- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488025540
感想・レビュー・書評
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人生を大きく狂わせることになった義弟の失踪から12年、その死体が発見された知らせに弔いのために主人公は町へ戻る。冷たい仕打ちを受けながら、彼は当時の幸福と絶望を思い起こしていく……閉鎖的な環境でさびれつつある村を舞台に、とつとつと人の愛憎を描いたサスペンス。
初読みの作家さんでしたが、人間関係や起こる出来事がかなり陰鬱としているわりに、さくさくと淡々とした筆致なのでそれほど読むのにしんどさは感じませんでした。
とはいっても主人公が出自からあまりにも不憫で、何とか報われてくれないかなと願わんばかりでしたが……それは最後にああなってくれたので、ほっとしました。
旧来の風習は守るべきもの、尊ぶべきものである一方で、殺されていくしかない「自我」もある。その抗いようもないさがにさまざまに狂わされていく登場人物の哀しい「舞」が後を引く物語でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
つまらない
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なかなか複雑で厄介で面倒な風習と言うのか、一方的で不平等と思わせる事は日常を歪ませる。
最後は期待通りで終わった。 -
何時代の話だと思うような因習に囚われた人々の物語。
主人公の代助の心情が最初理解できなかった。良い結果に繋がりそうな未来があるのに、なぜ掴まないのか。
少しずつ情報が足りず一気に話を読ませる手腕はさすが。
しかし、物語が終わったあとはどうなるのか、代助と真琴がどうなるのか、少し不安。 -
相変わらず湿度がある
主人公が攻め続けられるのは遠田作品の特徴?
転落と謎解きがうまく調和してる -
封鎖的な田舎町を舞台とした切ない人間ドラマです。代助の孤独と絶望が胸を打ちます。
過去に何があったのか真相を探る代助とともに、のめり込むようにして一気読みしました。
泥沼の人間関係を描いても不思議と粘着性を感じさせない。遠田さんの個性なのだろう。 -
2018.4.12 読了
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自分たちの都合ばっかり。あまりにも自分勝手すぎる。
受け入れたのなら、何があろうとも最後まで責任を持つべきでは? こう何度も人を傷つけていいわけがない。他人の痛みなんて知ったこっちゃないってことなんだろうか。
責任を持てないのなら、最初から関わりを持たないことだよ。