殺人者の顔 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M マ 13-1)

  • 東京創元社
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感想 : 102
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  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488209025

感想・レビュー・書評

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  • 刑事ヴァランダーの原作本ということで。
    中年でダメダメな男性刑事というキャラは日本の小説でも最近はとくに珍しくなくなったと思うのですが、これは男の駄目さの描写が素晴らしい。女の私が読んでも、仕事と家族に悩む中年男性の疲れが胸に迫ります。
    イアン・ランキンのリーバスよりも、地に足のついた疲れ方(?)っぽい。
    しかし老夫婦の惨殺事件、移民の殺害事件、どちらも難しいものを、逃げ出さず放り出さずに取り組む姿だけでヴァランダーが信用するに足る人間だと読者には実感できます。
    終盤、彼は大事な刑事仲間をじわじわと失っていくのですが、その部分が良かった。大事な人を亡くしたことがある人ならば、ヴァランダーの喪失感をトレースして落ち込むかも。あそこだけでもマンケルの筆に満足です。

  • 何故残虐な殺し方をしたのか? 外国人で日頃虐げられてたから? そんな記憶力ある人いる?

  • スウェーデンの警察小説だが、内容的には捜査活動よりも主人公の内面(離婚したて、やや不摂生)に重心を置いている

  • 初読

    スウェーデン、刑事ヴァランダーシリーズ第一弾。
    舞台が1990年、26年前な事に軽く驚く。
    移民政策がもたらした外国人排除運動、保守・右傾化。
    まさにタイムリーな問題。

    ヴァランダーの父親の痴呆、麻薬汚染。
    北欧の暗い影。

    事件そのものはアレッというくらいシンプルで
    拍子抜けしないわけではないんだけど
    うーん、なんかいいんだよね。なんか好き。
    都合のいい設定もなーぜか気にならない。
    ヴァランダーもなんかあれなんだけど…なにか憎めないw

    そして北ミスの大人の男はさくっと女と大人の関係になるなー!!w

  • スウェーデンの田舎。農家で老夫婦が惨殺された。
    シリーズ化している人気ミステリーの1冊目。

  • 世界で最も福祉政策が充実し、幸福度も高いと言われる北欧だが、ミステリ作品の中では、他の国と大して変わらないシビアな現実を抱えている様子が描かれる。ヴァランダー警部の第1作がすでに数十年前の作品ということにびっくりするが、起こる犯罪とその背景にある社会問題は現在も解決しておらず、そのせいか大筋で古さを感じさせない。先日、欧州で自警団に対する懸念が広がっているという新聞記事を読んだので、このシリーズを思い出した。たしかシリーズ中にそんな話があったような。機会があれば読み返してみたい。

  • 「刑事ヴァランダー」の原作ということで、読んでみた。

  • じっくり、ゆっくり読むと、より味わい深くなる物語かな。
    確かに本筋の事件解決についてはあっさりでしたが、それ以外の話がいろいろあり、また移民問題についても今後の日本の未来に直面する問題なのかなと、勉強になりました。
    次のシリーズも読んでみようと思います。

  • BBCラジオで著者が亡くなったとの報道があった。全く名前も、このシリーズも知らなかった。Amazonに頼んだら当日届いた。スウェーデンを知らない。推理小説、刑事小説、ミステリと言ったジャンルを全く読まない門外漢です。

    刑事の現実の苦労、焦燥に反して残りページ数が限られて来ればいずれ解決するのだろうと思わざるをえない。到達するべき点があるとして、作者の苦労であちこちに引き摺り回されて、こちらも苦労してあちこちスタンプラリーのように落としておいてくれたプロットを拾いながら引き摺り回された挙句、その初めから決まっていたゴールたどり着く過程が、徒労としか思えないのです。なのでこのジャンルには近づかない。趣味も目的志向の呪縛からは逃れられない。

    なのに妙にしっくり来ましたよ。奥さんが男つくって出て行く。娘との断絶。父親の老い。肥満、アルコール依存。自身の正義感への自信のなさ。同僚とのぎこちない信頼感。無茶、ヤケのような、自分を励ますためだけのような恋。スウェーデンと言う知らない土地の肌触り。冷たく湿っていて少ない光。なんかしっくりくる。彼が聞いているオペラを集めてみようと思います。シリーを読むかは未決。時はまさにMigrants Cricis。スウェーデンの政策を尊敬していましたが、そこにあるリアルな心情も少し理解できたかも。

  • 期待したシリーズだけれど、正直途中が退屈だった。

    北欧に漂う様々な社会問題の一旦を垣間見ることができるが、続けて北欧ミステリーを読んできたので少し辟易気味。何もかもがうまくいく理想国などないことを痛感させられるのは少しばかり辛い。

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