未来のイヴ (創元ライブラリ) (創元ライブラリ L ウ 1-1)
- 東京創元社 (1996年5月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (492ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488070045
感想・レビュー・書評
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正漢字・歴史的仮名遣いということで、読書にはかなりの時間を要する。中学生の時に挑戦したが敢え無く挫折。成人してからでもかなり時間がかかった。
自然主義文学の時代に書かれたものとしてはかなり幻想的で、また、時代の波に逆らったこの物語が、ある界隈ではバイブルのように読み継がれているのはやはり面白い。
内容はというと、4分の1はエディソンがもっと早く私の発明品を誰かが作ってくれていたら良かったのに〜、3分の1は女ってやつは・・・というエワルドの文句、もう3分の1でアンドロイドの制作方法、残りその他(割と大事)といった感じ。
だが、最後のアンドロイドの復讐とも思える欺きと、エドワルドとアンドロイドの最期は必見。この時代の科学への眼差しと、人とヒトガタへの関係への興味の描かれ方は大変面白い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
僕も初めは授業で扱ったのがきっかけだったんだが読んでいくうちに私はこういう小説が書きたいんだということを気づかせられた。恋する潜水艦もいい
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正漢字・歴史的仮名遣い。「」を使わず余白も殆どなし。という事情からだけではなく、読むのにかなり時間を要した。
まずイギリスの青年貴族エワルドの恋人ミス・アリシヤの外見が如何に完璧で、内面が如何に低俗であるかが100頁以上語られる。その後は人造人間ハダリーが如何にして人間と同じように動くかの説明が約300頁。平衡を保つのに水銀を使ったり、運動圓管のざらざらした表面に刻みつけたり、流石19世紀と思わせる古めかしさがあった。理想の女性像にも異議のあるところだが、ブルジョワに対する風刺だったのかもしれない。「私は人間を辞職する」というエワルドの台詞には笑った。
この小説を註釈も含めて読み切った事は、指輪物語の読了と同じく今後の自信となるだろう。
p421
私は人間を辞職するーー -
旧仮名・正漢字で最初は難航したが最後のほうには慣れた。
フランス文学のワケのわからなさや独善的で突っ走る部分がそれなりにある。
中身も完全なる人工物の方が良いな・・・ -
旧仮名・正漢字の羅列で難航を覚悟したが全くの邪推、大変面白くすらすら読み通せました。人造人間に理想の女性を求めるなんてフェミニズム以前ならではの設定ですがね。しかし反科学社会、反ブルジョアを通し俗物を嫌悪したリラダンのアイロニー、パラドックスからなるこの奇妙奇天烈な物語に作者の崇高な魂を感じました。偏りすぎのきらいがあるゆえのその純粋さに感服します。
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文句なしのレベル5です!漢字が旧漢字なのかな?最初は苦労しましたが、この読みにくさもなかなか耽美なもの 未来のイヴ リラダンの作品は噂はかねがねでずっと読みたいと思っていました. 人造人間はこうでなくちゃ!”
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こんなにも、退屈さと腹立たしさと面白さが同居している本は記憶にないです。100年以上も前に書かれたという事を考慮して割り切らなければいけないところもたくさんありますが、その逆に100年以上も前にこんなものが書かれていたのかと驚かされる点も多々あり、これだから古典はたまらない。という心境です。SFというよりは空想科学といったテイストで、小劇場でお芝居を観ているかのような感覚でした。生身の異性に幻滅したから理想的なニセモノの幻影を追い求める。だなんて、アイドルや二次元キャラに熱狂している人には笑えませんよね。
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最後まで途切れず読めて、最後のシーンが印象に残っている。
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前置きなげぇ……(-_-;)
正漢字・歴史的仮名遣いには抵抗ないけど、表現の回りくどさ! 途中で読むのめんどくさくなったわ。
イギリスの青年貴族が、絶世の美女に心奪われてしまうのだけど、その女性が外見には似つかわしくない言動をする(要するに、下品でバカってこと)のに幻滅し、プライドが高いのか潔癖なのか、別の人を愛することもできず、死を選ぼうとする。
それを知った天才科学者が、彼の愛する女性と全く同じ外見で、同じ声、同じ香りの人造人間を作り上げ、彼の欲する魂の気高さをそれに吹き込んでプレゼントする話。
あんたら、女性をなんだと思ってんだと言いたくなる内容。
見た目は文句なしに美しいのに、中身が愚劣で絶望だなんて、勝手なこと言ってんな~。
それこそ、光源氏みたいに自分好みの女に育てるくらいのことしなよ。
できないのなら、それはあんたの手に負える女じゃないってこと。
話がずれたけど、最後まで読むのは結構苦痛だった。
苦しんで読んだのに、あの結末……最悪。
結局、叶わぬ夢、冒涜的行為なのかな、と。