- Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488025502
感想・レビュー・書評
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大学院生・井森建は、ここ最近妙な夢をよく見ていた。自分がビルという名前の蜥蜴で、アリスという少女や異様な生き物が存在する不思議の国に棲んでいるというものだ。だがある夜、ビルは不思議の国ではない緑豊かな山中で、車椅子の美少女クララと“お爺さん”なる男と出会った。夢の中で「向こうでも会おう」と告げられた通り、翌朝井森は大学の校門前で“くらら”と出会う。彼女は、何者かに命を狙われていると助けを求めてきたのだが…。夢の“クララ”と現実の“くらら”を巡る、冷酷な殺人ゲーム。
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『アリス殺し』の姉妹編。前作と同じく、というよりも前作以上に、要素が複雑に絡み合っており、しかもあちらの世界とこちらの世界も複雑に入り組んでいて、謎解きにかかる辺りからはことに、頭の中がグルグルしてくる。誰が誰のアーヴァタールで、誰と誰が通じているのか、さらには誰が改造されて元とは違う存在になっているのかが複雑で、解きほぐせなくなってくる。しかも、罪と罰の観念もあちらとこちらでは違うので、なにを持って解決とするのかも不確かで、いささか消化不良気味でもあり、哲学的と言ってもいいかもしれない。次々に暴かれる本体とアーヴァタールの相関関係が判ってくると、どんどん先を知りたくなる一冊でもある。 -
残酷童話シリーズ。いや、こんなシリーズ名ではないと思いますが。
車椅子でクララときたらハイジだろうって思ったのですが、クララ違いでした。
アリス殺し読了済なので、一筋縄ではいかないことは理解済。似てるから同じとは限らない。
ホフマン作品は読んだことないなー。くるみ割り人形は、改変済ののあらすじ読んだくらい。
というか一番突っ込みたいのが、諸星ダンもとい隼人貴様…どこにの世界に飛んでんだお前!
なんで銀色の巨人になってんだよちょっと羨ましいなおい! -
「アリス殺し」の続編。前作の手口はわかっていた筈なのに、今回も綺麗に騙された。トリックを悟らせない書きぶりが見事です。
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「アリス殺し」続編
蜥蜴のビルが迷い込んだ『ホフマン宇宙』。そこの住人のクララとドロッセルマイヤー。彼等のアーヴァタールが地球の井森に捜査を依頼。命を狙われているクララとくららを助ける事は出来るのか。
出ましたねー、続編。
ビルがいいなぁ、面白い。実際相手をすると大変なんだろうけどね。蜥蜴だし。できれば関わり合いたくないないんだけど、なんでそうなんの?って感じに会話が横滑りする様は読んでて楽しい。成り行きで捜査をするビルと井森の活躍と会話を楽しんでください。 -
まさかの「アリス殺し」続編。ビル&井森が「ホフマン宇宙」で起こる事件に挑むのだけれど……ホフマンって何? と思ってしまいました。いえいえ、ご存じない方でもきちんと最後に解説がありますので安心です。今作も前作同様、それぞれの世界とアーヴァタールを巡る謎があるので、前作を先に読む方がいいかも。
今回も謎はかなり複雑に入り組んでいてぐるぐる。ただし、前回のパターンを踏襲すれば、真相の5割くらいは分かったかも? でもこの世界独特の要素も踏まえて、すべての仕掛けを見抜くことはかなり難しそうです。ほんっとうに根性悪いなあ(誉めてます)。
しかしそれにしても井森……○○されすぎっ!(笑) ここまで来ると同情よりむしろ笑えてきてしまいます。そして小林泰三さんの他の作品に登場するある人物までが出てきたり、当然「アリス殺し」とのリンクもあったりと、サービス満点の一冊でした。 -
アリス殺しの予備知識で裏があるのは察していたけど、今回は元ネタを知らないせいで名前も馴染みがないし混乱。ハイジのクララかと思った。相変わらずビルの間抜け感が好み。
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約4時間で読み終えました。
前巻程の臨場感は無くとも、躍動感があります。
そして井森に対して少しimageが変わりました。
前巻はあれ程頼りになる存在だったのに、今巻は意外と間が抜けています。
同じ場所で3度殺されるなんて……。
頭の回転は変わりがないだけに、これが残念でもあり彼らしくもあります。
それから登場人物の相関で驚く様な事があり、2巻読了後はこのseiresは是非続けて欲しいと感じました!!
少し意外だったのが、今巻は前巻の前に起きた事件だと言う事です。
その直後に前巻の話が立て続けに起こり、井森も疲れているだろうに…。