- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480804778
感想・レビュー・書評
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「孫係」
“誰かの期待に応えたいから、その人の望む自分でいる努力をする。”
相手に好かれようと違う性格を演じたり、相手に合わせて自分をコロコロ変えたり、自分の気持ちに嘘をついて人と接することが、私はしょっちゅうある。そういう自分が大嫌い。格好悪いなって思ってた。でも、この短編を読んで、少し自分を許せそうになった。
「ドラゴン・スープレックス」
“何かに強く寄り添うと、他の何かをおろそかにしているような、他の何かを裏切っているような。”
夫と母親との不仲に心痛めてる自分にとって、染みる短編でした。どちらも私にとっては大切なのにな。
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いろんな女の子のお話。
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西加奈子の新作は短編8本。悪態や陰口を誰かを傷つけない限りにおいて肯定してみせた『孫係』はSNS時代に示唆的な内容だと感じた。それは『あねご』のクライマックスにも繋がるし、『マタニティ』の“絶対的正義”の危うさにも通じる。とても現代的な作品。8本目の作品のタイトルには思わずニヤリw
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短編集。
自分に照らし合わせることができたのが「孫孫」。ストンと心に落ちて、腑に落ち、そして少し心が楽になり、進みたい道が見えた気がする。
私も自分の係をつとめよう。しんどい義務感とか周りを騙すためではなく、思いやりの心からくる努力。それを精一杯つとめよう。 -
思っていたより刺さるフレーズはそんなになかったけど、軽い読み口で読みやすかったな。短編集なのでどれもそんなに深く印象には残らなかったけれど、唯一今の自分に刺さるなぁとなったのはやっぱり『マタニティ』だな。下衆で、人間的にどうしようもなくて、立派な母親になれそうになくても、生きていくしかないのだな。
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初めて西作品に触れた
人の心を上手く表現して、納得するところが多々あった
小品6話
「おまじない」はどこから
最後のドラゴン•スープレックスからだろうか -
見た目と心は裏表。
ってな事で、西加奈子の『おまじない』
燃やす
いちご
孫係
あねご
オーロラ
マタニティ
ドブロブニク
ドラゴン・スープレックス
の短編集
久々に西加奈子さん読んだ~
西加奈子さんの生み出すキャラクターは独特でキャッチー、憎い奴も居るけど愛らしい、誰も傷付けないキャラばかり
内面の苦しさと闘いながら、ホントの自分を曝け出したい、心の叫びを共感して貰いたいって感情がフワッと見えると言うか、沁みて来るような感じ
わし的に孫係、あねご、マタニティが沁みたなぁ
2020年60冊目 -
「あねご」を読んで、初めて物語に救われた気がした。「私だけじゃないんだ」と思えて涙が止まらなかった。「孫係」はいつでも心のお守りになるような話。