定価のない本

著者 :
  • 東京創元社
3.32
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本棚登録 : 569
感想 : 78
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  • Amazon.co.jp ・本 (461ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488028039

感想・レビュー・書評

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  • “本”や"古書店主”のキーワードや
    表紙に描かれている無数の本に
    惹かれて手に取った1冊。

    戦前から戦後にかけて
    日本の貴重な書物を文化を歴史を
    未来に伝えていくために
    命懸けで古書物を守った古書店主たち。

    今当り前のようにある日本文化や歴史は
    必死に守ろうとする人々がいたから存在するのだと思うと
    守り後世に残してくれた人々に感謝を伝えたい。
    そもそも感謝しながら日本文化や歴史に触れていかないと思った。

  • 面白かった。この作家らしさと意外性の組み合わせ。ミステリーと言えるかどうかは微妙だけど、ジャンルに拘らず、愉しさだけで言えば満足点。

  • 神保町が舞台のミステリー小説

    弟分の古書店主が亡くなり幕があける。
    GHQとの攻防や本の仕入れ等の項目は、興味深くはあったが、結末を迎えるにあたり尻すぼみの印象を受けた。

    個人的には消化不良ではあるが、神保町の店主たちの話し合いの場面は、矜持を見せつけられた感じがしてとても良かった。

  • 今までの歴史小説の方が面白くて好きだった。

  • 読んだことのないジャンルの本でした。
    古典は「のこる」ものじゃない、誰かが「のこす」ものなんだ
    というフレーズは様々なことに通ずるのかなぁと思い、誰かが人知れず闘って守られているものは世の中に沢山あって、それが復興に繋がっているのだと感じます。
    主人公が芯のある人物で、数段格上の相手とやり合うのは読み物としては読後感もよく面白いです。

  • 戦後の神保町、古典籍ミステリ?といえばいいのかな。敗戦国として自分たちの歴史に自信を失くした日本国民は古本としても価値が暴落した平安時代からの古書等を手放す。そこを狙ったGHQと戦う古典籍専門書店当主が主人公。どんでん返し的な展開はちょっと漫画チックだけど面白く読み終えました!

  • 「日本すごい」的な展開にならなかったのはよかったが、大発見であったはずの壁にあいた複数の穴が結局何でもないことになってしまったのはどうなのだろう。

  • トントントンとテンポよく読めるけど。
    歴史統制するのってこんなめんどくさいことするの??
    ここまでそれに真っ向対立させてくれるの??
    ってイマイチ共感できなかったなー。
    当時の人々は本当に心の底から神話時代の建国の神々が天皇家の祖先だって思っていたのかな??

    ただ、古典は「残る」ものではなく「残す」ものっていうのはとても共感。
    どれほど多くの古典・文化が失われ、今現在も失われつつあるか・・・

    あと、文章中にいきなり()とかで心の声を入れる文章の書き方もちょっと好みじゃないかな。

  • 全ての読書家に捧ぐ。戦後の混乱期、神保町の古書店街を舞台に不審死とGHQの暗躍を絡めた傑作ミステリー。

    日本で最大の古書店街である神保町。戦後の混乱期、多くの書籍が戦火で失われ新刊も少ない中、一時的に活況を呈す。しかし古典籍、明治以前の和装本は華族の没落により市場に出回るも買い手がつかない。

    本書は、古典籍を専門とする主人公が本棚が崩れて亡くなった親友の死を探るミステリー。共産党、GHQ の存在が次第に浮かび上がる。日本文化を抹消しようとするGHQ と守ろうとする古書店主たちの意地のぶつかり合いが何とも痛快。

    徳富蘇峰と津島修治という実在の人物が登場するのがリアリティを高めている。

    最近の古書店といえばなんと言ってもBOOKOFFとAmazonのようなネット通販を使う機会が多い。だがたまには古書店で直接に本を手に取ったり、また研究者や作家が一定のテーマの書籍を買い集めるようなこともあるだろう。そう古書は一つの文化なのだ。

    古書の持つ魅力、神田神保町を舞台としたミステリーを通じて再認識することができた。

  • 朝日新聞の「好書好日」にインタビュー
    https://book.asahi.com/article/12843564

    終戦から復興を遂げつつある古書の街・神田神保町の一隅で、ひとりの古書店主が人知れずこの世を去った。古書の山に圧し潰される皮肉な最期を遂げた商売敵を悼み、同じく古書店を営む琴岡庄治は後処理を申し出るが、彼の周囲では次第に奇妙な出来事が起こり始める。行方を眩ませる被害者の妻、注文帳に残された謎の名前、暗躍するGHQ――名もなき古書店主の死を巡る探偵行は、やがて戦後最大級の“計画”を炙りだす。直木賞受賞作家の真骨頂と言うべきミステリ長編


    戦後のGHQから日本の歴史を守るために奮闘する古書店店主たち。教科書には載っていない歴史が町の中にもあったんだと知り 面白かった。ただ、殺人事件の真相はちょっとがっかり感かな。

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著者プロフィール

1971年群馬県生まれ。同志社大学文学部卒業。2003年、第42回オール讀物推理小説新人賞を「キッドナッパーズ」で受賞しデビュー。15年に『東京帝大叡古教授』が第153回直木賞候補、16年に『家康、江戸を建てる』が第155回直木賞候補となる。16年に『マジカル・ヒストリー・ツアー ミステリと美術で読む近代』で第69回日本推理作家協会賞(評論その他の部門)、同年に咲くやこの花賞(文芸その他部門)を受賞。18年に『銀河鉄道の父』で第158回直木賞を受賞。近著に『ロミオとジュリエットと三人の魔女』『信長、鉄砲で君臨する』『江戸一新』などがある。

「2023年 『どうした、家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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