メグル

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 94
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488024536

感想・レビュー・書評

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  • 20100704読了。短編5作。
    ★「ヒカレル」内容はホラー的だが、コミカルな表現で楽しめた。

  • 本書は、『夏光』によって注目を浴びた著者による、

    ミステリー風味の短編集。


    大学でアルバイトを斡旋された学生が体験する

    少し不思議な体験を描く5話を収録します。


    父親が入院する病院の売店でたな卸しをする女子大生を主人公にした『モドル』


    海外旅行中、飼い犬に冷凍した「肉」を与えるだけの高額アルバイト

    これを引き受けた学生に生じたある「疑念」と、その衝撃の結末―(『アタエル』)


    日常系、心霊系、サスペンス系-とタイプは異なるものの

    どの作品も、筆者ならではのミステリアスで耽美的なテイストを堪能できます。


    いずれも印象深いのですが、とりわけ心に残ったのは、

    学生が暮らす家を、自分の家だと言いはる奇妙な女性を手伝うことになる表題作『メグル』


    女性の正体は何ものなのか?―という、

    ミステリーとしてのおもしろさはもちろん、

    物悲しくはかない心理描写と、

    著者の世界観が色濃く現れた、最後の一文に心を鷲掴みにされました。


    人間の優しさ、悲しみ、悪意

    そして、世界の美しさを情感豊かに綴る本書。


    著者やミステリーのファンはもちろん、

    一人でも多くの方にオススメしたい著作です。

  • 取り上げられているのは、日常のミステリとでも言うのだろうか?殺人や大事件を取り上げるわけではなく、身の回りのささやかな謎解きを扱っているのだが、意外に面白い。少しブラックがかったユーモアと不気味な雰囲気を漂わせる話の運びはなかなかのもの。うまい語り口で読み手を、不思議な世界へと引き込んでいく。

  • 空の青は春らしく、薄く紗(シャ)がかかったようである。輝く陽光がその紗に乱反射して、上空全体が眩しい。自分がなにもしなくても、季節がくれば太陽は輝きを増し、木々の枝は薄緑の靄(モヤ)をまとうように萌芽(ホウガ)してゆくのだ。
    ーーーーーそれってすごく素敵だと思わない?
    「私がいなくても、きっと誰がいなくなっても、季節は当たり前にめぐる。今日みたいに心地よい日が必ずくる。空は高く晴れて、風は爽やかにそよいで、花たちはきれいに咲いて。
    ーーーーーーそれってすごく素敵だと思わない?

  • 結構キモい。

  • 微妙にホラー的要素が入っているけどさっぱり怖くない。「タベル」は唯一ほっこりする話で良いです。ただ全体的にキャラが好きになれなかった…あと乾さんの比喩表現って時々「?」という物があって、その度立ち止まっちゃうからさらっとは読めなかったかも。

  • きれいにまとまっている。
    そんなに熱いものとか荒ぶる魂とかではない。
    でもわくわくさせてくれる。面白い。
    伏線も丁寧に回収しており好感が持てる。
    全体的に優しい感じ。
    読後感はすこぶる良い。

  • おもしろい短篇でした!

    ヒカレル と タベル が好きだなぁ

    サクサクっと読める本なのでぜひ読んでみてくださいませ
    断らないでね(笑)

  • 「あなたはこれよ。断らないでね」奇妙な迫力を持つ大学学生部の女性職員から半ば強要され、仕方なく指定されたアルバイト先に足を運んだ大学生たち。そのアルバイトは、彼らに何をもたらすのか?5人の若者を通して描かれる、さまざまな感情を揺り動かす人間ドラマと小さな奇蹟の物語。小説の楽しみを存分に詰め込んだ、ブレイク必至の作家による愛すべき傑作。

  • 5人の大学生が学生部で紹介された、不思議なアルバイトの話。
    初めて読んだ作家さんだけれど、かなり好きな感じ。
    さりげなく上手いというか、さらっと読めるけれど、後からじわっときて心に残る作品。
    しばらくしたら、また読みたい。

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著者プロフィール

乾ルカ
一九七〇年北海道生まれ。二〇〇六年、「夏光」でオール讀物新人賞を受賞。一〇年『あの日にかえりたい』で直木賞候補、『メグル』で大藪春彦賞候補。映像化された『てふてふ荘へようこそ』ほか、『向かい風で飛べ!』『龍神の子どもたち』など著書多数。8作家による競作プロジェクト「螺旋」では昭和前期を担当し『コイコワレ』を執筆。近著の青春群像劇『おまえなんかに会いたくない』『水底のスピカ』が話題となる。

「2022年 『コイコワレ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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