乱れからくり (創元推理文庫) (創元推理文庫 M あ 1-2)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 84
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  • Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488402129

感想・レビュー・書評

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  • 日本の古き良きミステリィというか、この時代の王道かなあといった雰囲気。
    作者のからくり玩具の知識はすごい。きちんと事件と絡んでいるし、ただの蘊蓄の披露に終わっていないところもさすが。雰囲気満点のからくり屋敷や庭園迷路。曰くのありそうな人間関係。お膳立ては定番と言えば定番で、でもだからこそ安心して読める。
    きちんとトリックや犯人を考えながら読む人は、どのくらい正解に辿り着けるのだろうか。それほど無茶苦茶な筋立てではないと思うが、私は迷路とかいろいろ出てきたあたりで既に論理的な部分ではついていけていなかったので、なんとなく(感性的に)アイツが怪しいなあぐらいのものだったんですが…。(2003-10-20)

  • 大体犯人とか手がかりとか読めた。

    ミステリーとしてもよくできてるし、小説としても面白い。
    読むのに多少時間がかかったが、読みづらさは無い。

    この主人公たちはもう出ないのかな。
    泡坂作品はまだ4冊目だけど、出そうに無い?

  • どこを切っても「からくり」。

  • 全編にわたるからくり趣味が楽しいのと、トリックの原理が醸し出す無機質さが恐ろしいのとでがっちり心を掴まれた。泡坂妻夫の長編作品作品で一番好き。

  • 一人目、朋浩が隕石で死亡ってなんだこれww
    奇禍にもほどがある
    昔の小説なんでやたら文字が小さく読みづらさが多少あった
    けれども、終盤にかけての種明かしには本当に脱帽させられた
    古臭さは多少あるけど、読んで損はないはず
    最近のミステリーとはまたちがった味わいがあります

    まさか、犯人があいつだったなんて・・・
    きいてもにわかにはわからんですこれは

  • ちょっと古めの小説ですね。
    とある玩具で財をなした旧家の連続殺人。
    ものすごくはしょって言うとこういう感じで。

    ん~・・・つまらなくはない・・・ですが。実にステレオタイプというか古き良きというか。最後の仕掛けというか真相もなんとなく予想できたことはできましたが、それはそれで楽しめた。
    ただ主人公の性格がいまいち読み切れない印象は最後まで感じました。強気なんだか弱気なんだか。突然突飛なことしだしたり。なんか過去にいろいろあったような雰囲気がありつつも特に語られることなく終わったり。これは続編なり前に語られた話なりがあったのだろうか??

    しかし・・・隕石・・・・・それはまたすごいこと考えたというか・・・普通に事故とかじゃ駄目だったのか?w

  • からくりを使ったミステリー。

  • 天地明察の著者が、この本がお気に入りというので
    図書館から借りて読んでみた。

    からくり仕掛けの歴史や説明がおもしろかったし
    トリックにもからくりが散りばめられていて
    全体的にレトロで重苦しい雰囲気なのに
    どことなく滑稽な感じもする話だった。

  • 「世間の人には金持ちラシく見せ、本当は大した財産もない身上のことだ。馬割家の身上は、文字どおりのからくり身上だった・・・・・・」

    桜庭さんがTwitterで呟いていたから気になっていた読んだ1冊。
    おぉ!!!さすが!!!という感じなミステリものでした。

    なかなか、主人公の女探偵がかっこ良くって、シリーズ物なら他作品も読まねば!という気分にさせてくれた。
    反対に、ワトソン役の彼は、ちょっと私の好みじゃなかったのだ。。。
    京極で出てきたあの彼のようだった。。。イマイチ・・・

    とにかく、ミステリものとしては、もう古典になりつつあるのかなぁ。。。
    さすが、な1作なのでした!

    【8/16読了・初読・市立図書館】

  • ボクサーを辞めた勝敏夫が就職したのは宇内経済研究会。
    そこは所長・宇内舞子がひとりでやっていた企業を対象とした興信所だった。
    初日から調査に連れ出された勝の目の前で依頼人の車に落下物が衝突し、依頼人が死亡。
    それを皮切りに玩具会社「ひまわり工芸」の経営者家族が一人また一人と殺されてゆく・・・。

    泡坂さん追悼特集、3作目。
    すでに古典の名作としても名高いこの作品。気になっていましたがようやく手にとりました。

    タイトル『乱れからくり』だけあって、章題も内容もからくりに満ちています。
    大小のからくりが登場し子供心を刺激されます。
    古代からのからくりの薀蓄も飽きずに楽しめました。

    もちろんミステリ的にも面白かったです。
    ダイイングメッセージがすぐにわかり、途中ちょっとどうかなぁ~なんて思ってしまったのですが、大仕掛けが判明してからの展開に一気読み。
    そして最後の殺人の真相の地味さにびっくり。
    これが伏線だったとは!
    あれだけの大仕掛けのあとのあまりの細かさのギャップに、ここが一番印象に残ってしまいました。

    ラストの大団円もいいですね。
    遊び心満載の一冊。ファンが多いのも納得でした。
    幻影城ノベルスで読めたのもうれしかったです。解説が中井英夫さんで、得をした気分になりました。

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著者プロフィール

泡坂妻夫(あわさか つまお)
1933~2009年。小説家・奇術師。代表作に「亜愛一郎シリーズ」など。『乱れからくり』で第31回日本推理作家協会賞。『折鶴』で第16回泉鏡花文学賞。『蔭桔梗』で第103回直木賞。

「2020年 『秘文字』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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