クララ殺し (創元クライム・クラブ)

著者 :
  • 東京創元社
3.38
  • (23)
  • (51)
  • (99)
  • (16)
  • (4)
本棚登録 : 814
感想 : 81
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488025502

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • アリス殺しとはまた設定の異なる世界でそこでまた例外があり、一貫性がないなぁと思いながら読んでいたが最後にアリスの物語につながる人と思わしき人が出てくるため、これはもしかしてシリーズ通して逆向きに進行してるのか?と思ったので次のドロシイ殺しを読むことに。
    今回はハイジでも出てくるかと思ったけど、そうでもなく、様々な物語が組み合わされていて、そのために登場人物も多くまた地球のアーバタールもいるので最後ら辺は理解が追いつかなくなりそうだった。混乱しないために名前を覚えていきながら読むことをお勧めします。

  •  前作アリス殺しの続編。

  • アリスと比べると言葉遊びが減ってしまったような気がする。井森くんもうちょっと冷静に推理ができるキャラだと思ってたよ。くるみ割り人形だけじゃなく、ホフマンの他作品も関係してくる。アリス殺しとこうやって繋がるのか!

  • 前作と共通するのは、主人公の井森建=ビルのみ。ビルが不思議の国から迷い出て別の世界に迷い込んでしまった。そこにも、地球にアーヴァタールを持つ人がいて、という設定。ビルが忘れっぽいという設定のため、会話がとてもまどろっこしい。さらに不思議の国と違って、あまり馴染みがない世界なのが辛い。巻末に解説があるが、本書の趣向に関係があるので読まないようにと書いてある。でも、最初の場面が終わったあたりで読んだ方がいいと思う。読んでも、やっぱり混乱したけれど。

  • アリス殺しの続編。
    前作の井森/ビルが主人公。
    ホラーや猟奇描写は少なめ? 
    前回の舞台設定はもう受け入れているので
    ワクワクしながら読み終えられた。

  •  『アリス殺し』の感想を探していた時だったか、とにかく『アリスで殺し』の続編だというのを知り、読むだけ読んでみようとBooklive!で購入してみました。
     井森くんの名前をふたたび読むことができて嬉しい反面、クララと言ったらわたしが知っているのは『アルプスの少女ハイジ』のクララ、とはいえそのクララすら実際のところ殆ど知らず、車椅子に乗った金髪の少女という認識くらいで、果たして今回のクララが同じクララなのか?という謎に包まれながら読み進めました。
     開始早々、OO世界という触れ込みが出てきて、ん?っていう謎に満ち、とりあえず横文字が多くてぐるぐるしてきてーー主人公たち含め、不思議な住人なのでカタカナの文字の人間がたくさんなのは仕方ないのですが、それでもまぁ、こんがらがりそうになり、自分は登場人物がどこどこ出てくる小説は苦手なんだなあと思いながら、誰が死んだ死んでないみたいな物語に突き進んでいって、あぁ、これも犯人当てみたいな感じで進んでいくんだなあとぼんやり。
     それにしても、今回、井森くんは四回?いや、三回か、死んじゃって、あれまぁ簡単に死にすぎじゃない?
    (一回目は落とし穴にて彼女と一緒に死ぬ、二回目は調査中の落とし穴、三回目の落とし穴に入り込んで手紙を見つけて、の合計三回ね)
     世界線が違うとはいえーー世界線が違うからかーーほんと不思議な世界なのねっていう感じ。
     でもやだなぁ、死ぬのがわかっていて喉元に針が突き刺さるだとか首を絞められるだとかその他諸々、ゆっくりだとか苦しいだとか、現実世界ではそうそうお目にかかりたくない。
     死に際でいったら前回の『アリス殺し』のビルの殺され方のほうが酷いので、そういう意味では井森くん(殺されたのは今回はビルじゃないからね、今回は全部井森くんが殺されるって落ちだったからね)はまだましなのかなぁ。
     いやまぁ前回も井森くんの死に様は綺麗ってわけじゃなかったけど……ビルのほうがひどかったし……今回に関しては、"ビルは"死んでないしね……。
     今回のラストは、なんかあんまり釈然としなくて、もやもやしました。
     前回はざまぁwみたいな落ちだったから、余計に。
     糾弾されて終わりって、前回は人殺しをしておいて?って。鼻つまみ者にはなったけど、そんなんね、不思議の住人ならとっとと忘れちまうでしょうや。ん、いや、まだ、地球と似ているっていう物語で、帽子屋とかのトリッキーな存在はいないみたいだから、まぁ、ずっと、ねちねち言われるのか。
     とはいえ、そしたら閉じこもっていたらいいわけだしねぇ。
     物を食べないと死ぬ、とかなら、まぁちょっと買い物が厳しいかもしれんが、厳しいってだけでできない、ってわけじゃないしねぇ。困んないじゃん。
     まあ、それはそれとして。
     最後の符牒にぞわぞわ。いろんな意味で。悪かないけどね。うん。
     ブージャムやらなんちゃら、流れとしては、クララ殺し→アリス殺し、ってことよね。
     最後の若い女性は、亜理のことさね。
     そう思って、『アリス殺し』を読み直してみたら、水曜日の蒸着装置の予定なんたら、ってのが出てきていて、あーっ!って叫んでしまった。
     ただ、そのまま読み進めたら、長々とした会話劇が続き、あれ、違った?リンクしてない?からの、最後の最後、スナークは、ブージャムだった、って展開で、あぁ、うん、そういう!ってなる。

