おまじない (単行本)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480804778

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  • 短編集。どの人も肯定してくれる。大丈夫、間違ってない、そのままでいいって。

  • 魔法の言葉。

    ボーイッシュな格好を喜んだ母、
    病気の祖母を喜ばせるのをきっかけにスカートを履くようになってから
    変な男にされたこと。
    自分を責める私に、用務員のおじさんがくれた一言
    あなたは、悪くない。

    親戚の浮ちゃんの関心ごとは自分が育てているいちごのことだけだった。
    モデルの仕事に自信を無くしていた頃、浮ちゃんのいちご愛に救われたこと。

    真っ直ぐで正しい愛情でいっぱいの母に
    祖父との同居に疲れた頃、祖父も同じ気持ちだったことを知り
    一緒に孫係、じじ係を楽しむひととき。

    酒を飲むと楽しい自分でいられて、周囲にどう思われようが
    飲むに飲まれて仕事を追われ、水商売に移り
    そこで出会った冴えないおっさんに言われたこと
    あなたがいてくれて、本当に楽しいです。

    熱の冷めかけた恋人と行ったアラスカで
    オーロラは見れなかったけれど、現地の人に
    あなたは戻ってくるという言葉に見えた未来。

    38歳にして妊娠がわかり
    仕事や相手の反応に世間体を悩み
    いざ行った病院のテレビで見たコメンテーターの言葉に極まった心
    自分の弱さを認めること。

    学生時代から劇団のために全てを捧げ、気づけば仲間は出世していく中で
    裏方だった自分だけが取り残された中行ったフェンランドで
    もらった、おめでとうという祝いの言葉。

    訳あってひいばあちゃんに育てられたジュエルでありよしえ。
    タイプの異なる祖母と母、黒人の血を持つ自分の姿に
    ひいばあちゃんを亡くして途方に暮れていたが
    顔見知りのおっさんにお前が決めてええねんと言われ、晴れた心。

    元気を失ったときに読むと癒される。

  • ほっこりした短編が8つ.あまり波風が立つ話はないが、どれもほっとした読後感を得られる.「孫係」で本音を語り合うおじいちゃんとすみれのやり取りが面白かった.表に出す態度と実際の思いを上手に絡め合って生活していく術を会得したすみれの晴れやかさが嬉しかった.アラスカが舞台の「オーロラ」も、現地の人々との何気ない会話の中に、楽しさをつかみ取って行動するケイとトーラが羨ましく感じた.

  • 当たり前だけど、100人人がいたら、100通りの人生があって、生き方がある。
    環境によって、性格によって、自分の考え方が形作られて、でもこれでいいのかなて悩んで、自分てなんだろうなと思うことは、誰しもが経験することだから、なんか共感してしまうのだ。
    いろんな人の人生を垣間見させてもらって、なんともいえない複雑な気持ちを与えてくれて、ありがとうという気持ちになる本だった。

    特に、孫係、あねごの話が好き。

  • 久々の西加奈子さん。

    自分に自信無くなったときにはこの人に戻ってくる。

    ああ、西加奈子さんだなと思ってまた現実世界に帰る。

    この本だけでなく他の作品も是非読んでほしい。

    西加奈子さん作品かなり読破した者より

  • 3.0さまざまな女性の生き方の肯定の物語。生きていくのは、男でも女でもしんどい。なにかを肯定して明日につなげるのは、誰も同じ。そんな短編集。

  • むちゃくちゃ読みやすいけど、面白くはなかった。唯一、孫係は印象に残った。係やと思えば何でも楽しくやり過ごせるのはほんまにそうやし参考にしたい。

  • いろんなものが辛さが積み重なって号泣してしまった日、彼がこの本を渡してくれました

    初めての西加奈子作品だったけれど
    自然と心があったまってまた少し泣いてしまった

    立ち直れるように、
    本当におまじないをかけてくれるみたいな本でした

  • 面白かった

    長濱ねる対談

    孫係
    あねご
    が好き

    自分を弱い人間だと思うことで楽になれる

    いい子って根からいい人より努力してるんだからいいじゃん。求められてる自分になろうとする努力。

  • 8つの作品からなる短編集。

    「言葉」が「一人の存在」が日常でもがいている人の救いとなることがある。

    どの作品も温かくて、西加奈子氏の優しさが滲みでています。

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著者プロフィール

1977年イラン・テヘラン生まれ。2004年『あおい』で、デビュー。07年『通天閣』で「織田作之助賞」、13年『ふくわらい』で「河合隼雄賞」を、15年『サラバ!』で「直木賞」を受賞した。その他著書に、『さくら』『漁港の肉子ちゃん』『舞台』『まく子』『i』などがある。23年に刊行した初のノンフィクション『くもをさがす』が話題となった。

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