないかと思いながら読んでいたのだが、本作ではそういった「実は……」という設定はなかったようだ。これが「舟を編む」に至ると、ちゃらそうに見えて実は……みたいなふくらみを持たせるようになるんだな、と、そういう意味では三浦しをんの初期のころの作品なんだなと思った。
表社史と同時に裏社史も作ってしまおう、というノリは楽しく、ちょっとした謎も散りばめられていて面白かった。
作中作が傑作。特に課長の小説?はニヤニヤしながら読んでしまった。