メグル

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488024536

感想・レビュー・書評

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  • 5本の短編集

    どの話にも、大学のアルバイト紹介部署で働く謎めいた女性から大学生がアルバイトを紹介されるという共通部分がある。

    派遣される学生になんらかの好影響をもたらすアルバイトが紹介される。なかなか奇妙な物語であった。

    1970年生まれのこの作家の作品は、もう少し読んでみたい気になった。

  • 2012 10/30

  • H大のバイト斡旋窓口にいるミステリアスな女性職員が「あなたは行くべきよ。断らないでね」と半ば強引に紹介するバイトは、「知らないお婆さんの遺体に一晩添い寝」や「紹介されたバイト先と自分の家の住所が同じ」など奇妙なものばかり。
    学生たちは、そこで人生観を変えるような体験をすることになる。
    あと少しパンチが足りない感じもあるけど、ゾゾっとする話からジーンとくる話まであって好きな設定の短編集でした。
    不思議な能力を持つ悠木さん(女性職員)に何が見えてるのかもっと知りたかったな~。

    「ヒカレル」「モドル」「アタエル」「タベル」「メグル」

  • こういうのすごく好き。「モドル」は現実にありそうで読んでて居心地が悪く、だから余計に感動した。

  •  乾ルカさんの三作目です。
     一編目の「ヒカレル」は読みながら「来た来た、これだよ」とワクワクしながら読み進めていたのですが、途中から概ね予想した展開になっていってしまいました。でも、この編の雰囲気は私の持っている乾作品のイメージだったので、それでも嬉しく感じます。

     そして表題作でもある「メグル」は、切なさと共に命の尊さがじわじわと感じられる内容。素敵だな、と思う反面、回りくどくも感じました。
     その他の編は、家族愛や友情、孤独や傲慢さ・弱さも描かれていて、それぞれはよく伝わってくるのですが、何か物足りなさを感じました。

     主人公の先輩や同級生が登場してきますが、その彼らがとても魅力的。立ち位置が主人公よりほんの少~しだけ下がっているという位(意味不明かな?)で、そのキャラがとてもいい。脇役がいいと、主人公が引立ついい見本だと思いました。

  • この作家さんとは相性がいい気がする。
    淡々とした筆致に、行間から滲み出るしっとりとしたものが絡まって、とっても好きな文章。
    って、抽象的ですが。

    本書では、ダークなイメージの「アタエル」が一番好き。
    徐々に追いつめられていく緊迫感と毒のある終わり方がいい。
    乾さんの本気の毒を読んでみたい気になる。

    最後の「メグル」は乾さんの人に対する愛情が溢れていて、
    読後感が最高。

    これからも追いかけたい作家さんになりました。

  • 数冊読んだ乾ルカ作品の中で一番好きです!
    「あなたは行くべきよ、断らないでね。」
    このセリフがこの本の全てですね。

  • 「あなたは行くべきよ。断らないでね」
    H大学学生部奨学係悠木さんのこの言葉からドラマは動き出す。5篇のお話。一回ぱ〜っと読んで、いやいや、もう一回と読み直し。どれも面白かった。タイトルもいい。センスあるなぁ。乾さんの本、もっと読みたくなった。

  • 学生部の女性職員ユウキさん…他人とは思えない(笑)

    短編ですが、舞台設定が変わらないので続きもののように読めます。

    それぞれ味わいがありますが、一作だけはちょっと苦手(アンハッピーエンド)でした

    逆に最後の一作は…何となくこの先が知りたい…と思わせる内容で引き込まれたままジ・エンド…ですが、後味は悪くないですね

  • ローカル話は楽しい。は、「夏光」「プロメテウス」でも書いたが。

    メグルは察するに「北大」の学生課なのだろう。悠木さん。という謎の女性が進めるアルバイトは、基本仕様「あなたは行くべきよ。」

    それはその学生の心の憂いにリンクした「行くべき」仕事。札幌の風景とあわせて読めば、そりゃ面白くも感じるわけで。

    雪囲いから始まる花の芽吹きのありがたさがしみる「メグル」がGood!

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著者プロフィール

乾ルカ
一九七〇年北海道生まれ。二〇〇六年、「夏光」でオール讀物新人賞を受賞。一〇年『あの日にかえりたい』で直木賞候補、『メグル』で大藪春彦賞候補。映像化された『てふてふ荘へようこそ』ほか、『向かい風で飛べ!』『龍神の子どもたち』など著書多数。8作家による競作プロジェクト「螺旋」では昭和前期を担当し『コイコワレ』を執筆。近著の青春群像劇『おまえなんかに会いたくない』『水底のスピカ』が話題となる。

「2022年 『コイコワレ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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