- Amazon.co.jp ・本 (461ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488028039
感想・レビュー・書評
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占領軍の「ダスト・クリーナー計画」実際にあったと思わせる筆力。歴史とそれを源泉とする肥大化した日本人の自尊心奪うため歴史を、古典籍を奪う。「古典は『のこる』ものじゃない、誰かが『のこす』もの」いろいろ考えさせられる。門井さんらしい歴史ミステリー。
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ん〜〜私には合わなかったかもしれない…
頑張って読み続けましたが内容が頭に入って来ず…
リタイアしました -
戦後の混乱の中、古書店街、神保町で一見事故と思われる死体が発見される。
その死に疑問を抱いた古典書を専門に扱う庄治は、謎解きを始めようとして事件に巻き込まれてしまう。
戦後の復興、古書には高値が付くのに古典書が値崩れ、それをGHQ(アメリカ)にどんどん買い付けられてしまう‥。GHQの目的とは?
いち古典書専門店の店主が大きな波にのまれそうになりながらも、それに抗う様子にハラハラしました。
見過ごされがちの一つの事件が、実は日本の国の国民の思想や未来をも左右するような大きなことにつながっていたとは。
フィクションではあるけれど、実際のところ、こういったことも起こっていたかもしれない…と感じました。 -
途中までは面白く読めました。
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神田神保町の古書店主が、本の下敷きになって亡くなった。
兄貴分の庄治は、その死の謎を解くために動き始めた。
戦後の混乱期、GHQの日本国民を矯正するという目的でなされた歴史を奪う行為はフィクションでいいんですよね?
古典は誰かが明確な意志と知識をもって努力をしないと『そこにある』ことは不可能。
『のこる』ものではなく、誰かが『のこす』ものなのだということを、改めて知る読書でした。
私には合わなかったかも、です。 -
古典籍に関わるミステリー。
舞台は神田神保町、神田神保町と聞くだけで楽しくなる。
印象に残った文章
⒈ 本を売る者に、悪者はいない。
⒉ ダスト・クリーナー計画
⒊ 国家どうしの文化戦争 -
戦後、日本の古典をあやうく全部なくしてしまうところだったのを、古書屋の琴岡庄治が救う物語。
古書の奥深さ重さを感じる。
正倉院展に行ったときさらにおもむきあるものになり得る。
文章のリズムが心地良かった。 -
戦後の古本屋の矜持。GHQとの闘い。大袈裟なところもあるが、いいところをついている。
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ミステリと思わせて、古典籍の復活劇やアメリカVS日本の文化的対決が熱い内容です。
ミステリ的要素はオマケのようなもの。
本で圧死なんてトリックとしてなかなかシュール。
そこへGHQが入ってきたりと、古書とアメリカの取り合せにたじろぎました。
偶然が偶然を呼ぶ展開や、どこかシュールなやりとりなど、気が抜けるようなストーリーの運びや、門井節が癖になります。
それでいて、古典復権や、日本人が歴史を取り戻すプロセスはなかなか熱い。
日本人が築いてきた歴史そのものの価値や重みにも気づくことのできる本です。
膨大な史料の数々が出し惜しみなく売り捌かれていく場面があるのですが、してやったりという気分になれます。
門井氏にしか書けない作品です。
が、エンタメ性でいうとあっちこっちに話が飛んだり、飾り気のない文章は人を選びそう。
古典という科目を持つ身としては、歴史的史料として、日本人の文化的教養として、古典のあり方を考え直すきっかけになりました。
なによりも、日本という国に生まれたこと、不要論などが出つつも、「源氏物語」や「百人一首」などの古典が今なお日本人の一般教養として根付いていることに誇りを持つことができるます。 -
戦後の神保町を舞台に、本に埋もれて亡くなった古本店主の死の謎を探りGHQと戦う主人公。文士達や丸善、白木屋事件も登場し、戦後の日本の状況がてんこ盛りで面白かった。