乱れからくり (創元推理文庫) (創元推理文庫 M あ 1-2)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488402129

感想・レビュー・書評

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  • 主人公は、交通違反を取り締まっていた最中の出来事がきっかけで、収賄疑惑をかけられ、首にされた警察官です。その濡れ衣を晴らす為、原因となった交通違反者を執念で探し出すが、その追跡中に隕石が落下してきて目の前でその人物が死んでしまう…。身元を頼りにその人物の家に乗り込むと、そこで殺人事件が起きる、という前代未聞の始まりです。
    泡坂さんの作品は、とにかく文章が達人技で素晴らしいです。推理小説家として日本推理作家協会賞を、小説家として直木賞をとり、手品師としては自らの本名を冠した厚川昌男賞が存在し、紋章上絵師という江戸時代から続く職人でもあるという、多芸多才な方です。その多芸多才ぶりが、小説というエンターテイメントのなかに最も馴染んでいるのが『乱れからくり』という作品だと思います。
    知己溢れる仕掛けあり、江戸時代から延々と続く玩具屋という歴史も絡めてあり、時代的にも空間的にも広がりのある極めて贅沢なミステリーだと思います。この様なミステリーはなかなか無いと思います。

  • 大分前に読んだ。けれん味があって豊かな気分になれるミステリ。ダイイングメッセージのダブルミーニングもツボだよー。犯人が事前にああしてこうして… というのは、あの有名な海外ミステリに通じるトリックですな。読んで損はない傑作!

  • 浮気調査の尾行中依頼人・馬割朋浩と妻・真棹の乗る車に直撃した隕石。朋浩の死。舞子と勝敏夫の捜査。舞子の過去に隠された秘密。朋浩の通夜の晩に死んだ1歳の息子。捜査中迷宮の中で目を撃たれ死んだ妹・香尾里。カラクリ人形に隠された毒針で死んだ宗児。毒殺された鉄馬。

     2010年2月24日購入

     2010年7月24日読了

  • 本気で久々に正統本格の大作を読んだなという気分になりました。
    やっぱミステリはこうでなくっちゃね…!

    主人公の勝くんの青臭い恋心が私にはちょっと鼻につくところもあるんですが、文句ナシに日本古典ミステリの傑作だと思います。

    ところで文庫の表紙と裏表紙の実写版写真が結構怖いんですがこれってドラマ化だか映画化でもされてるんでしょうか。
    特に裏表紙の人形の顔はちょっとびっくりするくらい不気味です。
    夢に出てきそう…顔色(?)悪いし…。

  • 泡坂の代表作だろう。紋章上絵師であり、奇術師であり、
    推理作家である作者の、魅力が一番強く出ていると思う。

  • まさか銭谷五兵衛とか大野弁吉が出てくるとは思わなんだ。

    先祖が隠した埋蔵金と連続殺人事件の謎とが絡み合う。

  • 泡坂妻夫氏がお亡くなりになられたということで読んでみた。
    最近興味を持って亜愛一郎ものに手を出したところだったので残念だ。
    謹んでご冥福をお祈りします。

  • 対談に出ていた本。恩田陸先生のお気に入り。

  • 第31回推理作家協会賞受賞作。


    妻の素行調査を依頼した玩具会社の部長を隕石が襲う!?

    というとんでもない幕開けで始まる作品。

    この事故を発端に次々と巻き起こる奇怪な事件の数々。

    螺子屋敷の人々に秘められた驚愕の秘密とは?

    男勝りの女流探偵が導き出す真相やいかに?

  • 2008/03
    古い作品と知らなかったが、古さは感じなかった。トリックにはあまり興味ないので、むずかしいトリックがちょっと苦手でした。

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著者プロフィール

泡坂妻夫(あわさか つまお)
1933~2009年。小説家・奇術師。代表作に「亜愛一郎シリーズ」など。『乱れからくり』で第31回日本推理作家協会賞。『折鶴』で第16回泉鏡花文学賞。『蔭桔梗』で第103回直木賞。

「2020年 『秘文字』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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