     "ホフマン"はなんか聞いたことあるなあ、くらいの人間だったので、ググったらくるみ割り人形か!ってなって、いや待てくるみ割り人形もそんなしらねぇよ、ってなるの巻。
     チャイコフスキーのクラシックのほうしか、しかも名前しか知らんっていう。
     元ネタ知っている人、どのくらいいるんでしょう。SFとかに造作の深い人なら、こんなん当たり前ってくらいに知っているんでしょうか。
     そいでググっていったら、くるみ割り人形、チャイコフスキー、ホフマン、と続けていっていくうちにデュマって名前も見つけて、デュマ?聞いたことあるぞ?ってふたたびググったら、モンテクリスト伯かー!ってなるの巻。

  • 本当のアーヴァタールは。
    誰しもが真実を話、自分の正体を曝け出しているけでなく嘘に嘘を重ね犯行に及ぶ者もいるのだな。
    素直に正体を教えるのは、相手の様子や信用出来るかなどを確認したのちにすべきなのだろうな。

  • 車椅子のクララで登場したら、アルプスの少女で、ハイジが犯人!…と思いきや、くるみ割り人形の方でした。
    アリス殺しのときのようなスプラッタ感はあまりなく、両世界のリンクによる叙述トリックも二度目となると新鮮味が抜けて物足りない。

  • 『アリス殺し』の続編。
    不条理な会話文が本当に面白くて好き。
    開始数ページでビルが最高にビル。
    ただ、不思議の国の住人たちとしての会話なら堂々巡りみたいな会話でも構わなかったけど、井森くんとか地球でそれをやられると、ただの難しい話がこんがらがってるだけというか、遅々として進まない感があってモヤモヤした…。
    それでもビルの癒し効果はすごい。何しゃべっててもかわいい。

    アリスの時も思ったけれど、パロディ系はやっぱり元ネタわかってた方が面白いものだなと思った。
    今回のくるみ割り人形とかは元ネタ知らなかったので、元ネタ読んでから読み直したい。

    それにしても井森くん今回死にすぎでは?

  • アルプスの少女のクララかと思いきや、全然違った。アリス殺しは乗りきれなかったけど、今回は動機の創出、どんでん返し含め本格らしくとても楽しめた。過去作の登場人物がちょいちょい出てくるのも作者らしい

全81件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

1962年京都府生まれ。大阪大学大学院修了。95年「玩具修理者」で第2回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞し、デビュー。98年「海を見る人」で第10回SFマガジン読者賞国内部門、2014年『アリス殺し』で啓文堂文芸書大賞受賞。その他、『大きな森の小さな密室』『密室・殺人』『肉食屋敷』『ウルトラマンF』『失われた過去と未来の犯罪』『人外サーカス』など著書多数。

「2023年 『人獣細工』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小林泰三の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×