ホテル1222 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488257064

感想・レビュー・書評

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  • 4月14日読了。図書館。

  • ノルウェーについて、文化的背景も政治的背景もよく知らないため、ハンネの感覚に理解が追いつかない。翻訳物は難しい。

  • 海外の小説で毎度のように経験することだが、文化的な価値観の違いに起因するのか、登場人物の感情の動きが掴めず、ストーリーも頭に入ってきづらい気がした。また、ストーリーが平坦で盛り上がりどころがもう少しほしいように感じた。

  • シリーズものは大々的に謳って欲しい。いきなり8作目って…。出版社側としては『雪の山荘』ものとして新規読者を獲得したかったのかもしれないけれど、本作はあくまでシリーズものの範囲を出ないと思う。最近(特に北欧ミステリ)、途中翻訳出版が多い気がするが、主人公やそれを取り巻く環境が大きく変化するシリーズは、順を追って読めるようにして欲しい。作者の描き方の特徴なのか、シリーズものゆえの曖昧さなのか、今回の事件とは直接関係ない事柄のぼかされ方が意味不明でおいてけぼり感が強い。

    閉じ込められた空間で起きる殺人事件は、次々に人が減っていく恐怖や限られた人間の中に犯人がいるかもしれないという疑心暗鬼がもたらすパニックなど、お決まりの醍醐味が多々あるけれど、この本はシチュエーションこそそう見えるのに、閉じ込められた人の数が多すぎるからかまるで緊迫感がない。謎の車両もクルド人もうまく活かされておらず、パニックを煽る人物がいる割に中途半端な騒動しか起こらないまま、ただひたすら淡々と話が進み終了。次に何が起こるか分からないハラハラ感とは無縁で、良く言えば安心して読める。悪く言えばミステリ度が低い。

  • 雪嵐の中で列車が脱線し、トンネルの壁に激突。運転手は死亡、乗客は近くの古いホテルに避難した。救助を待つだけのはずだった。だが翌朝、牧師が他殺死体で発見された。吹雪はやむ気配を見せず、救助が来る見こみはない。乗客のひとり、元警官の車椅子の女性が乞われて調査に当たるが、またも死体が・・・・・・。ノルウェーミステリの女王の最高傑作!

    というあらすじに惹かれて、手に取ったのですが、かなりの期待はずれでした。
    てっきり、雪の山荘テーマの本格ものと思っていたのですが、まったく別物でした。その思い違いが最後まで尾を引きましたね。

    雪に閉ざされたホテルという舞台ではあるものの、200人近い人がひしめくシチュエーションに殺人が起こっても緊迫感はなし。

    セクシャル・マイノリティで身体的ハンディキャップもある探偵役の車椅子の女性は、気むずかしいだけで、強い意志は感じられるものの、全体的に魅力に乏しいキャラクターでした。

    それでは、本格でない分、人間性を深く掘り下げてドラマ性が高まっているかと言われると、これまた中途半端な気がします。

    久々に、読み終えるのに苦労した小説でした。

  • 基本的に本は購入・保持したい派なのだが、今回は売ってしまおうかどうしようか迷う。

    個人的に魅力だったのは、ノルウェーという普段あまり関係することのない異国の地が舞台だったことと、更に、雪山の美しいホテル(しかも実在!)での連続殺人事件というスタンダードながらもワクワクさせる設定そのものだろうか。

    シチュエーション自体は悪くないのだが、いかんせん展開のドラマ性に乏しい。たいした伏線もなくダラダラと話が進む上、ところどころ、主人公の言動に一貫性がなくなるというか、微妙に辻褄が合わないところも出てきて、「ん?んん??」となる。最初、各章のトビラページに目次も兼ねて表示される「ビューフォート 風力階級0 静穏 煙はまっすぐに昇る」っていう趣向が「あ、コレ実際の天候と関連しているのかな。章が進むと風力階級も上がって、それが舞台の天候ともリンクして、吹雪になってより凄惨性が増していく的な!?」とかって思ってひとり感心していたのだけど、少し進むうちに全然関係無いことが分かってがっかり…。

    また、登場人物のキャラ性も低く、魅力的な個性が全く描き出されていない。一応、主人公のハンネというのが一癖ありつつも敏腕の元刑事って探偵役に当たるわけだが、このハンネ自体の人間像がいまいち伝わってこない。社会的マイノリティの要素を色々抱えていることは分かるけど、その設定が大して生きていないというか。どうやら現地ではシリーズものみたいなので、最初から通して読んでいればもっと面白いのかも。

    そして、結局、結末もいまひとつ、な印象。描写は割とインパクトあるんだけどな…内容にインパクトが無いっていう…(致命的)。

    翻訳の仕方のせいもあるのかなー。ちょっと訳の文章自体が分かりにくくて、上手に日本語訳できていない感もあった。

    場面を絵として想像するとそれなりにドラマティックで楽しいので、個人妄想力の強い人向け。

  • 雪山で起きた列車事故のために近くのホテルに避難した人々。折からの大雪で救助が来れないなか、連続殺人事件が…。まさに”絶海の孤島”、”嵐の山荘”物に類する作品、と思って読んだのだけど。
    読んでて終始違和感が。車椅子の女刑事の一人称のみで物語が進むのだけど、女性の内面の葛藤や人間ドラマがメイン。ただその人物描写も行動も退屈でまるでフランスの小説のよう。
    殺人事件が起きても捜査や推理で話が走り出すわけでもなく、終始意味のない(事件に関係しないという意味で)ドラマがダラダラと続き終わった。
    読み終わって後書きを読んだら、これは女刑事のシリーズものの8作目らしい。それで納得。
    今までの作品を読んでないから背景が分からないし、そもそも”雪山の山荘”を意識して作者が書いたとはいえ、既存のシリーズの延長線上での話。
    それを出版社は独立した作品のごとく出したから期待してしまった。シリーズを読んだうえでこの作品を読めばその位置づけも変わったかもしれない。
    作者の文体なのか訳かはわからないけど、遠回しの文章が多いのにも疲れる。

  • 修羅場中に読むには主人公が後ろ向きすぎた。
    もっと時間があれば人間関係やら内面やらをじっくり読めたとは思う。
    一方的な自分の選書ミス。スミマセン。

  • 独特の文体にも馴染めず、なんか読みづらかったなあ。

  • ノルウェーの作家アンネ・ホルト、2007年発表の小説。雪嵐に閉じ込められた山中のホテルで次々と事件が起きるというミステリー。あえて良くあるパターンに挑戦した作品のようですが、とても味わいのある佳作になってると思います。

    かつて無い厳しい雪嵐の中、列車の脱線事故が起き運転手が死亡、幸いすぐ近くにホテルがあり乗客は全員救助されますが、嵐のため孤立したホテルで次々と事件、事故が起き・・・。
    主人公は元警官の中年女性。彼女の語りで物語りは進んで行きます。かつては敏腕刑事であった彼女は捜査中に銃で撃たれ下半身不随になったことで警察を辞めています。この主人公の極めて偏屈でひねた視線が良いです。まだ中年なのだけど、身障者でレズビアンの彼女はまるで老女のように疲弊しひねくれ、諦観と達観の中、超然と浮遊しているよう、なかなか見事な造形です

    犬が犠牲になるところが動物愛好家の私としては残念だし、この犬を虐げた人たちが報いを受けない点にはがっかりします。またエピローグに関してですが、犯人の裁判がどうなったのか触れて欲しかったと思うし、哀れな少年のその後にも少し触れて欲しかったと思います。
    でも、良い作品です。

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