メグル

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488024536

感想・レビュー・書評

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  • 不思議な奇妙な5篇からなる短編集。
    『タベル』『メグル』が好きかな。

    こんな風に、自分の問題に違う方向から光を当ててくれるようなバイトがあれば、ぜひやりたい。誰かユウキさん的な能力を持つ人いませんか?
    「あなた行くべきよ。断らないでね」とバイトを紹介してください。

  • 大学内の奨学課でミステリアスなゆうきさんが、アルバイトを紹介する。
    軽くホラーで、ゆうきさんはミステリアスなままだけど、面白かった。
    タベルが良かったなぁ。
    道内の地名が全てイニシャル表記で、どこかなぁ~って考えるのも楽しかったな。

  • アルバイトを探して大学の学生課を訪れる5人の大学生。
    「あなたは行くべきよ。断らないでね」
    半ば強制的に勧められるアルバイトは、奇妙なものばかり。

    亡くなったおばあちゃんの手を握り、一晩すごすこと。
    偶然なのか、父親が病気で入院していた病院の売店の、商品入れ替え作業。
    2週間、1日一度の犬の餌やり。
    週に一度、とある家を訪れて、食事をとること。
    一軒の家の庭の雪囲いと、春の雪囲い撤去の手伝い。

    大学生自身も問題を抱えている。そして引き受けたアルバイト先にも問題がある。
    アルバイトを通して、人と人とがふれあい、小さな奇跡が起こっていく。

    「犬の餌やり」はちょっと背筋が寒くなったけれど、他のお話は心があたたかくなるもの。
    読んでよかった。

  • 面白かった。各章の個性が自然体で読み易かったし、それぞれの主人公たちにバイトを斡旋する悠木さんが、出番は少ないのにミステリアスで魅力的で存在感があって引き込まれた。「あなたは行くべきよ。断らないでね」までの各やり取りが、押しは強い筈なのに淡々と飄々としているせいか強要染みた嫌な感じに全く繋がらないところも良い。最後の書き下ろしの「メグル」だけは書かれ方がちょっとややこしくてあまり入り込めなかったけれど、それ以外の四作品はどれもするすると楽しめた。

  • ホラー要素のある不思議なお話の短編集。

    ちょっと『世にも奇妙な・・』に出てきそうなストーリー。
    え?それってつまり??的な終わり方のお話もあったり。
    バイトを紹介してくれる謎の女性、もう少し掘り下げてくれてもよかったかなぁと思ったり(笑)
    続編があるなら彼女の秘密に少し踏み込んでほしいです^^

    一話目の『ヒカレル』は実際そういうことになってるのかもなぁ、なんて思ってしまったお話でした。

  • ヒカレル…評価はこの作品。おばあちゃんの変化が人の心のうつろいやすさを上手く表している。優しい温もりが残る傑作。
    モドル…そんな所に指輪が落ちているのか。今後さりげなく探ってみるか。
    アタエル…与えていた肉と小屋の中にいた生き物が意外だった。後味が不気味。
    タベル…これもいい作品だった。学生生活の自由を謳歌する学生とは対照的に不自由な生活を強いられる雇い主。食事をしながらそれぞれの心が結び付いていくみたい。
    メグル…内容からすると悲しいはずなのだけど悲しさや怨念は全くなく、花を愛する優しい色のレイヤーだけがある。

  • 『ばくりや』と似た感じの連作短編集。大学学生課で学生にアルバイトを斡旋するミステリアスな美女・悠木さん。ちょっとオカルトめいていて怖いところもあったけど面白かった。タベルが良い。2012/410

  • (収録作品)ヒカレル/モドル/アタエル/タベル/メグル

  • 大学学生部から紹介される少し変わったアルバイト。
    「ヒカレル」
    亡くなった老婆が、他者を連れて行かないように寝ずにその手を押さえつけておく。そのバイトを受けた学生は悪性腫瘍に侵されていた。

    他に「モドル」「アタエル」「タベル」「メグル」から成る連作集。

  • 大学生にまつわる不思議なバイトの話し。楽しめた♪
    2014.5.2

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著者プロフィール

乾ルカ
一九七〇年北海道生まれ。二〇〇六年、「夏光」でオール讀物新人賞を受賞。一〇年『あの日にかえりたい』で直木賞候補、『メグル』で大藪春彦賞候補。映像化された『てふてふ荘へようこそ』ほか、『向かい風で飛べ!』『龍神の子どもたち』など著書多数。8作家による競作プロジェクト「螺旋」では昭和前期を担当し『コイコワレ』を執筆。近著の青春群像劇『おまえなんかに会いたくない』『水底のスピカ』が話題となる。

「2022年 『コイコワレ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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